マルケス今季7勝目。チャンピオンシップでもリードを広げる。MotoGP 第13戦サンマリノGPの決勝は、予選5番手から決勝に挑んだマルク・マルケス(Repsol Honda Team)と予選3番手のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)の一騎打ちとなり、最終ラップにクアルタラロを抜いて先行したマルケスが、3戦ぶり今季7勝目を挙げた。これまでミサノでは、ウエットコンディションをのぞき、常に厳しいレースを強いられてきたが、2週間前のテストで得たデータを基に着実にセットアップを進め、3度目の大会制覇を達成した。
前日のフリー走行で、決勝に向けてシミュレーションした走りを見事に再現したマルケスだが、オーストリア、イギリスと過去2戦、最終ラップに逆転を許し優勝を逃しているだけに、今大会はしっかり戦略を立て、勝利につなげた。マルケスは、チャンピオンシップで2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に78点差をつけて今大会を迎えた。勝利を目指すことはもちろんだが、後半戦はチャンピオンシップを優先しなければならないレースが続く。しかし、こうしたチャンピオンシップ獲得のプレッシャーを常に勝利へのモチベーションへと転換させるマルケスの走りにファンも大喜びだった。これで、今大会6位に終わったドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)との差を93点へと広げることに成功した。連戦となる第14戦アラゴンGPは、マルケスが得意とするサーキットの一つ。気持ちを引きしめ、今季8勝目に挑む。チームメートのホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)が14位でフィニッシュ。ケガから復帰して、2戦連続でポイントを獲得した。しかし、復帰戦となったイギリスGP以上のパフォーマンスを期待していただけに、納得のいくレースにはならなかったが、体調は着実に回復しており、ホームGPとなる次戦アラゴンGPでは、さらに上位を目指す意気込みだ。予選11番手の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、ヨハン・ザルコ(KTM)のペナルティーで10番グリッドから上位を目指したが、4周目の10コーナーで転倒を喫し、再スタートを切ったが18位に終わった。序盤は、ホアン・ミル(スズキ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)と9番手争いのグループを形成したが、フロントのフィーリングが完全ではなく、ペースをキープすることができず転倒した。これで前戦イギリスGPから2戦連続のノーポイント。連戦となるアラゴンGPではその雪辱に挑む。予選14番手から追い上げのレースに挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、ウイークを通じて最後まで好感触をつかめず、11番手を走行していた23周目に転倒を喫し、リタイアとなった。2週間前のテストから抱えていた問題を解消できず、厳しい大会となったが、次戦アラゴンでは、表彰台を目指します。マルク・マルケス(MotoGP 優勝)「正直、優勝しなければならないというレースではありませんでした。リンスがリタイアし、ドヴィツィオーゾが後方にいたからです。でもモチベーションが上がっていました。できる限りファビオについていき、アタックすべきかどうか考えていました。最終ラップにアタックすることを決めました。3コーナーでファビオが速いことは分かっていたので、その前にアタックしました。そしてできる限りコーナーで隙を作らないようにしました。今日はファビオがとても力強いレースをしました。僕はなるべくスムーズに走ろうと思いました。イタリアで優勝することができてよかったです。もっとよかったのは93ポイントのアドバンテージができたことです」ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 14位)「シルバーストンでは、思っていた以上の走りができましたが、今日は残念ながらそんな走りができませんでした。正直、もう少しいい結果とペースを期待していました。トップと1.5秒の差を期待していましたが、現実はそれ以上の差でした。しかし僕の体調はよくなってきています。プラクティスセッションではこれまで以上に前との差が縮まりました。これはポジティブなことです。路面はあまりコンディションはよくありませんでした。アラゴンではもっとプッシュできる状態になっていることを願っています。また、もっとトレーニングができるようになっていることを願っています」中上貴晶(MotoGP 18位)「スタートはまずまずでしたが、走り出しからフロントの右側のフィーリングがよくありませんでした。4コーナー、10コーナー、14コーナーのスローコーナーでエッジグリップがうまく機能せず、4周目の10コーナーで転倒してしまいました。今週はリアタイヤのグリップを引き出すのに苦労しましたが、フロントに関しては全く問題はありませんでした。どうしてフロントのフィーリングがよくなかったのか、その原因をミシュランと分析したいです。前戦イギリス、そしてサンマリノと、自分が得意とするサーキットでしたが、2戦連続でノーポイントという残念な結果に終わりました。シーズン前半は、トップ10内でフィニッシュすることを目標に着実にポイントを獲得してきましたが、この2戦ノーポイントに終わったこともあり、アラゴンからの6戦は、みんなに魅せる走りをしたいと思います。今大会はチームのホームGPでした。こういう結果に終わり、チームには申し訳ない気持ちです。連戦となるアラゴンGPで、ノーポイントに終わった2戦の雪辱に挑みたいです」カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)「トップとかなりの差があったにもかかわらず、転倒してしまい残念です。テストでマシンのフィーリングがあまりよくなかったのですが、今週末もいいフィーリングをつかめませんでした。これが現実です。レースで転倒するとは思っていませんでした。遅くてもなんとかレースを完走できると思っていたので、転倒してしまったことに少しショックを受けました。全体的にいいフィーリングがつかめませんでした。気持ちを切り換え、アラゴンに向けて前進しなければなりません」
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