山本尚貴が、F1日本GPのフリー走行1回目で自分にマシンを譲ってくれたピエール・ガスリーは“心の底からリスペクト出来る数少ないドライバーの1人”だと語り、ダニール・クビアトを含め、トロロッソ・ホンダのサポートに感謝の意を表した。SUPER GTとスーパーフォーミュラの現役チャンピオンである山本尚貴は、鈴鹿サーキットでピエール・ガスリーに代わってトロロッソ・ホンダ STR14をドライブ。F1日本GPでの日本人ドライバーの走行は2014年の小林可夢偉(ケータハム)以来となった。
0周を走行した山本尚貴は、トップから3.2秒差、チームメイトのダニール・クビアトとは異なるプログラムではあるものの0.098秒差の17番手タイムでセッションを終えた。日曜日も山本尚貴はトロロッソ・ホンダのチームウェアを着用し、ピットからレースを見守った。「ピエールはトラブルを抱えながらの力走の末ポイントゲット。ナイスラン」と山本尚貴は自身のInstagramに投稿。「この世界はやるかやられるか。特にF1はそれが容赦なく行われる世界。時に残酷なジャッジが下されることもあるし、チャンスを掴むためには相手を蹴落としてでも這い上がらなければいけない」山本尚貴は、2017年のスーパーフォーミュラでピエール・ガスリーとTEAM MUGENでチームメイトとなっていた。異国の地での初めてのカテゴリーでピエール・ガスリーがランキング2位を獲得し、山本尚貴の成績を上回った。「今回ピエールはその中でも僕に車を譲ってくれただけではなく、貴重なアドバイスを惜しみなく伝えてくれました。彼は僕よりも若いし、キャリアも僕の方が長いけど彼は心の底からリスペクト出来る数少ないドライバーの1人です。彼に負けた2017年を消し去ろうとは全く思わないし、努力する姿勢はあの時と何も変わっていなかった。今の自分があるのは彼がいてくれたからこそ」「ピエール、ありがとう!」「そしてダニールもF1初走行の僕をサポートしてくれました。ドライバー同士ライバルではあるけどスポーツマンですから。これからの彼らの成功と幸運を祈っています」「そしてトロロッソという素晴らしいチームからF1初ドライブが出来て本当に良かったです。カート時代にARTAのサポートでイタリアに2年間レース留学させてもらいイタリアの文化と語学を学んだこと、2年前にピエールとスーパーフォーミュラでチームメイトとなり彼の事を知ることが出来たこと、全てがこの日のために繋がっていたのかなと思えるほど運命的な縁を感じました」「その時には分からなくても、将来の“何か”に繋がっているのかなと。だからこそ『今』を無駄にせず全てのことに意味があると思ってこれからも目の前の物事に全力で取り組んでいこうと改めて思いました!」「F1ファンの皆さん、国内にも速くて才能のある選手がたくさんいます。ぜひ国内レースの応援も宜しくお願いします!!素晴らしい時間をファンの皆さんと共有することが出来て最高に幸せでした。今回のチャレンジを応援してくださった全ての皆さん、本当にありがとうございました!F1のコックピットから見えた景色、匂い、音、全て忘れられないです」「またいつか。」「最後になりました、あの台風の中様々な対策が金曜日の晩から日曜日の朝にかけて行われていたと思います。特にスタンド裏手のGPスクエアは全て撤去されていたのに日曜日の朝には元通りに。改めてレースというものはこうした皆さんの努力もあって作り上げられているんだなということも感じました。鈴鹿サーキットの皆さんもお疲れ様でした!」「また再来週、宜しくお願いします」