日産自動車は、ABB FIAフォーミュラE世界選手権に「日産e.dams」としてともに参戦しているレースチーム「e.dams」を買収すると発表した。今回の買収に伴うオーナー変更と新しい経営体制は本日付で有効となる。日産フォーミュラEを担当するゼネラル・マネージャーのトマソ ヴォルペが「e.dams」のマネージング・ダイレクターを兼務し、フランソワ シカールが新たにスポーツ・ダイレクターに任命される。
日産は「e.dams」とパートナーシップを組み、2018年に「日産e.dams」チームとしてフォーミュラE世界選手権に初めて参戦した。また、2021年3月には、シーズン9(2022/23)からシーズン12(2025/26)まで、フォーミュラE に継続して参戦することを発表している。日産のフォーミュラEへの参戦は、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」で掲げる電動化と持続可能性への長期的なコミットメントに沿ったもので、今回の買収は日産がフォーミュラEの活動をさらに強化する取り組みの一環となる。日産の最高執行責任者であるアシュワニ グプタは「日産の従業員、そして世界中の日産ファンとお客さまがワクワクしてくれていることと思います。85年以上前に初めてモータースポーツに参戦したときから、勝利への飽くなき探求心が、常に日産を前進させてきました。私たちはレースへ参戦することで、技術的に大きく飛躍し、お客さまにとってより良いクルマを開発するための絶好の機会を得ることができると信じています。『e.dams』チームの買収は、フォーミュラEやエキサイティングでハイパフォーマンスなモータースポーツに対する当社の長期的なコミットメントを示しています。私たちはモータースポーツを愛しています。しかし、それだけではありません。革新的でワクワクするドライビングを提供し、ゼロ・エミッションで持続可能な社会を実現することへ情熱を注いでいます。今回の買収により、当社の電動化戦略は、より一層加速していくことでしょう」と述べた。日産はフォーミュラEを通じて、電気自動車(EV)の楽しさを世界中のお客さまに届けている。日産は、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体*におけるカーボンニュートラルを実現するため、2030年代早期より、主要市場に投入する新型車をすべて電動車両とすることを目指している。日産は、EVレースに参戦することで得られるノウハウを活かし、お客さまにとってより価値の高いEVを提供することを目指している。ヴォルペは「日産がe.damsを引き継ぐにあたり、あらためて2019年に他界されたジャンポール ドリオに想いを寄せています。日産とビジョンを共有し、パートナーシップを発展させた彼の意思は、息子であるオリビエ ドリオとグレゴリー ドリオに引き継がれました。その二人とこれまで一緒に仕事ができたことに深く感謝しています。私たちは、フォーミュラEはEVが楽しくスリリングであること、そして日産のEV技術が最先端であることをお客さまにお伝えするための最高のプラットフォームであると考えています。2018年にレースに参戦して以降、『e.dams』が蓄積してきた長年のノウハウから多くのことを学んできました。今回の発表を機に新たなスタートを切り、さらに多くの成功と経験を積み重ねていきたいと思います」と述べた。「e.dams」の元オーナーであるオリビエ ドリオとグレゴリー ドリオは「フォーミュラEで、日産のような世界的なブランドと提携できたことは光栄なことでした。そして、これまでともに達成してきたことを誇りに思っています。これからは日産が手綱を握り、レースへの参戦を継続していくことになります。情熱的で革新的な企業にチームを引き継ぐことができて嬉しく思いますし、シーズン8とその先のシーズンでのさらなる成功を祈っています」とコメントした。
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