全日本F3選手権の今季最終大会(第15、16、17戦)が行われ、8ポイント差のビハインドで臨んだ山下健太(TEAM TOM'S)が3連勝で大逆転。F3参戦3年目にして悲願のシリーズチャンピオンを獲得した。第15戦決勝、ポールポジションの山下は順調にスタートを決め、首位をキープ。山下の独走かと思われたが、16周目に2位を走行していた車両が最終コーナーでクラッシュ。この車両排除のためにセーフティカーが導入され、山下の築いたマージンは帳消しとなってしまった。
残り5周でセーフティカーが退き、レースが再開されると、山下は上手く後続を引き離しトップのポジションを堅守。 山下は逃げ切り、トップチェッカー。ファステストラップも獲得しこのレースはフルマークの12点を追加。ライバルが2位でフィニッシュしたが、翌日のポールポジションポイントも加えると、2点差まで詰め寄ることとなった。「ポールポジションからのスタートだったので、序盤はだいぶ飛ばして差を作ることができました。決勝前は、レースペースは、B-MAX Racing Team with NDDPのふたりの方が速いかと思っていたのですが、それほどでもなかったので6秒ぐらい差をあけることができました。ただ、そこでセーフティカーが入ってしまって。ちょっと嫌だなと思ったのですが、落ち着いてリスタートも切れて、勝ててファステストラップも獲れたので、本当に良かったです」第16戦決勝、ポールポジションの山下は、後方のライバルにやや詰め寄られたものの首位をキープ。首位の山下は2位との差を2秒以上に広げたが、終盤、周回遅れに阻まれる形となりその差は一気に1秒程に。しかし、何とか逃げ切り、前戦に続く2連勝。1ポイント差ながらライバルを逆転し、ランキング首位で最終戦に臨むこととなった。「スタートは少し濡れていたので慎重にいきましたが、意外とグリップしましたね。ちょっとマーデンボロー選手に詰められましたが、第15戦と同じように序盤で差をつけることができました。ただ、まだコースで濡れている部分があったので安全にいったところもあるのですが、思ったよりペースが良くなくて、中盤くらいからうしろとあまり差が変わらなくなってきてしまいました。それと、周回遅れのマシンの処理でもロスになったり、少しフラストレーションを感じるレースでしたが、なんとか勝てて良かったです。次のレースはドライですし、普通にスタートを決められれば大丈夫かなと思います」第17戦決勝、山下が2連勝でランキング首位には立ったものの、その差は1ポイントでタイトルを争う2台が最前列グリッドに並んでのスタートとなり、このレースで勝ったものがチャンピオン獲得という状況で最終戦(第17戦)のスタートを迎えた。ポールポジションの山下は、2番手のライバルにやや迫られたものの抑えきり、首位をキープ。3周目にコースアウト車両の排除のためにセーフティカーが導入されたが、6周目の再スタートも危なげなく決め、中盤までは追いすがるライバルとほぼ同タイムで周回。残り7周になるとライバルのペースが鈍り、山下は後続との差を広げていくことに。最後は3秒近い差を付けてトップチェッカー。最終大会の3戦を制した山下が、F3参戦3年目にして悲願のシリーズチャンピオンを獲得することとなった。「ポイント差が1点しかなくて『勝った方がチャンピオン』という状況のなか今回もポールポジションだったのですが、スタートを決めることができれば勝てると思っていました。ヤン選手の方がスタートが良かったのですぐに右に寄り、うまく前に出ることができました。序盤のペースはあまり良くなかったのですが、後半のペースが良かったですね。セーフティカーが入りましたが、その方がラップダウンの車両に引っかからなくていいだろうと思っていました。リスタートも昨日うまくいっていたので、今日も同じようにやればうまくいくだろうと。ただ今回のレースはさすがに緊張しましたね。3年目のF3でプレッシャーもなかなかすごくて(笑)、しかも今年VOLKSWAGENエンジンが入ってきて、スピードもあった。コースによっては全然敵わないところも多かったですが、最終的にチャンピオンが獲れて、ホッとしているのが正直なところです」
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