F1チームは、テスト制限を緩和すべきかどうかについて8日(水)に投票を行うことになった。テスト制限はコスト削減を目的として2009年に施行。大半のチームは資金を節約するため個別に設けていたテストチームを廃止している。だが、フィオラノに自社テストコースを所有するフェラーリは、テスト制限の緩和を強く要求していた。
マクラーレンのマネージングディレクターを務めるジョナサン・ニールは、少なくとも4チームがこのアイデアを支持しており、水曜日に投票が行われると述べた。「異なるタイプのテストを実施する責任について、F1チームは再び自らを試しているように思う」とジョナサン・ニールはコメント。「明日、投票が行われればわかるだろうが、トラックでのテストを望んでいるチームは少なくとも4チームはいると思う。もちろん、自社の裏にすでにサーキットを持ち、IT設備も整っているチームは、シャッターを開けてコースに出るだけでいい」だが、長年にわたり最新のドライバーシミュレーターに資金を投じてきたマクラーレンは、それほどシーズン中のテスト禁止の緩和を望んでいないようだ。「長年にわたって、チームは適切にテクノロジーを開発し、コスト削減のメソッドを発展させてきた。それが、トラックテストへの依存から脱し、デスクトップシミュレーションやシミュレーターへの依存を強める流れにつながっている。シミュレーターが非常に価値のあるツールであることは間違いが、他のシミュレーションもサーキットで起きていることを理解するのに役立つ」「現在、F1は再びトラックでのテスト再開を望んでいるかどうかを自問自答の時を迎えており、4分の1がトラックテストの再開を激しく推進している。経済危機やリーマンショックによって、我々はスポーツを安定させ、新たに参入するチームに健全性を明確にするためにコストを制約するという素晴らしい理由があったので、興味深く見ている」「予算の修正をはじめ、より注目を集める方法はいろいろあったし、我々が持続可能な方法に取り組むことを前提にF1に参入したがるチームが複数いた。そのため、ビッグチームとスモールチームの間で、風洞テストの縮小、リソース制限協定、トラックテストから手を引くといったパートナーシップを交わした」「それでも4分の1のチームがトラックテストの再開を激しく推進している。経済状況はまだ不安定であり、トラックテストを再開させるような環境の変化はないと思っている」「ヨーロッパでのテストが、7万ポンド(約1,000万円)から10万ポンド(約1,500万円)をはるかに下回るコストでできたら本当に驚くだろう。マシン、フライト、全人員を用意するとなれば、必ずその額にはなる」テストを増やす上での大きなポイントには若手ドライバーがF1マシンをドライブする機会が得られていないことが挙げられるが、ジョナサン・ニールは、若手がF1で経験を積むための方法は他にもあると考えている。そのひとつが、グランプリ週末のフリー走行1回目に1セット多いタイヤを使用できるというアイデアだ。だが、今週末のF1スペインGPからピレリが余分のタイヤセットを供給することは決定したが、ルーキードライバーに限定供給する案はチーム間で全会一致が得られず、全ドライバーにタイヤセットが追加されることになった。それでも、ジョナサン・ニールは、ルーキー限定のアイデアが完全に却下されたわけではにと考えている。「前進する方法として、我々はそれを支持している。まだ計画の段階にあると思うし、舞台裏で他のチームと議論していくべきだと考えている。私は、それが正当な理由でだと信じている」ただ、ジョナサン・ニールは、マクラーレンのようなトップチームが貴重な金曜フリー走行1回目の時間を若手に譲ることになれば、いくつか調整が必要になるだろうと述べた。「金曜日の朝にエクストラでセッションを実施するなどね。若手ドライバーセッションと呼んでもいい。そうすれば。メディアやサーキットのちょっとしたアドバイスをはじめ、トラックテストをしなくても、若手ドライバーは必要なものをすべて得られる」「特に金曜の朝に走ることにすれば、F1は若手ドライバーに時間を与えるためにやれることがさらにある。インフラは整っているし、サーキットもある。金曜フリー走行1回目の前半45分はインストレーションラップを1周走った後は長い待機が続くことが多い。若手ドライバーがサーキットを走れるようにする時間はある。中にはそれをやっているチームがあるのも知っているが、若手ドライバーのためにもっと多くのことをしたければ、それなりに面白いものにする必要がある」