F1チームとドライバーは、オーバーテイクがより簡単になったことによって予選の重要性が薄れているとの見方に様々の姿勢をみせている。最近のF1は、デグラデーションの大きなタイヤによって戦略が重要な役割を果たし、DRSが導入されたこともあり、必ずしもポールポジションを獲得しなくとも、優勝を狙えるようになっている。
そのため、マシンセッティングは決勝に焦点を合わせ、予選ではあえてアタックせずにタイヤを温存するという戦略をとるチームも少なくない。実際、レッドブルのマーク・ウェバーは「これまでは予選がほぼすべてだった。75%から80%くらい。今ははるかに少ない」とコメント。それでも、タイヤのためには上位スタートが役に立つとマーク・ウェバーは考えている。「それでもトラフィック面は重要だ。タイヤのためにもあまりトラフィックに引っかかっていたくはない。妨げられてしまうのは好ましくないし、磨耗もより多くなる。スティントがかなり短くなるし、その後のスティントの負荷が高くなる。今でも土曜日に良いポジションを手に入れようとちょっとしたチェスはある」フェリペ・マッサは「いつだってトップにいるほうがいい。レースで良くないクルマにすることはできないけど、それが僕たちが常に取り組む必要のあることだ。僕たちは予選で最速のクルマである必要がある」とコメント。「最も重要なのはレースだということはわかっている。でも、10番手からレースをスタートした場合、勝利を争うのがかなり難しいのは確かだ。トップ5やトップ3でレースをスタートすれば、全てがまだ可能だ」今年、最もタイヤに優しいとされるロータス E21を走らせるキミ・ライコネンは「上位にいればタイヤの温存に役立つし、オープニングラップのアクシデントを避けられる」とコメント。フェラーリのチーム代表ステファノ・ドメニカリも、タイヤの要因によって予選がまだ重要であるとの意見を支持している。「トップからスタートできれば、ベストな方法でタイヤをマネジメントできるので重要だ」「だが、開幕4戦での状況を考えれば、あらゆる可能性がある。そう考えれば、上位からスタートしたいのは確かだ。クルーズできるからね。まぁ、クルーズというのは適切なワードではないが、タイヤをもっとうまく管理できる」ピレリのポール・ヘンベリーは「まだ初期の段階だ。シーズンを通してどうなるかみてみよう。いろいろと意見はあるだろう。最終的にはF1が我々に求めることをする。もちろん、全員が予選が機能していないと感じるのであれば、一緒ににソリューションを見つけることになるだろう」と述べた。