サンマリノGPはミルが健闘の8位、リンスは転倒リタイア。2019年MotoGP第13戦サンマリノGP決勝は、ミサノワールドサーキットに朝早くから約100,000人の観客が集まり、興奮の渦の中で幕を開けた。朝のウォームアップから気温はじりじりと上昇し、チームスズキエクスターライダーのふたりは揃ってフロント、リア共にミディアムタイヤを選択して27周の長い決勝に挑む。
午後2時、シグナルがオフになり決勝がスタート。リンスはスタートを決め、すぐにふたつポジションアップし6番手に。またミルも好スタートで9番手につける。トップグループが徐々に後続を引き離そうとペースを上げ出すと、リンスもそれに続こうと猛チャージ。しかしリンスは前を走るポル・エスパルガロ(KTM)のオーバーテイクに手間取り、さらにオーバーランをしてポジションを落とす。コースに戻った後はポル・エスパルガロの後方に数台が続く形となり、リンスが再びポル・エスパルガロをオーバーテイクした直後、同じタイミングでリンスにロングラップペナルティが提示される。さらにその数秒後、リンスは4コーナーでスリップダウンを喫し、前レースのイギリスGPウィナーはサンマリノGPを痛恨のリタイヤという結果で終える形となった。なおリンスに怪我はなかった。一方のミルは序盤から終盤まで安定したペースでトップ10圏内を走行。残り数周で1台をオーバーテイクし、怪我からの復帰レースを8位で完走。ミルは2戦欠場後の復帰戦で確かな感触と自信を取り戻した。河内 健 テクニカルマネージャー「我々にとってタフなレースとなってしまいました。アレックスは週末を通してスピードを見せることができなかったので、レースで何が起こったのかを含め、 しっかりとデータを検証し、また次のアラゴンから再チャレンジしたいと思います。一方のジョアンですが、今回は怪我からの復帰レースとなったのですが、非常に良いレースをしてくれたと思います。彼の体調が完全に回復すればさらに良いレースができると思うので、それに期待し、早くふたりのライダーが揃ってトップグループに戻れるよう頑張っていきたいと思います。 」ダビデ・ブリビオ チームマネージャー「ジョアンにとって今日は復帰後の初レースだったので、彼の頑張りと結果には満足しています。Q1からQ2に着実に上がり、決勝では安定したペースで最終的に予選よりひとつ順位を上げてゴールできたので、本当に素晴らしい仕事をしてくれたと思っています。彼にとってこの再スタートは今年の残りのレースを戦うに当たってとても重要でしたし、これで彼の自信が戻り、ひとつでも多くの経験に繋がってくれることを願っていたので、まずは良い形で終わることができたと思います。アレックスはレース序盤からフロントのグリップに問題を抱えていて、転倒リタイヤとなってしまい、残念な結果となってしまいました。しかしこれがレースなので悲観はせず、まずは次のアラゴンでもう一度仕切り直し、しっかりリザルトを残していけるように全力で努力していきます。」ジョアン・ミル「ブルノテストで怪我をして以来2戦欠場した後の復帰戦だったから、ここではとにかくマシンのフィーリングを取り戻すこととレースを完走することが一番の目標だったんだ。セッティングは完璧だったとは言い難いけど、チームは僕のためにベストを尽くしてくれたし、決勝ではトップとの差を少しずつ縮めることができたから目標は達成できたし、僕らのマシンとの相性があまり良くないサーキットで8位という結果には満足しているよ。とにかくまたサーキットに戻れたことが何よりも嬉しいし、次のアラゴンは大好きなサーキットなので、今から来週末が待ちきれない思いさ。」アレックス・リンス「転倒リタイヤなんて最悪な結果だね。他のライダー達も皆同様だったみたいだけど、週末を通して路面のグリップが悪かったせいでうまくまとめることができなかった。スタート直後は数人オーバーテイクしてうまく順位を上げたんだけど、その後ポル・エスパルガロの後ろについてからは何周も彼をオーバーテイク出来なくて、立ち往生状態になっちゃったんだ。ポルはハードブレーキングだし、KTMのマシンはアクセレーションが良くて本当に抜くのが困難で、やっとポルをオーバーテイクした後、4コーナーでかなり慎重に進入しながらコーナースピードを落とさないようにコーナリングした際にフロントが切れ込んで転倒してしまった。チャンピオンシップのためにポイントを少しでも得ることが大事だったのに、本当に残念だよ。次戦のアラゴンは好きなサーキットだし、昨年も良い結果を得ることができたから、短い時間だけど気持ちを入れ替えて次に臨むことにするよ。」
全文を読む