2012年のF1は、磨耗の激しいピレリタイヤ、DRSによるオーバーテイクの改善により、予選順位は過去シーズンほど重要ではないとの見方もあるが、統計的にはそうではないようだ。2012年前半戦のレースでは、55%がポールポジションからスタートしたドライバーが優勝している。過去10年間の平均値ではポール・トゥ・ウィンの割合は52%という数値が出ており、今年は過去よりも3%高くなっている。
また、フロントローから優勝した割合を見ると、2012年は82%となっており、これも過去の平均値75%よりも7%高い。2012年のレース優勝者の平均予選順位は2.7。だが、フェルナンド・アロンソがF1ヨーロッパGPで11番手スタートから、F1マレーシアGPで8番手スタートから優勝しており、数値に影響を与えている。予選順位は、DRS導入前ほど重要ではないと考えられていたが、ポール・トゥ・ウィンがもっとも少なかったのはブリヂストン時代の2010年シーズンという結果が出ている。今年は、DRSとピレリタイヤが導入される前と比較してオーバーテイクが増加してはいるが、タイヤを管理する必要があるため、レース中に仕掛けるのは難しくなっている。また、上位9チームの実力は拮抗しており、第1スティントでトラフィックに引っかかってタイムをロスしてしまうとリカバーするのが難しくなっている。ちなみに過去10年でいくつか予選の戦い方に影響を与える規約変更が行われてきたが、最も大きな影響を与えたのは2010年の給油禁止だ。ポール・トゥ・ウィンの割合2012年: 55%2011年: 47%2010年: 42%2009年: 53%2008年: 44%2007年: 65%2006年: 56%2005年: 47%2004年: 61%2003年: 56%フロント・ローから優勝した割合2012年: 82%2011年: 84%2010年: 74%2009年: 71%2008年: 78%2007年: 88%2006年: 72%2005年: 63%2004年: 84%2003年: 56%レース優勝者のスタート順位2012年: 2.82011年: 1.92010年: 2.02009年: 2.22008年: 2.62007年: 1.52006年: 2.72005年: 3.22004年: 2.22003年: 3.2
全文を読む