7月29日(日)、真夏の祭典「鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)」が決勝日を迎えた。10年ぶりに復活したホンダワークスチーム、レッドブル・ホンダ with 日本郵便は、ホンダにとって4年ぶりの鈴鹿8耐勝利、F.C.C. TSR Honda Franceにとっては日本チームとして初の世界耐久選手権(EWC)タイトル獲得など、各チームそれぞれの想いが込められた戦いが始まった。
台風12号の影響が心配されたが、ウォームアップランが行われた時間帯は曇り空で、時折り日が差す天候に。路面は昨夜からの断続的な雨で濡れていたが、走り始めるころには太陽が顔を出すという難しいコンディションとなった。時刻は11:30を迎え、雨が降ったり止んだりを繰り返すという不穏な天候の中、いよいよ決勝レースがスタート。ほぼすべてのチームがウエットタイヤを選択する中、KYB MORIWAKI MOTUL RACINGの清成龍一はスリックタイヤでスタートした。ポールポシションからスタートしたのはレオン・ハスラム(カワサキ)だったが、2番グリッドから好スタートを切った高橋巧(レッドブル・ホンダ with 日本郵便)が1コーナーで首位に立つと、後続とのリードを広げていき、オープニングラップを制する。高橋に続いてハスラム、マイケル・ファン・デル・マーク(ヤマハ)、シルバン・ギュントーリ(スズキ)、ランディ・ドゥ・プニエ(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)が通過。ドゥ・プニエは2コーナーで転倒を喫するも、すぐ再スタートを切った。高橋巧は3ラップ目に2番手と3秒934差をつけ、トップを快走していく。そのほかのホンダ勢は濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)が6番手、10番手に長島哲太(au・テルル MotoUP RT)、12番手にフレディ・フォレイ(F.C.C. TSR Honda France)が続く。ドゥ・プニエは転倒の際に右手小指を負傷したため、ピットイン。マシンをピット内に入れ、ダメージを確認した。4ラップ目には、長島が8番手に浮上する。スタートから10分が過ぎると、徐々に青空がのぞき始める。MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaはドゥ・プニエからドミニク・エガーターへライダーを交代してコースイン。5ラップ目には長島は9番手にダウンし、HONDA ENDURANCE RACINGのヨニー・ヘルナンデスとのバトルを繰り広げる。すっかり天候が回復し、路面がドライコンデションとなった18ラップ目に高橋巧がピットイン。タイヤを交換してそのままコースインするが、この際に順位を失い4番手となる。27ラップ目にはギュントーリがシケインで転倒。これによりジョナサン・レイ(カワサキ)がトップに、2番手にファン・デル・マーク、3番手には高橋巧が浮上した。一方、F.C.C. TSR Honda Franceのフォレイが11番手、それを追いかけるカルロス・チェカ(ヤマハ)が12番手と、EWCのタイトルを争う2台によるバトルも続く。スタートから2時間が経過した53ラップ目には、首位にアレックス・ローズ(ヤマハ)、2番手にハスラム、3番手に高橋巧と交代した中上貴晶(レッドブル・ホンダ with 日本郵便)というオーダーでトップ勢が周回を重ねた。ローズとハスラムのトップ争いが続く中、中上は3番手で周回を重ねながらトップの2人を追いかける。そんな中、13時56分に起きたヘアピンでの転倒でマシンが炎上したため、セーフティカーが導入。ローズ、ハスラム、中上、そして4番手のイサック・ビニャーレス(au・テルル MotoUP RT)がピットイン。5番手にジョシュ・フック(F.C.C. TSR Honda France)、6番手に亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)が続いた。セーフティカーは69ラップ目に解除され、トップを走るローズとのハスラムの差が0秒179、ハスラムと中上の差は7秒991と、10秒以上短縮される。接触も起こるなど激しいトップ争いが展開される中、その3秒後方に中上がつける。70ラップ目に長島が5番手へ浮上、72ラップ目には、アンディ・イズディハール(Honda Asia-Dream Racing)が7番手に。路面が乾いてきたことでスリックタイヤのセットしていた清成は、ラップタイムを向上させ9番手まで浮上する。上位チームのライダー交代が始まる中、レッドブル・ホンダ with 日本郵便も76ラップ目に中上から高橋巧へとチェンジしてコースイン。77ラップ目の順位はレイ、ファン・デル・マーク、そして高橋巧と続き、このトップ3が2分8秒台で周回を重ねていく。4番手の長島は2分10秒台、6番手のフォレイは2分12秒台、そして7番手のイズディハールが2分11秒台で走行。8番手の日浦大治朗(Honda Suzuka Racing Team)、そして9番手の清成も2分10秒台で後方から追い上げていく。上位陣は93ラップをクリアし、レイ、ファン・デル・マーク、高橋巧とオーダーは変わらず。4番手以下は2ラップ遅れとなる。4番手に秋吉耕佑(au・テルル MotoUP RT)、6番手に日浦、8番手にトロイ・ハーフォス(Honda Asia-Dream Racing)、そして10番手に高橋裕紀(KYB MORIWAKI MOTUL RACING)。99ラップ目、首位につけていたレイがピットロードで燃料不足によるスロー走行中になってしまい、タイムをロスする。これによりトップ3の順位が入れ替わり、高橋巧、ローズ、そしてハスラムというオーダーに。4番手に秋吉、5番手にフォレイ、7番手がハーフォス、8番手が亀井、そして9番手に高橋裕紀。ドゥ・プニエの転倒によりポジションを落としていたMuSASHi RT HARC-PRO. Hondaは、エガーターが17番手まで浮上する。15時25分に高橋巧がピットインし、中上にライダーを交代。4時間が経過した時点で106ラップが周回され、各チームのピットストップ合計時間はHondaが39秒442、ヤマハが47秒375、そしてカワサキがスロー走行の影響で56秒075となった。トップ3はローズ、中上、ハスラムというポジションとなる。そして115ラップ目、ローズと中上の差は25秒400と広がり、中上はハスラムと13秒136差で周回を重ねる。120ラップをクリアした時点で、トップ3のオーダーはローズ、中上、ハスラム。それ以降は4番手にビニャーレス、5番手にフック、7番手に亀井、8番手に清成、そして9番手にザクワン・ザイディ(Honda Asia-Dream Racing)がつけている。中上は2分8秒台までタイムをアップしてトップ勢を追い上げ、ローズとの差を22秒068と詰める。126ラップ目を迎え、首位のローズからファン・デル・マーク、ハスラムからレイへとライダーを交代した16時14分あたりから、雨が落ち始める。その6分後、水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)がデグナーで転倒したことで再びセーフティカーが入った。順位は、ピットストップタイミングをうまく見極めた中上がトップとなり、2番手以降はファン・...
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