トム・ウォーキンショーが、癌のため死去した。享年64歳。レーサーとして活躍したトム・ウォーキンショーは、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)を設立。ジャガーとのジョイントで界スポーツプロトタイプカー耐久選手権やスポーツカー世界選手権、ル・マンに参戦し、多くのタイトルを獲得した。1992年はベネトンのエンジニアリング・ディレクターとしてF1に進出。TWRのスポーツカー・デザイナーだったロス・ブラウンをチームに紹介し、1994年のミハエル・シューマッハのワールドチャンピオン獲得に貢献した。
しかし、同年レギュレーション違反の疑いをかけられたトム・ウォーキンショーはベネトンを離脱。当時ベネトンの責任者フラヴィオ・ブリアトーレが所有していたリジェで共同オーナーを務め、1996年にはアロウズの株式を買収してチームオーナーとなった。アロウズはブリヂストンのタイヤを使用した最初のチームのひとつであり、ブリヂストンのF1参戦に大きく貢献した。2002年、アロウズのF1撤退とともにTWRは倒産し、一時期モータースポーツ界から離れたトム・ウォーキンショーだったが、2006年にはオーストラリアでV8スーパーカーのチーム運営に復帰、モータースポーツ活動を続けていた。