2025年FIM世界耐久選手権「“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会(鈴鹿8耐)」が8月3日、三重県の鈴鹿サーキットで開催され、Hondaのワークスチームである「Honda HRC」(マシン:CBR1000RR-R FIREBLADE SP、ライダー:高橋巧/ヨハン・ザルコ)が優勝を果たした。Honda HRCはこれで4年連続の鈴鹿8耐制覇となり、Hondaとしては大会通算31勝目をマーク。また、高橋巧は自身の優勝回数を7に伸ばし、鈴鹿8耐史上最多勝記録を更新。ヨハン・ザルコも2年連続の優勝を飾った。
Honda HRCは8月1日に行われた計時予選でトップタイムを記録し、“トップ10トライアル”への進出を決めた。2日のトライアルでは高橋とザルコが走行し、ザルコが2分4秒290を記録してポールポジションを獲得。このタイムはコースレコードを更新するものであった。決勝レースは3日11時30分にスタート。スタートライダーは4年連続で高橋が務め、ホールショットを奪取。激しい先頭争いの中、14周目にトップへ浮上すると、安定したペースと戦略で着実にリードを広げた。ザルコとの継走も堅実に行われ、燃費性能とピット作業の素早さが際立ち、中盤には2位に1周差をつける展開に。終盤には2度のセーフティカー導入で差が縮まったが、ライバルの最終ピットインで生まれた約40秒のマージンを守りきり、Honda HRCは217周を走破。ザルコがチェッカーフラッグを受け、チームに4連覇をもたらした。高橋巧は次のようにコメントした。「無事に終えられてよかったです。急遽2人での走行となり、このコンディションの中で相当つらいのはわかっていました。ただただ疲れました。最後、ヨハンのコンディションが厳しそうだったのもあり、その中でしっかり自分ができることをして渡そうと思い、最後のスティントでは6秒台に入れて引き離そうとしましたが、後続の追い上げが激しかったことからタイム差をキープして無事に渡す形に切り替えました。最後は本当にヨハンが頑張ってくれました。彼に感謝しています。チームのみんなも頑張ってくれたと思うし、応援してくれたファンの皆さんに感謝しています」ヨハン・ザルコも、レースをこう振り返った。「巧と同じで疲れました。レースコントロールはうまくできましたが、スティント間でのリカバリーが難しく、思ったように回復できませんでした。最終スティントでセーフティーカーが入ったことで、巧は周回数を伸ばし、私の回復時間を稼げました。自分が走った時、2度目のセーフティーカーが入ったことでリズムを少しずつ取り戻すことができました。夜の走行ではギャップをコントロールしながら素晴らしい景色の中を走り、幸せを感じながらレースをフィニッシュできました。巧はレースでも暑さにも強い選手でつらい表情も見せず、チームの強さに繋がっていると思いますが、来年は2人体制では走りたくないですね。Hondaは燃費の良いバイクで大きなアドバンテージがあり、7回のピットストップでフィニッシュできました。チームのみんなに感謝しています」Honda HRCを率いる松原輝明監督は、ライダーとチームに最大限の賛辞を贈った。「本当に素晴らしい結果でとても満足しています。まず、過酷なコンディションの中で懸命に走り、素晴らしい仕事をしてくれた2人のライダーに心から感謝したいと思います。そして、ライダーたちを全力で支えてくれたチームのみんなにも感謝しています。まさにチームワークの真髄を見せてくれました。今回もピットストップは最速で、それが大きな差を生みました。これまでの準備が今日、確実に成果として表れました。簡単なレースではありませんでしたが、最終的にはすべてがうまく噛み合いました。本当に楽しく、やりがいのある経験となりました」株式会社ホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長も、4連覇の快挙を称えた。「Honda HRC 高橋巧選手、ヨハン・ザルコ選手、チームスタッフならびに関係者の皆さん、酷暑の中での2ライダーでのレース、そして4連覇という重圧にもかかわらず、素晴らしいチームワークを発揮して勝利を引き寄せてくれたことに、心から感謝します。高橋選手は、鈴鹿8耐最多記録を更新する7勝目の達成という素晴らしい記録を樹立しました。昨年に引き続き参戦したザルコ選手の貢献にも敬意を表します。そして、参戦をサポートしてくださったスポンサーの皆様、レースを応援してくださったファンの皆様にも、改めて感謝申し上げます。これからもHRCは、モータースポーツファン、Hondaファンの皆様のご期待に応えるべく、チャレンジをしてまいりますので、変わらぬご声援をよろしくお願いします」
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