MotoGP 第6戦 イタリアGPの予選で、Movistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシがムジェロ・サーキットのベストラップを更新。ポールポジションを獲得して地元ファンを熱狂させた。一方のマーベリック・ビニャーレスはQ1の激しい戦いを勝ち抜き、Q2で見事3番手を獲得。チームメイトのふたりが揃ってフロントローからスタートすることとなった。バレンティーノ・ロッシはライバルのほとんどがピットを出て行くのを見送ったあとにコースイン。
最初のラップで4番手につけてさらにペースを上げていったが、ライバルたちもすぐに反応したため、順位では逆に5番手に後退した。セッションの残り時間が7分半になったところでピットに戻り、1分半後にコースに復帰。イタリアの熱狂的ファンの声援に後押しされ、バレンティーノ・ロッシは目標に向かって一気に加速。4つのセクションで最速タイムを記録したあと1分46秒208でトップに立ち、0.035秒差で後続を振り切った。ポールポジション獲得は2016年の日本GP以来、自己通算65回目となる。チームメイトのマーベリック・ビニャーレスはQ1で真っ先にコースに飛び出し、すぐさま1分47秒105を記録してトップに浮上。2ラップ目にはさらにペースを上げて1分46秒806へと更新し、2番手でセッションを終了しQ2へ進出した。続くQ2ではバレンティーノ・ロッシについてピットを離れ、慎重にペースを上げてゆく。最初のアタックで6番手につけ、2回目ではさらにタイムを短縮したものの6番手のままピットインを行うこととなった。ムジェロは全長が長いため、残された周回数は多くはない。そのことを意識して素早くコースに戻ったマーベリック・ビニャーレスは、2セクションで最速タイム、2セクションで自己ベストを記録して6度目のトライで3番手に浮上。その後、全体のペースが上がってくると1分46秒304に短縮し、ロッシに0.096秒差まで迫る健闘を見せた。これで3番手をキープし、Movistar Yamaha MotoGPのダブル・フロントローが決定した。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは午前中に行われたフリープラクティス第3セッションで5番手を獲得。しかしQ2ではトップから0.622秒離されて9番手に留まった。一方、チームメイトのハフィス・シャーリンはフリープラクティス第3セッションで、前日の第1セッションから2.381秒も短縮して好調ぶりをアピール。Q1でも力強い走りを見せ、1分47秒188のベストタイムで14番手を獲得した。決勝グリッドは5列目の真ん中からスタートする。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ (予選トップ/1分46秒208)「とても感動しています。とくにポールポジションを決めたあとに大勢のファンの顔を見たときには本当にうれしくなりました。サプライズと言ってもいいくらいのすばらしい出来事です。今シーズンはこれまで、予選から苦戦していました。今日はいい走りができて、いいタイムが出たのでフロントローを獲得できるかもしれないと思っていたのですが、終わってみたらポールポジションだったのです。ポールポジションは本当に久しぶりだったので、それだけに重要でもあり、最高にうれしい気持ちです。明日の決勝はもっと難しい戦いになると思いますが、今はこの瞬間を楽しみます」マーベリック・ビニャーレス (予選3番手/1分46秒304)「昨日は2番手だったので今日はもっと上を狙っていましたが、最初から最後まで思い通りにはいきませんでした。午前中のフリープラクティスで何か方向性を間違えてしまって遅れてしまったのです。難しい状況のなかで僕は集中力をキープすることができなくなっていましたが、懸命に戦い続けて何とかこの結果を導き出すことができました。このあともいつものようにプッシュを続け、明日までにマシンのいくつかの部分を改善したいと思っています。現時点で1ラップの速さではハイレベルにありますが、決勝の周回数をキープできるかが課題です」マッシモ・メレガリ (チームディレクター)「何という結果でしょう! イタリアGPの2日目、チームとして非常にすばらしいポジションを獲得することができました。バレンティーノは1分46秒208という見事なタイムでポールポジションを獲得し、同時にムジェロのベストラップを更新してイタリアのファンを歓喜させました。このことで明日のホームGPはますます雰囲気が盛り上がるでしょう。マーベリックは午前中のセッションで苦しみQ1に出場することとなりましたが、チームクルーとともに懸命に作業に取り組み、問題を解決して予選に臨みました。そこで見事3番手を獲得し、チームのダブル・フロントローが決定したのです。チームにとって非常にうれしいことですが、これでポイントを獲得できたわけではありません。決勝は厳しい戦いになると思っています。今晩またチームで作業を続け、マシンをもっと煮詰めて明日に臨みたいと思います。午前中のウォームアップは気温が低く湿度が高い環境のなかで行われることを意識した上で、決勝でさらに一歩前進するための準備をしなければなりません」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (予選9番手/1分46秒830)「すべてにおいて厳しい一日になりました。予選までにマシンを改善したかったのですが、それがうまくいかなかったため思い通りの走りができませんでした。フリープラクティス第4セッションでは転倒してしまい、このことも午後の仕事に影響してしまいました。なんとか気持ちを集中しようとしましたが、トップに近づくための階段を一歩踏み外してしまったと思っています。でも決勝は明日ですから、あくまでも冷静に取り組み、レースのなかでひとつひとつポジションを挽回していけるようがんばります。ペースが戻ってくればトップ5を目指したいと思っています」ハフィス・シャーリン (予選14番手/1分47秒188)「予選には満足しています。ル・マンと同じ14番手を獲得することができました。モルビデリが12番手でトップルーキーになりましたが、その差は決して大きくはありません。トップにも0.9秒差まで近づくことができたので、とてもうれしく誇らしい気持ちです。ポールポジションまで1秒以内という記録は、これまでで最高の結果。ペースがとても良いので、明日は好スタートを切って前に近づいていけるようにがんばります。長いコースなので、誰かについて行けばラップタイムを上げることもできるでしょう。今日は単独走行でもよい結果を出すことができたので満足しています。午前中のフリープラクティスから好調をキープできたのはチームのおかげ。彼らに感謝し、明日はできるだけ多くのポイントを獲得できるようベストを尽...
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