タイトル王手のマルケスが3番手フロントローから決勝へ第15戦タイGPの予選は、初日から好調な走りをみせるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)と、クアルタラロ(ヤマハ)、ビニャーレス(ヤマハ)のヤマハ勢とのし烈なポールポジション(PP)争いとなり、マルケスは惜しくも3番手に終わり、今季10回目のPPを逃した。
マルケスは、1回目のアタックで1分29秒台で走ると、2回目のアタックでは、さらにタイムを更新。セクター2までベストタイムで走ったが、セクター3の5コーナーでギャップに乗ってフロントからスリップダウンを喫した。これでマルケスは、初日のFP1に続き今大会2度目の転倒。タイトル王手というもっとも緊張する大会を迎えているマルケスだが、プレッシャーを感じさせない攻めの走りにファンは魅了された。2度の転倒を喫したマルケスだが、決勝に向けたロングランでは、十分に優勝を狙える安定したラップタイムで走った。雨の影響でセッション開始が遅れ、ウエットからドライへと路面が変化したFP3では、決勝が不安定なコンディションになった時のために、レインタイヤで走行を続けタイヤの消耗を確認した。完全なドライになったFP4では、フロントにハード、リアにソフトを装着し、決勝を想定したロングランを行い、1分30秒から31秒台というすばらしいタイムで周回を重ね、ドライコンディションの準備を進めた。タイトル王手のマルケスは、今大会、総合2位のドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に2点差以上をつければタイトル獲得となる。今季8勝13回の表彰台に立ってきたマルケスが、タイGPでどんなレースをするのか、世界中のレースファンが注目している。初日のフリー走行でタイヤの選択に苦戦したカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、不安定な天候とコンディションのため、思うようにセッティングを進めることができず13番グリッドから決勝に挑む。チームメートの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)も、前後のバランスの悪さを解消できず、クラッチローに続いて14番グリッドから決勝に挑む。ともに厳しいグリッドからの決勝レースとなるが、ウォームアップでセットアップを進め、追い上げのレースに挑む。ケガから復帰4戦目を迎えるホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)は、ウエット、ドライともに、これまでよりリズム感あふれる走りで復調を感じさせた。19番グリッドと厳しいグリッドからの決勝となるが、粘り強い走りで調子を上げていく意気込みだ。マルク・マルケス(MotoGP 3番手)「予選セッションの最後に軽い転倒がありましたが、今日はとてもいい日になりました。転倒したことで心配をかけましたが僕は大丈夫です。少し痛みがありますが、明日のレースに向けて、言い訳にはなりません。とてもいいペースがあります。明日の重要なレースに向けて、一日を通して仕事に集中し、プッシュし続けました。今週末の転倒は問題ではありません。明日に向けていいペースがありますし、これまでのレースと同じように表彰台と優勝を目標にがんばります」カル・クラッチロー(MotoGP 13番手)「昨日は13番手でしたが、今日も13番手でした。残念ですが、これが現実です。しかし明日のレースに向けて気持ちはポジティブです。がんばっていい結果を出したいと思います。今のペースよりももっと速く走れると思います。予選はもっと速いタイムを出せたし、直接Q2へ進めたのではないかと思います。明日のレースをどう戦えるのか、スタートまでしっかり考えていきたいです」中上貴晶(MotoGP 14番手)「今日は厳しい予選になると思っていました。1回目のアタックはそれほど差はなかったので、2回目のアタックでQ2に進出できるのではないかと思ったのですが、わずかに届きませんでした。Q1では1分30秒台に入れるのが目標でした。30秒台に入れられるマシンだったと思います。しかし、自分のミスもあり、30秒台に入れることができませんでした。明日も不安定な天候が予想されるので、午前中のウエットコンディションでは、しっかり走って準備をしました。決勝がドライでもウエットでも追い上げのレースにしたいです。今日もカーボンスイングアームとアルミスイングアームの比較テストを続けました。いいポイントが確実にわかってきたので、しっかりデータを蓄積していきたいです。サンマリノ、アラゴンの2戦はリアのグリップを出せず苦戦しました。今回はリアのグリップがあがった分、フロントを押す感じになり、その影響で1次旋回に苦労しています。昨日はわからなかったセッティングの方向性も見えてきたので、明日のウォームアップでしっかり調整したいです」ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 19番手)「雨の影響でコンディションはあまりよくありませんでした。午後は路面がさらに滑りやすくなりました。このコンディションに合わせてセッティングを変えなければならず、トップとのギャップも縮めることができませんでした。予選ではレースウイークで一番速く走ることができましたが、高速コーナーで縁石の上を走ってしまい、最後のブレーキングに問題が出てしまいました。このためコンマ数秒遅れてしまいました。これがなければ16番手になれたと思います。アッセン以来のベストグリッドが獲得できたと思います。明日も引き続きがんばります」
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