アルピーヌのピエール・ガスリーは、F1マイアミGP決勝でピットレーンからスタートすることが決定した。土曜の予選でQ1敗退を喫し、今季ワーストの18番手に沈んだガスリーだったが、アルピーヌは決勝での巻き返しを狙い、マシンのサスペンション設定を変更。その結果、FIAのF1スポーティングレギュレーション第40.9条(b)に違反したため、規定によりピットレーンからのスタートが義務付けられた。
スチュワードは次のように声明を発表している。「BWTアルピーヌF1チームは、パルクフェルメ下において10号車のサスペンションセットアップを変更した。これはFIA F1スポーティングレギュレーション第40.9(b)項に反する行為であり、これにより10号車は決勝をピットレーンからスタートしなければならない」今季ここまで、日本GPでは11番手、バーレーンでは5番手、サウジアラビアでは9番手と安定して中団上位に食い込んできたガスリーにとって、マイアミでの苦戦は想定外だったという。「何点か変更を加えてクルマの改善を図ったけれど、うまくいかなかった。3回アタックしたが、どれも目指すべきタイムに対してコンマ5秒も遅れていた」とガスリーは失望を隠さず語った。「セッション全体を通して細かい問題はいくつかあったけれど、それだけではこの遅さは説明できない。なぜ3回ともこれほどタイムが伸びなかったのか、チームともう少し時間をかけて分析する必要がある」変更が誤った方向だった可能性を問われると、「理論上はそうじゃないはず。でも、走った結果は期待していたものとは違っていた。現時点では原因がわからない」と述べた。「ただ確かなのは、普段の位置からかけ離れていたこと。自分のラップは良かったし、Q1で敗退した他のドライバーたちも何かしらのミスがあったみたいだけど、自分には特に明確な説明がない。ただただグリップが足りなかった理由を理解しないといけない」また、マシンがマイアミ特有のコースに適応できていない可能性については否定的だ。「昨日のスプリント予選では13番手だったし、Q3には届かないまでも11番手くらいには行けたはず。でも今日はチャンスすらなかった。どのラップも18番手か19番手で、昨日と比べてあまりにも差がありすぎた。何かがおかしい。今夜チームとしっかり話し合いたい」なお、ガスリーのピットレーンスタートにより、予選19番手だったランス・ストロールと20番手だったオリバー・ベアマンは、それぞれグリッド1つ繰り上がることになる。