来年ウィリアムズでF1での2年目を迎える中嶋一貴が、2009年の目標を語った。また、将来のトヨタ移籍に関する考えも明らかにした。一貴、あなたは最近、来シーズンに表彰台フィニッシュを目指していると言っていました。それが可能だと思う理由はなんですか?実際には、表彰台が可能だと確信できる事実はありません。ポイントを獲得したので、次のステップは当然表彰台フィニッシュでしょう。それが目標です。手が届きそうだというのは基本的に自信ですね。
昨シーズンのFW30は少し問題を抱えたマシンでしたね。今週テストした改良マシンの印象は良くなっていますか?実際には、まだです。現在、2008年マシンのフロントと2009年仕様のリアのテストカーなので、バランスは完璧ではないです。スリックタイヤと来年のダウンフォースの感覚は非常に異なるものなので、本当のマシンの感触はまだよくわかりません。でも、来年の新車ができたら、全く違うものになるでしょう。現時点で、マシンのリアとギアボックスは完全な来年のデザインです。マシンの半分以上が来年のマシンだと言えますが、フロントは旧型車のままなので、バランスに欠けています。基本的に、サスペンションのセットアップをいくつかテストして、空力データを集めました。改良マシンでスリックタイヤを走らせた感覚はどうでしたか? 先週が初トライでしたが、もう慣れましたか?はい、慣れてきています。フィーリングはかなり違いますね。実は、マシンの問題は昨年のマシンとは全体的に違います。再検討する必要がありますが、最近かなりのマイレージを稼いでいるので、来年の開発にデータはとても役立つと思います。2009年仕様を使ってわかったのは、新しいレギュレーションにあわせてドライビングスタイルを適合させなければならないということです。もうひとつ明らかになったことは、ドライバーにとってスリックタイヤがかなり楽しいということです。特にマシンのバランスがいいときは楽しいですね。テストドライバーのニコ・ヒュルケンベルグと一緒に2日間テストをしましたね。あなたの課題は何でしたか?2009年仕様のパーツはどの程度マシンに搭載されていたのですか?基本的に、タイヤと来年のエアロパッケージに対するよいセットアップを見つけることでした。加えて、アクティブフロントウイングもテストしましたが、主な目的はタイヤに慣れることでした。2008年シーズンにはかなり満足していると言っていました。改善する必要があるところは?最初のシーズンを判断しなければならないなら、18戦で多くの改善ができたと言えるでしょう。シーズン終盤のマシンはあまり良くなかったですが、自分は良くなっていたと思います。でも、2009年にパフォーマンスを改善する余地があるのは確かです。予選を改善したいと思っていますが、レースとピットストップも見直す必要があると思います。今後数週間の主な課題のひとつは、タイヤ、特にソフトコンパウンドで一貫性を出さなければなりません。10周くらい走ると、ラップタイムがほぼ1秒下がるので、この状況に対応しなければなりません。全体的に、僕のドライビングスタイルはタイヤに優しいので、来シーズンは役に立つかもしれませんね。F1の最初のシーズンで最もチャレンジングだった部分はなんですか?ひとつだけではなく、全てがチャレンジでした。他のシリーズとは環境が全く違います。GP2からF1へは大きな一歩でした。プレッシャーはとても高いし、作業負荷もより多いです。3〜4戦かかったけど、そのあとは改善しはじめたと思います。少なくとも2008年のパフォーマンスはF1に留まる助けとなりました。トヨタからの援助はどの程度ありましたか?まだトヨタのヤング・ドライバー・プログラムの一員なので、トヨタは多くの支援をしてくれています。ドライビングだけでなく、トレーニングのようなサーキット外のことなど、あらゆる面で多くの情報を提供してもらっています。来シーズン活躍したら、2010年にトヨタに移籍する可能性はありますか?トヨタが来年好調であれば、とても良い選択肢になるかもしれません。ウィリアムズにはかなり満足しているけど、日本のチームには日本人ドライバーがしっくりくるかもしれません。でも、2010年の計画を立てる前に2009年にどれくらい進歩できるか様子をみてみましょう。