2010年のF1シーズンは残り5戦を残すのみとなった。ここで重要な役割を果たすのがエンジンの仕様状況だ。2010年のレギュレーションでは、各ドライバーはシーズンにつき8基までのエンジンを使用できることになっており、9基目のエンジンからは10グリット降格ペナルティが科せられる。ベドロ・デ・ラ・ロサは、ベルギーGPで9基目のエンジンを卸した。彼の後任となるニック・ハイドフェルドは同じエンジン割り当てを引き継ぐため、今後新しいエンジンを使用するたびにペナルティが科せられることになる。
ルノー製エンジンの耐久性は高く、ロバート・クビサとヴィタリー・ペトロフはまだ6基目のエンジンを使用している。チャンピオンシップ候補のマーク・ウェバーもまだ6基目となっている。ウィリアムズのルーベンス・バリチェロもまだ6基目を使っており、新品のコスワースエンジンを2基残している。先週末モンツァで開催されたF1イタリアGPではスロットル全開率が70%と高いため、大半のドライバーが新品エンジンを搭載した。しかし、マーク・ウェバー、ルーベンス・バリチェロ、ペドロ・デ・ラ・ロサは、新品エンジンを卸さなかった。マクラーレンのルイス・ハミルトンとジェンソン・バトン、そしてレッドブルのセバスチャン・ベッテルは7基目のエンジンを使用している。チャンピオンシップを争うこの3名は、残りのレースで新品エンジンが1基しか残っていないことになり、理論的には2基を残りしているマーク・ウェバーにアドバンテージがある。一方、不利な状況なのがフェラーリのフェルナンド・アロンソとフェリペ・マッサ。シーズン序盤にエンジントラブルに悩まされたフェラーリ勢はモンツァで8基目の新品エンジンを開封。今後5レースを中古エンジンで戦うのは理想的な状況とは言えない。アロンソとマッサは、今後エンジンを酷使することができないため、フリー走行では走行距離が制限されるかもしれない。フェラーリのチーフエンジニアを務めるクリス・ダイヤーは「今後の5戦で完璧なパフォーマンスを管理する必要がある」と述べている。結論としては、2基のエンジンを残すマーク・ウェバーが有利といえる。残りのドライバーは、新品エンジンと手持ちのエンジンをいかにやりくりしていくかが重要になる。特に序盤にエンジントラブルが多発したドライバーは、手持ちのエンジンがどれくらい生きているかが重要になってくるだろう。エンジン使用状況 (イタリアGP終了時点) チームエンジンNo.ドライバー使用数 マクラーレンメルセデス1ジェンソン・バトン7 2ルイス・ハミルトン7 メルセデスGPメルセデス3ミハエル・シューマッハ7 4ニコ・ロズベルグ7 レッドブルルノー5セバスチャン・ベッテル7 6マーク・ウェバー6 フェラーリフェラーリ7フェリペ・マッサ8 8フェルナンド・アロンソ8 ウィリアムズコスワース9ルーベンス・バリチェロ6 10ニコ・ヒュルケンベルグ7 ルノールノー11ロバート・クビサ6 12ヴィタリー・ペトロフ6 フォース・インディアメルセデス14エイドリアン・スーティル7 15ヴィタントニオ・リウッツィ7 トロ・ロッソフェラーリ16セバスチャン・ブエミ7 17ハイメ・アルグエルスアリ7 ロータスコスワース18ヘイキ・コバライネン7 19ヤルノ・トゥルーリ7 ヒスパニア・レーシングコスワース20山本左近7 21ブルーノ・セナ7 BMWザウバーフェラーリ22ニック・ハイドフェルド9 23小林可夢偉7 ヴァージン・レーシングコスワース24ティモ・グロック7 25ルーカス・ディ・グラッシ7
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