マルク・マルケスは、バラトンパークで開催された初のMotoGPハンガリーGPで、オープニングラップの不利やマルコ・ベッツェッキとの接触を乗り越え、週末完全制覇による7連勝を達成した。マルケスはスタートで伸びず、第1コーナーでベッツェッキに仕掛けられた。進入でアプリリアの前に出たが、立ち上がりで膨らみベッツェッキに先行を許す。第2コーナーで再びインを突いたがアプリリアに接触し、バイクを起こしたためフランコ・モルビデリの後ろに落ち、さらに後続からのプレッシャーを受ける展開となった。
その直後、追走していたテック3KTMのエネア・バスティアニーニがシケイン進入で転倒。幸い、コース中央に戻ったマシンやライダーに後続は衝突せずに済んだ。タイヤはソフトとミディアムでほぼ半々に分かれ、ミディアムを選んだマルケスは徐々にソフト勢との差を詰めていく。5周目、ベッツェッキがモルビデリを1秒引き離す一方で、マルケスはモルビデリをシケインで抜き、さらに数周でベッツェッキの背後に迫った。第1コーナーや第5コーナーでの仕掛けは失敗したが、11周目のターン1でようやく抑え込み、以後は独走態勢に入った。KTMのペドロ・アコスタがベッツェッキを抜いて2位に浮上したものの、マルケスとの差2.7秒は埋められず、最終的に4.3秒差でフィニッシュ。マルケスのチャンピオンシップリードは175点に広がった。ベッツェッキは3位に踏みとどまり、16番手スタートから驚異的な追い上げを見せたチームメイトのホルヘ・マルティンが4位で続いた。ホンダのルカ・マリーニは、バスティアニーニ転倒の回避で不利を負いながらも5位。モルビデリはマリーニとの攻防の末に6位。ブラッド・ビンダー(KTM)が7位、ポル・エスパルガロ(KTM)が8位で続いた。ドゥカティのファビオ・クアルタラロはロングラップを経て10位、チームメイトのアレックス・リンスは13位に終わった。トラックハウス・アプリリアの小椋藍は、最近の不振を払拭する11位でチェッカーを受けた。ファビオ・ディ・ジャンアントニオはウォームアップラップ後にトラブルでピットスタートを余儀なくされたが、粘って15位入賞。グレジーニのフェルミン・アルデゲルは序盤に転倒しリタイアしたが、走行中にマルケス以外で唯一1分37秒台を記録する速さを示した。一方で、ザルコ(LCRホンダ)、ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)、ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)、ジョアン・ミル(ホンダ)、そしてバスティアニーニがリタイアを喫した。2025年 MotoGPハンガリーGP 決勝結果1位 マルク・マルケス(ドゥカティ)2位 ペドロ・アコスタ(KTM)3位 マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)4位 ホルヘ・マルティン(アプリリア)5位 ルカ・マリーニ(ホンダ)6位 フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ)7位 ブラッド・ビンダー(KTM)8位 ポル・エスパルガロ(KTM)9位 フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)10位 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)11位 小椋藍(トラックハウス・アプリリア)12位 ミゲル・オリベイラ(プラマック・ヤマハ)13位 アレックス・リンス(ヤマハ)14位 アレックス・マルケス(グレジーニ・ドゥカティ)15位 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ)16位 フェルミン・アルデゲル(グレジーニ・ドゥカティ)DNF ヨハン・ザルコ(LCRホンダ)DNF ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)DNF ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)DNF ジョアン・ミル(ホンダ)DNF エネア・バスティアニーニ(テック3KTM)