F1で女性ドライバーとして初めてレースを戦ったマリア・テレーザ・デ・フィリッピスが亡くなった。享年89歳。 イタリア出身のマリア・テレーザ・デ・フィリッピスは1958年に3レースをスタートし、初レースのF1ベルギーGPではマセラティで10位フィニッシュを果たしている。1959年には、ベーラ・ポルシェチームから出走したF1モナコGPを含めて2回の予選に臨んだが、通過はできなかった。
しかし、チームオーナーのジャン・ベーラがサポートレースで事故死したこともあり、マリア・テレーザ・デ・フィリッピスはその年でモーターレースを離れている。1974年にレラ・ロンバルディが表れるまでは、マリア・テレーザ・デ・フィリッピスは唯一の女性グランプリドライバーだった。現在に至るまで、F1で予選を通過し、レースに参戦した女性ドライバーはマリア・テレーザ・デ・フィリッピスとレラ・ロンバルディの2人だけとなっている。 2006年の Observer のインタビューで、マリア・テレーザ・デ・フィリッピスは、今までに受けた唯一の偏見は、フランスにいた時だとのエピソードを語っている。 「レースディレクターに『女性が被るヘルメットといえば、美容院にあるものだけだろう』と言われました。私がレースを妨げられたのはこの時だけでしたね」「それ以外は一度も偏見を持たれたことはなありませんでした。あったのは、私の成功に対する驚きだけでしたね」
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