MotoGP マレーシアGPは、フリープラクティス第4セッションの終わりに、セパン・インターナショナル・サーキットは激しい雨に見舞われた。このためQ2のスタートが遅れて長時間待たされることとなったバレンティーノ・ロッシとマーベリック・ビニャーレスだが、再開するや意気揚々とコースに飛び出していった。ウイークで初めて経験することとなったウエット・コンディションのもと、15分という短時間で限界を判断するのは簡単ではない。
そのなかでロッシは豊富な経験を生かして終盤で一気にチャージして3番手。一方のビニャーレスはセッションを通じて少しずつペースアップ。明日の決勝はグリッド11番手からスタートする。ロッシは序盤で2分13秒917を記録して4番手につけたが、他のペースが上がるなかで7番手に後退。次の2本のトライでタイムを短縮することができないまま、残り4分強でピットに戻ってきた。超速で作業を終えて再びコースに飛び出していくと、アタック・チャンスはあと1ラップのみ。この最後のトライで2分13秒009へ更新し、トップと0.848秒差の2番手に浮上した。チェッカーが振られたあとヨハン・ザルコが上回ったため、ロッシは3番手でセッションを終了した。一方、フリープラクティス第4セッションの突然の雨で転倒したビニャーレス。幸い怪我はなかったが、Q2ではペースを上げるまでに時間を要することとなった。そのためピットインを行わない作戦をとり、15分間を最大限に活用。前半までに10番手に上がり、ラスト3本のアタックではコンスタントに自己ベストを更新して2分14秒856を記録したが、ポジションを上げることはできず11番手となった。なお、ポールシッターのM・マルケス(ホンダ)は、予選中にA・イアンノーネ(スズキ)の走行ラインの邪魔をしたとの事でペナルティを科せられて7番手へ。このためロッシはグリッドをひとつ上げて2番手スタートとなった。また悪天候によるスケジュール遅延を避けるため、決勝日は予定を変更し、MotoGPのウォームアップ・セッションを現地時間8:40から9:00に行い、決勝は13:00にスタートすることとになる。ザルコが3戦連続のフロントロー・スタート。シャーリンは母国で活躍を目指すMonster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは、フリープラクティスの全4セッションで絶好調をキープ。激しい雨のためスタート時間を遅らせて行われた予選セッションでは、最初の走行でやや手間取ったものの、その後、タイヤ・コンビネーションを変更して臨み、2分12秒709の好タイムをマークして2番手を獲得した。一方、ザルコのチームメイトのハフィス・シャーリンは、午前中に行われたフリープラクティス第3セッションで前日までのベストタイムを0.861秒更新してポジションアップ。続く第4セッションでも好調をキープしたが、ウエット・コンディションとなった予選では力を出し切ることができずグリッド8列目に留まった。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ (予選3番手/2分13秒009)「このような状況になると、データもなく、フィーリングもわからないまま予選に臨まなければならないので、とても苦労します。そのなかでフロントローを獲得できたことをとてもうれしく思っています。マシンのフィーリングも上々で、非常に良い状態で乗れています。マルケスとザルコはミディアムを使用しましたが、私はリアにソフト・コンパウンドを選びました。集団のなかに入ってしまったときにバウティスタと競り合うようなことになってしまいましたが、最後には良い結果を得ることができました。一時は予選中止という可能性さえ考えたので、こうしてフロントローからスタートできることになりうれしいです。明日の決勝はスタート時間が早められることになりました。ここでは午後3時になるといつも天気が悪くなるのですから、妥当な判断だと思います。きっとドライ・コンディションに恵まれるでしょう。あるいは少なくともちょっとの量の雨で済むはずです」マーベリック・ビニャーレス (予選11番手/2分14秒856)「予選では十分なアタックができませんでした。問題の原因はタイヤではなく、ウエット・コンディションでのセッティングがなかなか仕上がらなかったのです。ドライのセッティングはすでに、とても良い状態で、明日がどんなコンディションになるかわかりませんが、どちらにしても、とても面白いレースになるでしょう。決勝のスタート時間が変更されたのは良かったと思います。3時よりも1時のほうが、雨が降る可能性はずっと低いですからね。私自身もここまでドライでとても順調だったので、決勝もドライ・コンディションを期待しています。フリー、とくにプラクティス第4セッションでは絶好調で、立ち上がり加速を利用して素早くパスしていくことができました。明日はスタートに集中し、シーズン最高のダッシュを目指します!」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「フリープラクティス第4セッションの最後に、あまりにも突然に雨が降ってきました。そのためウエット・コンディションをまったく経験しないままQ2に突入することになってしまったのです。スタート時間が遅れ、ライダーたちにとってもチームにとっても非常に長い一日となった揚げ句、コンディションは依然としてはっきりしないままでした。路面がどのくらい乾いているのか判断することもできない状態ですから、たった15分間で限界を見極めることは不可能です。バレンティーノはピットストップを行って新品タイヤの効果を生かしました。もしも最終ラップでバウティスタと絡んでいなかったなら、もっとタイムを短縮できたかもしれません。でもフロントローを獲得できたので、とても良かったと思います。マーベリックはフリープラクティス第4セッションで不運にも転倒。怪我がなかったのは幸いでした。そのあとウエットの予選で苦戦することとなってしまいましたが、ここからはチームが、彼のために努力する番だと思っています。ドライ・コンディションでは素晴らしいペースで走れていただけに残念です。スケジュール変更を受けて、明日の決勝は良いコンディションに恵まれることを期待します」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (予選2番手/2分12秒706)「始めは前後ともソフト・コンパウンドを履いて走行。アレックス(エスパルガロ)がこれでいい走りをしていましたが、私には合っていなかったようです。こんなに遅いなんて普通じゃない、と自分に言い聞かせ、ピットに戻ってリアをミディアムに替えてもらいました。フロントについてはもともと硬めのものを試す予定でした。1ラップ...
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