12日(金)にモナコで世界モータースポーツ評議会が開かれ、FIAは2009年とそれ以降のF1コスト削減についてチームと合意に達したことを発表した。来シーズン以降の変更点としては、2008年のチーム予算を少なくとも30%削減することが期待されている。具体的には、シーズン中のテストの禁止、エンジンは各ドライバー8基、エンジン寿命を2倍、エアロダイナミスクの研究の削除などが決定した。
独立チームへのエンジン供給額は、2009年には半額となる。エンジン回転数は19,000回転から18,000回転に制限され、ドライバーは同じエンジンを3レースで使用しなければならない。また、エンジン性能の平等化のため、ルノーは彼らのV8エンジンに特定の改良を加えることが許可された。他のチームは変更は許されていない。2010年からは、全てのチームは、既存の自動車メーカー、もしくは独立サプライヤーから500万ユーロ以下で手に入れることになる。そして、全てのチームが同じトランスミッションを使用。また、タイヤウォーマー、給油が禁止となる。2009年エンジン・エンジン寿命を2倍にする。各ドライバーがシーズン中使用できるエンジンは最大8基とし、テスト用に4基を使用する。(従ってチームあたり20基)・回転数は18,000rpmに制限する。・内部の再チューニングは禁止。トランペットおよびインジェクターの調整のみ。・11月5日に決定した3戦ルールは有効。・独立チームへのエンジン価格は2008年の約50%とする。・2009年ルノーエンジンに対する変更案のリストについてが全員一致で同意に達した。その他のエンジンは変更なし。比較テストは不要。テスト・レース週末に予定されるフリー走行を以外のシーズン中のテストは禁止する。エアロダイナミスクの研究・2009年1月1日以降は、60%スケールおよび50m/秒を越える風洞の使用を禁止する。・チーム間で同意に達すれば、風洞による研究とCDF研究とのバランスをとる公式がFIAに提出される。ファクトリーでの活動・条例に従い、ファクトリーは年間6週間閉鎖する。レース週末・スポッター(監視員)の必要性を排除するため、タイヤおよび燃料の情報の共有を含めた、各種処置によって人員を削減する。競技のスペクタクル・予選の変更、ドライバーのポイントに変わるメダル制の提案など、いくつかの新しいアイデアに対する一般の反応を評価するために市場調査を実施。市場調査の結果がわかったら、FIAに提案が提出される。注:2009年のこれらの変更により、自動車メーカーチームは2008年の予算に比べ、概算で約30%節約される。独立チームの節約はさらに大きくなる。2010年パワートレイン・エンジンは、シーズンにつき500万ユーロ未満で独立チームに提供される。こられは、独立サプライヤーあるいは自動車メーカーチームによって、継続的に保証され供給される。独立サプライヤーのものを使う場合は、2008年12月20日までに契約する。・2011年および2012年も同じエンジンを使用する(つまり2011年用の新しいエンジンない)。・実用性を確認を前提として、全チームで同じトランスミッションを使用する。シャシー・シャシーの全構成要素のリストを準備し、各要素でパフォーマンスを識別するもの(競争力の要素)があるかどうかを決定する。・パフォーマンスを差別化するいくつかの要素は、シーズンの間、ホモロゲートする。・パフォーマンスの差別化する要素は残すが、安価な材料を使用する。・パフォーマンスを差別化しない要素は規格化し、最も経済的な方法で購入または製造する。レース週末・無線およびテレメトリ・システムの標準化・タイヤウォーマーの禁止・タイヤのメカニカルパージングの禁止・給油の禁止・レース距離あるいはレース時間縮小の可能性(市場調査後に提案)ファクトリーでの活動・エアロダイナミクス研究のさらなる規制・タイヤフォースリグの禁止(垂直フォースリグ以外)・ファクトリー施設を完全に分析し、施設の更なる規制を提案する。長期計画FIAとFOTAは、エネルギー効率(より少ない消費エネルギーからより多くの仕事を得る)に基づいて、2013年用に全く新しいパワートレインの可能性を調査する。このようなパワートレインの研究開発がエネルギー効率の高い乗用車に対する真の貢献となるよう規約を制定する。強化された運動エネルギー回生システム(KERS)は、将来の高エネルギー効率の駆動系にとって非常に重要な要素となる可能性がある。短期的には、KERSは2009年規約の一部であるが、強制ではない。2010年については、FOTAは標準化KERSシステムの提案を検討している。FIAはその提案を待っている。2009年および2010年の競技規約、技術規約についてさらなる改正が承認された。完全な詳細は間もなくwww.fia.comで公開される。