MotoGP 第10戦 チェコGPの予選、Q2セッションに出場したMovistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシが、ファンを観客席の先端まで引きつけた。最終ラップまでアタックを続けたロッシは、Monster Energy Grand Prix Ceske Republiky決勝に向けてグリッド2番手を獲得。チームメイトのマーベリック・ビニャーレスはQ1を突破してQ2に出場したが、同様の好感触を得られず12番手に留まった。
バレンティーノ・ロッシはフリープラクティス第3セッションでトップタイムをマーク。これを再現しようと臨んだQ2セッションでは後方からスタートし、2ラップ目のアタックで10番手につけてさらに順位を上げようというところ。残り6分でピットイン。素早く作業を済ませてコースに戻ると、あと2回分のトライが残されていた。1回目は成功せず、2回目には第1セクションからベスト・タイムを刻む。そして残りの3セクションでもすべてベストをキープし、1分54秒956をたたき出して12番手から2番手まで急浮上した。ポールポジションまであと0.267秒だった。一方のマーベリック・ビニャーレスはQ1に出場することとなったが、ここでは言わばライバル不在の状況。1回目のアタックで1分56秒109を記録してトップに立つと、残り8分弱でピットイン。2分後に再びコースに戻り、2回目の走行を開始した。ますますペースが上がるビニャーレスは全セクションでベストタイムを記録し、1分55秒538に短縮して後続を0.6秒以上も引き離す。その後それ以上のタイム更新はならなかったものの、最後までトップをキープしてセッションを終了した。2番手との差は0.314秒。短い休憩のあとQ2に臨んだビニャーレスは、最初のトライで1分55秒823の7番手。全体のペースが上がると10位に後退してしまったため、Q1と同様の作戦をとり、残り8番手で早めのピットインを行った。残り6分でコースに戻り、ここからポジション・アップを狙っていこうというところだったが、ラップタイムを更新できないまま、トップに1.134秒差をつけられて12番手となった。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコはウイーク2日目の土曜日、フリープラクティス第3セッションで前日のタイムを1秒更新。午後からの予選セッションでもさらに更新して好調をアピールした。そしてトップにコンマ5秒差まで近づいたものの、終盤の激しい競り合いのなかで順位を下げて7番手。決勝は3列目トップからスタートすることとなった。チームメイトのハフィス・シャーリンはウイーク2日目も順調に課題をこなし、フリープラクティス第3セッションでは、前日最初のセッションから1.415秒も短縮した。Q1では暑さと戦いながら6番手を獲得したが、Q2進出には0.433秒届かなかった。決勝は6列目から、現地時間14:00にスタートする。バレンティーノ・ロッシ (予選2番手/1分54秒956)「この暑さにはかなり苦しめられましたが、午前中のフリープラクティス第3セッションからニュータイヤで好調だったので、予選でもいい走りができると確信していました。実際のところ、午後になるとより一層ペースが上がり、コーナー進入のブレーキングでは限界ぎりぎりまで攻めていくことができました。1分54秒9は非常にいい記録だと思います。この気温の高さのなかでここまでできたことに満足しています。明日の決勝は、フロントローからのスタートが重要になるでしょう。決勝セッティングでのペースはそれほどでもないので、何周かするうちに苦しくなってくるかもしれませんが、あきらめずに挑み続けます」マーベリック・ビニャーレス (予選12番手/1分55秒823)「今、ここで、すべてを出し切ろうと決意して臨みました。Q1ではミディアム・タイヤを使用して好調。Q2ではハードのほうがいいだろうと考えたのですが、終わってみればそれは間違っていたようです。ミディアムのほうが、フィーリングでは格段に上。もはや疑問の余地はなく、ミディアムのほうがずっと良くて、ハード・タイヤではプッシュすることができません。セッティング自体がまだパーフェクトになっていないので、今晩も引き続き作業に取り組んでいきます。明日はハード・タイヤを使うことはないと思いますが、ソフト・タイヤの耐久性と、序盤での優位性についてこれからよく検討したいと思っています。決勝はどんな展開になるか。私としては、いつものようにベストを尽くすだけです」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「まず初めに、フロントローを獲得したバレンティーノにお祝いの言葉を述べさせてください。今日のような猛暑のなかでは非常に難しいことだったと思います。午前中のセッションですでにハイ・スピードを見せてくれていましたが、午後はそれをさらに向上させたのです。マーベリックもQ1ではとてもいい仕事をして、ライバルたちを大きく引き離しました。ところがQ2でハード・タイヤを履くと、それまでと同様のフィーリングが得られなくなってしまいました。結果的にグリッド4列目に留まり、決勝で厳しいチャレンジを強いられることになってしまい非常に残念です。決勝用セッティングでのペースについては、今日また一歩、前進できたと思っていますが、まだ完璧ではありません。タイヤの消耗を抑えられるようなセッティングを目指し、バレンティーノとマーベリックにベスト・マシンを提供できるよう全力で作業に取り組みます。明日の決勝は、ライダーにとってもタイヤにとっても非常にハードなものになるでしょう」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (予選7番手/1分55秒221)「今日はとても好調でした。マシンのフィーリングもとても良くて、いつも同様、すべてはチームの懸命な努力によるものだと思っています。Q2に直接進出できたことにも満足しています。この暑さのなかですから、少しでも体力を温存できるほうが助かりますから。予選セッションでは、第1コーナーから第2コーナー出口で好調でしたが、今日はライバルたちも本当に速かった。結局、ただ力が及ばず、前の2列を逃すこととなってしまったというわけです。競争は非常に激しいですが、これがMotoGPです。それによって自分自身を限界まで追い込めるようになるのですから、この熾烈な戦いをエンジョイしたいと思います」ハフィス・シャーリン (予選16番手/1分56秒285)「予選は非常に厳しいものになってしまいました。トップを目指していきたかったのですが、リアのソフト・タイヤに少し手間取りました。その結果、今日はフランコ・モルビデリがルーキー勢トップに立ちましたが、私もそこから大きく離されているわけで...
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