プラマック・ドゥカティのフランチェスコ・“ペッコ”・バニャイアが、MotoGP復帰を果たしたチェコGPで2025年シーズン初のポールポジションを獲得。対照的にマルク・マルケスは最終アタックで転倒を喫し、2番手にとどまった。予選Q1で苦戦していたバニャイアは、他車と走行タイミングをずらす戦略でQ2進出を決めると、そのまま同様のアプローチでポールを射止めた。
この週末はドライ走行が限られ、“リセット”された路面状況がマルケスに有利と見られていた。そのためQ2ではマルケスの背後に9人ものライダーが隊列を組む展開に。唯一ファビオ・クアルタラロだけが単独走行を選択し、ジョアン・ミルはやや後方で孤立していた。バニャイアはこの“トレイン走行”を避け、ピットインして数分後にクリアラップを狙って再出走。これが奏功し、マルケスに0.2秒差をつけて暫定トップに浮上する。その後はマルケスの弟アレックス・マルケスとともにポジション取りをめぐってやや滑稽な駆け引きを演じたが、マルクはその直後の1周目で黄旗によりタイムを抹消される事態に。これはマルコ・ベツェッキが今週末3度目のクラッシュを喫し、ターン1で黄旗が出されたためだった。その後のアタックでマルクは再びポールペースに乗るが、最終セクターのターン13でクラッシュ。砂利の上を高速で滑走したがケガはなく、マシンも大きな損傷は避けられた。本人は「集中力を欠いたクラッシュだった」と述べ、直前にヨハン・ザルコがほぼ同じ地点で転倒していたことに言及。なお黄旗下のクラッシュではなかったため、ペナルティの対象にはならない見通し。最終的にマルクは2番グリッドに収まり、クアルタラロがヤマハで3番手に食い込んだ。予選結果とグリッド:ミル&フェルナンデスが健闘4番手には転倒を喫しながらも好調を維持したベツェッキ(VR46ドゥカティ)、5番手にはジョアン・ミル(ホンダ)、6番手にはラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア)が入るなど、Q1組が上位に食い込む波乱の展開となった。ペドロ・アコスタは終盤のバニャイア&マルケスのやり取りに巻き込まれ、7番手に甘んじた。続く8番手にアレックス・マルケス、9番手にザルコが並ぶ。ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)も終盤にクラッシュし、10番手。エネア・バスティアニーニと、復帰を果たしたホルヘ・マルティンがQ2最下位の11番手と12番手に終わったチェコGP予選・暫定グリッド1.フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム) 2.マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム) 3.ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム) 4.マルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング) 5.ジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール) 6.ラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム) 7.ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング) 8.アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP) 9.ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR) 10.ジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP) 11.エネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3) 12.ホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング) 13.ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム) 14.ポル・エスパルガロ(レッドブルKTMテック3) 15.アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム) 16.ルカ・マリーニ(ホンダHRCカストロール) 17.ミゲール・オリベイラ(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP) 18.フェルミン・アルデグエル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP) 19.ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング) 20.中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR) 21.小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム) 22.アウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム)Q1ではディ・ジャンナントニオ(VR46ドゥカティ)が一時トップに立ったが、バニャイアとフェルナンデスに逆転され13番手に。ポル・エスパルガロは今週末マーベリック・ビニャーレスの代役としてTech3で出走し、14番手。15番手にはヤマハのアレックス・リンスが入った。Q1では大きな番狂わせはなかったものの、注目を集めたのはブラッド・ビンダーの不振。2020年の同GPで勝利を挙げたビンダーだったが、今回は終始低調で、ベストラップもトラックリミット違反で抹消。元々それがなくともQ2進出圏外であり、19番手に沈んだ。
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