ホンダは、2019年のFIA世界ツーリングカー・カップ(WTCR)の参戦について、今季は2チーム4台の参戦を計画しており、まず1つ目のチームについて発表を行った。2018シーズン、チームランキング3位を獲得したALL-INKL.COM Münnich Motorsportが、引き続きCIVIC TCRを用いて参戦することを決定した。
ALL-INKL.COM Münnich Motorsportのドライバーには、世界ツーリングカー権で優勝経験を持つ2名が決定。昨季もCIVIC TCRを駆ったエステバン・グエリエリ(34歳、アルゼンチン)に加え、ネストール・ジロラミ(29歳、アルゼンチン)が新たにHondaドライバーとして加入する。34歳のグエリエリは、昨季のWTCRで総合3位と活躍。ニュルブルクリンク北コースで初勝利を飾ると、マカオでも優勝し、計6度の表彰台フィニッシュを果たした。グエリエリの主な経歴としては、ユーロカップ・フォーミュラ・ルノーでチャンピオンを獲得したほか、F3ユーロシリーズ、スーパーリーグ・フォーミュラ、フォーミュラ・ルノー3.5や北米のインディライツ、アルゼンチンのツーリングカー権であるスーパーTC2000でも優勝を経験している。新たにHondaドライバーとなったジロラミは、アルゼンチン出身の29歳。特にツーリングカーレースの経験が豊富で数々の実績を残している。2014~2015年のスーパーTC2000でタイトルを2連覇、同2015年の世界ツーリングカー権(WTCC)スロバキアラウンドとポルトガルラウンドにHonda Civic WTCCを駆り、スポット参戦をした実績がある。2017年には他のメーカーからWTCCへフル参戦することとなり、中国ラウンドでの1勝を含む3度の表彰台登壇を果たしている。CIVIC TCRは、CIVIC TYPE Rをベースとしたレーシングカーで、現行FK8ベースの投入初年度となった2018年には世界各国のシリーズで5つのタイトルを獲得した。TCRシリーズの頂点に位置するWTCRにおいては、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportが、マカオギアレースのメインレースの優勝を含み全4勝をマークするなど、WTCC時代を含めてチームとして過去最高の成績を残している。一方、2017年のシーズン途中からケガで戦線を離れていたティアゴ・モンテイロだが、昨年鈴鹿で行われた第9戦で復帰を果たし、2019年はシリーズ参戦を予定している。Hondaドライバーとして8年目のシーズンを迎えるモンテイロの所属チームやチームメートについては、後日発表を行う。WTCR参戦チームへのテクニカルサポートは、CIVIC TCRの開発と製造を行うJAS Motorsportが担当し、各ラウンドにおいて技術的なアドバイスやスペアパーツの供給を通じて、Hondaチームやドライバーのタイトル挑戦を支えていく。2019年のWTCRは、4月5日(金)にモロッコ・マラケシュの市街地コース(ムーレイ・アル・ハッサン・サーキット)で開幕。その後、欧州ラウンドと中国戦の後、10月27日(日)にはHondaのホームコースである鈴鹿でスーパーフォーミュラとの併催が予定されている。11月に行われる伝統のマカオギアレースの他、最終戦はマレーシア(セパン・サーキット:初開催※)も計画されており、全10ラウンドが予定されている。※マレーシア戦の開催日は未定エステバン・グエリエリ | ALL-INKL.COM Münnich Motorsport「今年もHonda Racingの一員として、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportから参戦できることがとてもうれしいです。昨年は、ニュルブルクリンクとマカオという最も難しいサーキットで勝利するなど、素晴らしい経験ができましたし、どのチームよりも好調な勢いを持ってシーズンを終えられました。今季、“ベブ”(Bebu、ジロラミの愛称)と同じチームで戦えるのは最高の気分です。我々は友人であり、たくさんのレースでしのぎを削ってきました。彼はすごく速く、さらには最高のチームプレイヤーでもあるので、我々のタイトル獲得へ向けてとても重要な存在となってくれるはずです」ネストール・ジロラミ | ALL-INKL.COM Münnich Motorsport「Honda Racingの一員に加われることを誇りに思いますし、私にCIVIC TCRを託してくれるALL-INKL.COM Münnich Motorsportに心から感謝しています。昨年、鈴鹿のレースではチームに帯同し、彼らの仕事の取り組み方を理解するとともに、タイトル獲得へのポテンシャルがはっきりと分かりました。エステバンとはとてもいい関係にあるので、チームメートとして働くことにわくわくしています。今季に全力を投じるつもりですので、テストが始まるのを心待ちにしています」レネ・ミュニッヒ | ALL-INKL.COM Münnich Motorsportチーム代表「2019年のWTCRに再びCIVIC TCRで参戦できることをうれしく思います。我々は、2013年にツーリングカーの世界権に参戦を開始してから、年々力をつけ、2018年には4勝とドライバー・チームランキングともに3位と、過去最高の成績を残すことができました。CIVIC TCRはかなりの競争力を持つマシンです。エステバンとベブ(ジロラミのニックネーム)というトップレベルのドライバーとともに、このマシンでタイトル獲得へ挑戦する機会を得られて、興奮しています」山本雅史 | Hondaモータースポーツ部長「3人のハイレベルなドライバーとともに、今年もWTCRでCIVIC TCRが戦えることをとてもうれしく思います。エステバン・グエリエリとネストール・ジロラミは、世界で最も厳しいツーリングカー権の一つである、アルゼンチンのスーパーTC2000から昇格し、WTCCやWTCRで世界レベルのドライバーとして優勝を獲得するなどその実力を証明しています。そして、ALL-INKL.COM Münnich Motorsportが見せてくれた、昨年のパフォーマンスと戦う姿勢は素晴らしいものでした。また彼らとチャンピオンを目指し戦えることに感謝しています。ティアゴは不屈の闘志で、身体を万全な状態に戻してきてくれました。まもなく彼の今季について詳細を発表でき、復活したティアゴとレースができることを楽しみにしています」アレッサンドロ・マリアーニ | JAS Motorsport CEO「ミラノにある我々の工房で組み上げたCIVIC TCRが、ALL-INKL.COM Münnich MotorsportとともにWTCRへ参戦することを喜んでいます。チームとは強力な関係が築けていますし、Hondaとも1998年以来の仲ですから、昨年以上の成績を目指す両者をサポートできるのを楽しみにしています。現行のFK8型CIVIC TCRは2017年の10月に初走行を迎えて以来、アジア、北米、欧州など世界各地のレースに参戦しており、34勝を挙げて5つのタイトルを獲得しました。この実績が...
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