MotoGP 第4戦 スペインGPでは、2番手争いをしていたアンドレア・ドヴィツィオーゾ、ホルヘ・ロレンソ(ともにドゥカティ)、ダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ)の3台がクラッシュしてリタイアを喫するというインシデントがあった。残り8周。3番手を走行していたホルヘ・ロレンソが6コーナーで膨らみ、ダニ・ペドロサがインを突いたが、戻ってきたロレンソと接触。その勢いでロレンソがアウトサイドを走っていた2番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾと激突。3台は揃ってリタイアとなった。
巻き添えを喰らったかたちで今季初転倒・初リタイアを強いられ、総合1位から24ポイント差の総合5位に後退したアンドレア・ドヴィツィオーゾは、レーシングインシデントだと言い聞かせながらも、20ポイントを失った悔しさをにじませる。アンドレア・ドヴィツィオーゾ「最終的にはレースインシデントだけど、僕は獲得可能だった20ポイントを失ってしまった。僕の視点から見れば、両方に責任がある。ダニはインを突いた。状況を上手くマネージメントができ、進入するか、しないかを判断することができただろう。ホルヘは走行ラインを外した。戻ろうとしたときは、他車に注意しなければならない。2人ともミスを犯したと思う。必然的にあのようなことが起こってしまい、僕にぶつかった。ホルヘは、3人目の存在を知らなかったと僕に説明した。僕のことだけが表示されていたと言うけど、ピットボードの表示はライダーが決めることだ。僕は3人で走っていることが分かっていたし、もし、僕が彼の立場だったら、気づいていただろう。彼はそのような情報に興味がないけど、それが転倒につながった。レースには満足している。0ポイントに終わってしまったけど、僕たちは本当に強かった。ヘレスはいつも苦しみ、今週末も苦しかったけど、冷静さを保ち、適した決断を下した。マルクとバトルするペースがあった。これはポイントを挽回するモチベーションとなる」ホルヘ・ロレンソは、事故は不運だったとし、タイトル争いから大きく後退することになったチームメイトに謝罪した。ホルヘ・ロレンソ「不運だったから、転倒のことは話したくない。僕たち3人は、チャンピオンシップの中で最もクリーンなライダーなんだ。このような終わり方は相応しくない。アンドレアが膨らんだ。僕はイン側から抜いて、ダニとの接触を感じた。まるで、ドミノのような転倒だった。タイトル争っているドビに申し訳なく思う。あの転倒がなければ、ポイントリーダーの座を維持していただろう。アグレッシブなロレンソを見た。ストロングに走れることを証明したけど、違いを生み出すことができなかった。昨年は14秒差だったけど、今年は4秒差でフィニッシュすることができたはずだ。8ラップをトップで走ることができれば、誰もが知っている僕の高い集中力と一貫性を発揮して、全周回をトップで走れ、優勝することができるだろう。これからお気に入りのサーキットを迎え、今回のような前進を果たし、ドゥカティがニューパーツを投入し、バイクが曲がれるようになれば、トップに行ける。これほど楽しく走れたのは、久しぶりだ」ダニ・ペドロサも事故は不運だったとしながらも、自分に優先権があったとし、レースインシデントと判断したスチュワードから明白な説明がなかったことに苦言を呈した。ダニ・ペドロサ「かろうじて、立ち上がることができ、トラックから出たけど、タイヤバリアーのところで休まなければいけなかった。頭と腰に強烈な激突を受けたけど、ヘルメットが守ってくれたのは幸運だった。手にダメージを受けなかったのも幸運だった。全てはレースの結果。僕は良いペースで走れていたけど、何らかの理由で加速が良くなかったので、ストレートでドゥカティ勢に抜かれてしまった。スリップストリームで抜き返すことができず、バイクを止めることも苦労していた。ペースだけが良かったけど、彼らにブロックされてていたので、レース終盤に向けて、タイヤをマネージメントするか、ミスが起きるのを待つしかなかった。そこで、2台がコーナーでは大きくはらんだところを見て、ミスを利用した。良い走行ラインで突っ込んだ。コーナーから立ち上がるところで、ホルヘが戻って来て、僕たちはぶつかった。僕の身体はバイクの右側に位置していたから、彼が戻って来たのが見えなかった。不運にも3人が転んでしまった。良い位レースをしていた2人には申し訳なく思う。タイトルのオプションが難しくなってしまったドビには申し訳ないと思う。最もネガティブなことは、このような状況に入り込んでしまうプロファイルの持ち主でない3人に起こってしまったことだ。スチュワートパネルの判断は、間違いだと考える。同意しない。なぜ、レースインシデントだと決断した理由を聞きに行った。話し合い、レースインシデントであることはハッキリしたけど、僕は自分の走行ラインを走っていた。2人は走行ラインから外れていて、僕はイン側を通過していた。走行ラインを外したら、確認しなければいけない。僕には優先権があった。ホルヘに制裁を与えるつもりはない。その反対で、このようなことは避けなければいけないから、説明したかった。レースインシデントだと決めてしまうと、他のライダーたちが、ノーマルなことだと思ってしまうかもしれない。単純なインシデントではない」