モトクロス世界選手権で通算5度の世界王者となったエリック・ゲボスが、飼い犬を助けようとして水死したことが明らかになった。享年55歳。ベルギーの Belga の報道によると、エリック・ゲボスは、ベルギー北部のモルで6日(日)の午後9時頃、愛犬を救うためにボートから湖に飛び込み、7日(月)に遺体となって発見されたという。
エリック・ゲボスは、1987年からホンダのマシンで二輪モトクロス世界選手権250ccクラスに参戦し、世界チャンピオンを獲得。1988年と1990年には、最高峰の500ccクラスで2度の世界チャンピオンを獲得するなど、二輪モトクロス世界選手権において輝かしい足跡を残した。125cc、250cc、500ccの全カテゴリーを制したことから「ミスター875」という愛称で呼ばれていた。1990年に28歳で現役を引退し、スズキのモトクロスチームで監督に就任した。本田技研工業の代表取締役社長を務める八郷隆弘は「エリック・ゲボス氏の訃報に接し、心より哀悼の意を表します」と声明を発表。「ゲボス氏は、二輪モトクロス世界選手権で圧倒的な強さを発揮して、Hondaのマシンで3度の世界チャンピオンに輝いた偉大なライダーでHondaに勝利をもたらしてくださいました。これまでのご活躍を称えるとともに、ゲボス氏に対して心から感謝申し上げます」