トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが、スーパーフォーミュラでの経験、昨年のF1デビュー、ヘルムート・マルコとの関係、そして、噂されるレッドブル・レーシングへの昇格について語った。昨年のマレーシアGPでトロロッソでF1デビューを果たしたピエール・ガスリーは、今年ホンダとのパートナーシップを開始したトロロッソでF1フル参戦。バーレーンで4位、モナコで7位、ハンガリーで6位と好成績を収めるも、他のレースではQ1敗退を喫するなど、浮き沈みの激しいシーズンを過ごしている。
今年のトロロッソ・ホンダでの戦いについてピエール・ガスリーは「クルマは全てのレースで4位でを狙えるほど良くはない」と Auto Motor und Sport にコメント。「シーズン序盤は他よりもポテンシャルを引き出すことができたと思う。バーレーンで良い結果を残せたのはそれが理由のひとつだ。でも、正直、僕たちはあのときどうやって成し遂げたのかまだしっかりと理解できていない。今の僕たちはどこでもポイントを獲得できるというわけではない。ハース、ルノー、ザウバーは僕たちの前にいる。でも、チャンスを得られる場所もあると思う。それを生かさなければならない。バーレーン、モナコ、そして、ハンガリーではそれができたと思う」2019年からレッドブル・レーシングもホンダのF1パワーユニットを搭載する。ピエール・ガスリーは「大きな助けになるのは確かだ」と語る。「今年はある意味ホンダのエンジンでちょっと孤独な戦いだ。レッドブルとより密接に働いてみるまでどれくらい進歩したかはわからないだろう。それに新しい空力レギュレーションもある。でも、全体的に僕たちにとってはポジティブなことしかないと思う」2016年にGP2のチャンピオンに輝いたピエール・ガスリーだが、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコはまだF1の準備は整っていないとして1年間、日本のスーパーフォーミュラで経験を積ませた。「彼の意見には同意できないね。僕は準備が整っていたと思う」とピエール・ガスリーは語る。「でも、様々な理由でそういうタイミングではなかった。もちろん、落胆したよ。GP2はフットボールで言えば2部リーグみたいなものだし、その上にはF1しかない。昇格できなければ悩むよね。でも、同時にモチベーションにもなった。日本に行ってスーパーフォーミュラに参戦することは大きなチャレンジだった。本当に気合が入っていたし、自分自身を証明したいと思っていた」「突然、母国から1万キロも離れた国にいた。言葉もわからないし、空港に着いたときにはどこに行けばいいのかさえもわからなかった。日本の文化は完全に異なる。簡単ではなかった。でも、アスリートとしてだけでなく、人間としても素晴らしい経験だった。本当に楽しかった。スーパーフォーミュラのクルマは多くのダウンフォースを発生させる。それはF1のための準備に本当に役立った」「僕たちの関係はかなり改善されている。僕が若かった頃、彼は僕に多くのことを要求していた。僕もできる限りすべてのチャレンジをこなしていた。彼に自分がファイターであり、夢を決して諦めず、この場所に相応しいことを示したかった。彼はドライバーにとても厳しいけど、そこは受け入れなければならない。その間に僕たちはうまく付き合えるようになった。多くの人たちは気づいていないかもしれないけど、彼はユーモアがある。僕たちはいつも楽しくやっているよ」昨年のF1デビューは、テストをすることもなく突然訪れた。だが、冬の間に準備ができた今年は、よりF1にいることを快適に感じているとピエール・ガスリーは語る。「昨年末の初レースよりも良くなっているのは確かだ。あの時はテストなしでクルマに飛び乗ったからね」とピエール・ガスリーはコメント。「短い期間で多くのことを学ばなければならなかったし、すぐに良い結果を求められた。今年は冬の間に仕事の準備をすることができたし、チーム全体を知ることができた」「でも、まだ僕にとってはルーキーシーズンだ。新しいことがたくさんある。まだ学ばなければならなことはたくさんある。でも、全てのレース週末でF1のパドックにいることをより快適に感じている。ずっと望んでいた場所だしね」「もちろん、経験は大きな要因だ。レーストラックを知っていたり、予想がついていれば大きなアドバンレージになる。新しいコースではクルマからすべてを引き出すのに時間がかかることもある。でも、常に良くなっていくものだ。レースエンジニアはどうすれば僕が速くなるかをわかっているからね。僕たちはパッケージの純粋なペースには満足している。今後は、さらに一貫して良いスピードを示していくことに焦点を置いていきたいと思っている」ここまでピエール・ガスリーは、チームメイトのブレンドン・ハートレーを上回る成績を残している。このような結果は予想していたかと質問されたピエール・ガスリーは「簡単に答えられる質問ではない」とコメント。「もちろん、第1のゴールはチームメイトに勝つことだ。だから、これまでの結果には満足している。でも、シーズはまだ終わってはいない。まだ9レース残っている。あと9回彼に勝たなければならない。ブレンドは速いドライバーだ。WECやル・マン24時間レースで優勝しただけのことはある。毎週末が大きな挑戦だ。現時点で状況はとてもうまくいっているし、もちろん、それを続けたいと思っている」ダニエル・リカルドがルノー、カルロス・サインツがマクラーレンへと移籍したことで、ピエール・ガスリーは空席となっているレッドブル・レーシングのドライバー候補に挙げられている。レッドブルのジュニアプログラムはドライバーが枯渇しており、ピエール・ガスリーには大きなプレッシャーがかかるかもしれない。しかし、ピエール・ガスリーは「いいや、自分にプレッシャーをかけることはない」と語る。「そのために誰かを必要とすることもない。僕はすべてを完璧にこなしたいと思っている。成功しなければ自分に満足できない。環境は問題はないし、常に100%を尽くしている。でも、数年前よりもドライバーが少ないのは事実だね」「もちろん、僕はいつもレッドブルを念頭に置いている。僕はF1にいるわけだし、勝利やタイトルを争いたいと思っている。それができる機会は必ずやってくるだろう。僕はまだ若い。もちろん、できるだけ早く目標に到達したいと思うものだけど、今は将来についてはあまり考えないようにしているし、とにかく今あるリソースを最大限に生かそうと頑張っている。
全文を読む