日産自動車は11月22日(木)に臨時取締役会を開き、金融商品取引法違反の疑いで逮捕されたカルロス・ゴーン会長の会長および代表取締役の職を解くことを全会一致で決議した。1999年以来、およそ20年にわたり日産を率いてきたゴーン会長は経営トップを解任された。日産の臨時の取締役会ではゴーン容疑者の会長と代表取締役の職、同じく逮捕されたグレッグ・ケリー容疑者の代表取締役の職を解くことなどが決議された。
一連の不正の背景とされるゴーン会長に権限が集中した経営体制の在り方など検証のため、弁護士や識者など専門家による第三者委の設置についても決めることになった。また、ゴーン会長ら2人の取締役としての職は株主総会の決議事項であるため、日産は毎年6月に予定している定時株主総会前に臨時総会を開き、2人の退任の提案を検討している。有価証券報告書に報酬50億円余りの過小記載の疑いで逮捕されたゴーン容疑者は、有価証券報告書で開示している報酬以外にも株価に連動した報酬を受け取る権利40億円分を与えられていたことがわかっている。またゴーン会長の不正を巡る捜査で、新たにオランドの子会社から毎年1億円~1億数千万円の報酬を得ており、この報酬も有価証券報告書に記載していなかった疑いがあることがわかり、特捜部が詳しい経緯を調べている。一方、日産の大株主のルノーは20日(水)、臨時に開いた取締役会でカルロス・ゴーン会長の会長兼CEOの職を解くことは見送っている。日産自動車 取締役会の決議事項について2018年11月22日日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:西川 廣人)は本日、本社にて取締役会を開催しました。冒頭、本事案の重大さを確認した上で、ルノーとの長年のアライアンスパートナーシップは不変であり、日常の協力関係、協業への影響度や動揺を極力少なくしていくことが、我々の使命であることを確認しました。その後、内部調査による詳細報告を精査した上で、下記の通り全会一致で決議しました。<決議事項>1. 取締役 カルロス ゴーン氏について、会長職を解くこと。2. 取締役 カルロス ゴーン氏について、代表権を解くこと。3. 取締役 グレッグ ケリー氏について、代表権を解くこと。4. 当社のガバナンス管理体制および取締役報酬にかかるより良いガバナンスについて、独立した第三者の提言を適切に取り入れるための委員会の設置を検討する。本件の進め方については、社外取締役の豊田 正和氏、井原 慶子氏、ジャンバプティステ ドゥザン氏の三名に委任する。5. 取締役会長選任については、豊田 正和氏を委員長とし、井原 慶子氏、ジャンバプティステ ドゥザン氏によって構成される委員会を設置し、現取締役の中から取締役会長候補を提案する。
全文を読む