Movistar Yamaha MotoGPはモーターランド・アラゴンでのウイーク2日目に事態を一気に好転させた。マーベリック・ビニャーレスが2戦連続でポールポジションを獲得。バレンティーノ・ロッシは負傷中にもかかわらず素晴らしいパフォーマンスで3番手に入り、揃ってフロントローに並ぶこととなった。
フリープラクティス第4セッションで力強い走りを見せたマーベリック・ビニャーレスは、勢いをそのままにQ2のタイムアタックに出場。最後から2番目にピットを出て前方にクリアスペースを確保すると、すぐさまペースを上げて2度目のトライで2番手へ浮上した。そのあと、残り6分半ほどでピットに戻ってタイヤを新品に交換。コース復帰後はさらにペースを上げて1分47秒635を記録し、バレンティーノ・ロッシを上回りトップに立った。この時点で残り時間は1分40秒。あと1回のアタックが可能だったが、このタイムがその後、破られることはなく、マーベリック・ビニャーレスのポールポジションが決定した。2番手との差は0.1秒。一方のバレンティーノ・ロッシはフリープラクティス第3セッションで10番手に入り、直接Q2へ進出。そのなかでは慎重にスピードアップを図りながら、まず2回のトライを行ったものの1分48秒前半で10番手に留まった。7分強を残してピットに戻り、タイヤ交換を行ってコースに復帰したあとは一気にペースアップ。1分47秒815を記録して暫定ポールに立った。ライバルたちが最後のアタックに入ると順位を下げたが、マーベリック・ビニャーレスから0.180秒差の3番手でフロントローを獲得した。Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは第14戦アラゴンGPをグリッド4列目からスタートする。午前中のフリープラクティス第3セッションでペースが上がらなかったためQ1に出場することとなったが、Q1では好調ぶりを見せてQ2へ進出。ここでフロントローまで0.587秒差と迫る11番手を獲得した。一方、ヨハン・ザルコのチームメイトのジョナス・フォルガーは予選18番手。フリープラクティス第3セッションで転倒し、首を負傷して病院へ搬送されたが、検査の結果、走行可能と診断されて第4セッションに復帰。続いてQ1に出場して18番手を獲得した。Movistar Yamaha MotoGPマーベリック・ビニャーレス (予選1番手/1分47秒635)「午前中と比べると、午後のQ2はコンディションが少し難しくなっていました。そのなかでもトップタイムを記録することができたので嬉しいです。これもチームのサポートのおかげです。ラップごとにタイムが良くなり、走りもずっと安定していました。このフィーリングを明日も持ち続けたいと思います。ミサノ・テスト以来、大幅に改善が見られ、とくにドライ・コンディションではずっと高いポテンシャルをキープしています。しかしウエットではまだ遅れているところもあるので、そのことを常に念頭に置きながら安定性を目指していきたいと思います。今日のバレンティーノの走りには正直、とても驚かされました。その素晴らしさには言葉もありません。彼はいつも好成績をキープしているわけですが、今日もこのような速さを見せてくれたことは本当にうれしいことです。彼がいるからこそ、データを比較することができるし、ともに判断し、さまざまなことを決めていくことができるのです」バレンティーノ・ロッシ (予選3番手/1分47秒815)「リハビリ中ながら良い走りができたと思います。手術を担当してくれたドクターに始まり、ここまで私を助けてくれたすべての人に感謝します。手術後はトレーナーにアドバイスを受けながら懸命にリハビリに励み、脚の状態は日に日に良くなってきました。実際にはマシンの上で少し痛みも感じますが、とても気持ちよく乗れていることは間違いありません。決勝ではフロントローからのスタートがとても重要。ペースを把握し、しっかり最後まで走り切れるかどうか判断しなければなりませんが、今のところは満足。非常に嬉しいです」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「ウイーク初日は厳しい展開になってしまいましたが、今日は一転、非常に素晴らしいものになりました。Q2に向けて限られた時間のなかでチーム・クルーたちが懸命の努力で仕事を完了し、万全の態勢でタイムアタックに臨むことができました。そしてマーベリックはそのハイペースとスピードを存分に発揮してポールポジションを獲得。彼は何をすべきかを十分に理解していて、それを実行し、1分47秒635の好タイムを記録したのです。バレンティーノについては、その見事なパフォーマンスにチーム全員が拍手喝采。これまでの経験上、彼が不可能を可能にする人間であることはわかっていたわけですが、今日もまた、その力を私たちに見せつけてくれました。Q2へ直接、進出したばかりでなく、一時はトップに立って3番手を獲得。チームにとってはすべてにおいて最高の一日になりました。この好調を明日もキープして午前中のウォームアップ・セッションと午後の決勝につなげたいと思います。タイヤ・スペックと耐久性については未確認なところも残っているので、ウォームアップが重要になります。そこで決勝用タイヤを決定します」Monster Yamaha Tech3ヨハン・ザルコ (予選11番手/1分48秒402)「Q1で全力を使い果たして1分48秒4を記録。Q2ではそれ以上、タイムを短縮することはできませんでした。ベストを尽くしても11番手という状況は非常に苦しいものですが、依然として、決勝はきっとうまくいくと信じています。午前中に転倒してしまい自信のレベルは少し下がっていたのですが、フリープラクティス第4セッションでセッティング変更を行うとフィーリングがかなり改善。そのおかげでQ1ではいい走りができました。でもQ2では残念ながら、どんなにがんばっても結果につなげることができませんでした。ラップタイム向上のためにはニュータイヤの高いグリップ力が必要です。私はそれを十分に使い切ることができなかったのです。しかしながら、ユーズド・タイヤでの走りはライバルたちと比べても順調のように思えますし、決勝ではこのことのほうが重要です。第3セッションであれほど苦しんだことを考えれば、11番手スタートは決して悪くないと思います」ジョナス・フォルガー (予選18番手/1分49秒034)「とても難しい状況です。フリープラクティス第3セッションで原因不明の転倒。予選では他のライダーたちのようにペースを上げることができませんでした。グリッド...