Movistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシとホルヘ・ロレンソが、フィリップアイランド・サーキットで激しいチャージ。バレンティーノ・ロッシは予選15番手から前方集団を次々に抜き去り2位表彰台を獲得する異次元の走り。ホルヘ・ロレンソはグリッド12番手から6位まで挽回した。
グリッド5列目から好スタートを切ったロッシは、オープニングラップで13番手。続いてS・レディング(ドゥカティ)とM・ビニャーレス(スズキ)をパスし、さらにポジションアップを狙ってN・ヘイデン(ホンダ)を追って行った。3ラップ目、ロレンソをとらえて7番手に上がると、次はロレンソとふたり揃ってD・ペトルッチ(ドゥカティ)の前へ。ロッシは少しずつ前との差を詰め始め、A・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)とポル・エスパルガロにコンマ4秒差まで接近。ここで1分29秒795の暫定ファステストラップを記録し、1ラップ後にはふたりを交わして4番手に。その後も手を緩めることなくプッシュを続け、ついにはA・エスパルガロ(スズキ)までの0.4秒を縮めて3番手へ浮上した。それから間もなくトップを走行していたM・マルケス(ホンダ)が転倒したため、ロッシは自動的に2番手へ。ここからはロッシとC・クラッチロー(ホンダ)の優勝争い。しかしこのときすでに、2秒以上の差が開いていた。ロッシはレース序盤でフロントのソフト・コンパウンドの優位性を使い果たしており、ブレーキングのミスも出たことから、プッシュしたい気持ちを抑えて2位獲得に集中。最終的にはトップから4.218秒差でチェッカーを受けた。エスパルガロが5位獲得!スミスも果敢な走りで8位!Monster Yamaha Tech3のポル・エスパルガロが、ミシュラン・オーストラリア・モーターサイクル・グランプリで5位獲得の大健闘。エスパルガロはフロントロウから好スタートを切ってトップに浮上。まもなく2番手に後退したが、トップのM・マルケスに食らいついて5ラップ目までこのポジションをキープした。その後2台に抜かれ、12ラップ目には6番手に後退したが、懸命にハイペースをキープして後続のホルヘ・ロレンソを引き離していった。レース後半はコンスタントに走りきり、A・エスパルガロの転倒離脱もあって5位でゴール。難しいレースを好成績で締めくくり、早くも来週のマレーシアGPに照準を合わせている。一方、Monster Yamaha Tech3から通算100回目のグランプリに出場したブラッドリー・スミス。膝の怪我が完治しておらず完璧な状態ではなかったが、果敢に走り切って8位でチェッカーを受けた。グリッド14番手からスタートして序盤は様子を見ながら慎重な走り。ひとたびリズムをつかむと着実にペースを上げ、レースの三分の一ほどまでに4台をパスして14番手へ復帰した。その後も少しもひるむことなくプッシュを続け、ついには7台の大集団による7位争いに加わって大奮闘。最終ラップには一気にふたつ順位を上げ、8位を獲得した。一方のロレンソは、グリッド12番手から好スタートを切り序盤で9番手まで挽回。ロッシとビニャーレスの追い上げを予期し、早めにS・ブラドル(アプリリア)とJ・ミラー(ホンダ)をパスして7番手に浮上した。しかし、その1ラップ後にはロッシとビニャーレスに先行を許し、その後はふたりのペースについて行くことができなかった。前方でマルケスが転倒したあと、レース後半は6番手を単独走行。タイヤの熱をコントロールしながら、着実にチェッカーを目指した。2位を獲得したロッシは、シリーズポイントを合計216に伸ばしてランキング2位をキープ。ロレンソはロッシに24ポイント差の合計192ポイントで3位につけている。Movistar Yamaha MotoGPバレンティーノ・ロッシ(2位)「今朝からペースが良くて、天気も良くて、少しずつ調子が戻って来たんだ。レース序盤、とくに1ラップ目はすごく面白くて、カル(クラッチロー)について行こうとしたけど速すぎてついて行けなった。そのあと10ラップくらいはバトルをエンジョイ。その時もまたカルがターゲットなんだけれど、僕は朝の好調ぶりからして、きっと抜けると思っていたんだ。そのうちにマルケスが転倒したので、これは勝てるかもしれないと思ってトライ。でも残念ながらカルが速すぎて追いつくことはできなかった。彼はフィリップアイランドでいつも速いんだ。このコースをとても良く理解しているんだね。僕のほうは後半がとても苦しくて、どうすることもできなかったよ。もてぎではミスをしてしまったし、昨日も最悪だった。それを埋め合わせるために今日の2位がどうしても必要だったと思っている。チームにとってもヤマハにとっても良い結果になって良かった。カルには"おめでとう"を! そして素晴らしい仕事をしてくれたチームのみんなに"ありがとう"」ホルヘ・ロレンソ(6位)「気温はウォームアップのときと同じ。だから僕のパフォーマンスもほぼ同じで1分30秒4だった。でもリア・グリップが大幅にダウンし、序盤からどうにもならないような状態だったんだ。グリップが落ちてしまうと途端に苦しくなり、マシンの問題も2倍、3倍と大きくなってしまう。次のマレーシアでは寒さに悩まされることはないし、路面が新しいからグリップの問題もないだろう。次こそ好成績を狙うよ」マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)「午前中のウォームアップのなかで、今日はチャンスがあると直感。セッション序盤からバレンティーノが好感触をつかんでいたため、マシンには変更を加えないことにした。あとはタイヤと、グリッド5列目スタートという問題が残っていたが、バレンティーノはそのふたつとも見事に克服したのだ! ここまで非常に厳しい状況が続いていただけに、最後に2位という好結果を達成して、ようやく気持ちが解放された。ホルヘもまた、グリッド12番手から懸命に挽回。本人は6位に満足していないだろうが、ウイークのなかで経験したいくつもの困難を乗り越え、本当によく頑張ってくれたと思う。バレンティーノとホルヘに最強のマシンを提供するためにベストを尽くしたチームのみんなを心から祝福し、感謝する。彼らのおかげで最悪の土曜日を返上することができた」Monster Yamaha Tech3ポル・エスパルガロ(5位)「持っているすべてのカードを切った。そして気持ちよくフィリップアイランドを発つことができる。スタートがとてもうまくいってトップに立ち、ミスも1度もなかった。さらにはスムースなブレーキングを心がけ、...
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