マルケス、アタックが決まらず5番手。2列目から決勝に挑む好天に恵まれた第13戦サンマリノGPの予選は、最高気温が26℃、路面温度が40度と、金曜日とほぼ同じコンディションとなった。金曜日は、気温と路面温度が上がると、路面のグリップが低下し、ライダーたちはタイヤのパフォーマンスを引き出すことに苦労した。
しかし、着実にメニューを消化したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、フリー走行で4番手。Q2にダイレクトでの進出を決めると、その後に行われたFP4では、決勝に向けてのシミュレーションを行いトップタイムをマーク。1分33秒台前半のラップタイムを連続で刻み、決勝に向けての準備を進めた。その後に行われたQ2では、3回のアタックにトライしたが、2回目、3回目のアタックが決まらず、1回目にマークした1分32秒742で5番手となった。ドイツGPから続いていた5戦連続9回目のPP獲得は果たせなかったが、決勝に向けて順調にセットアップを進めており、今季7勝目と3度目の大会制覇が期待される。初日のフリー走行でタイヤのグリップに苦しんだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、FP3で6番手までタイムを上げてダイレクトでQ2進出を果たした。午後の予選では、金曜日同様、路面のグリップ低下に苦戦して11番手となったが、決勝での上位進出に向けて一歩前進した。課題は気温と路面温度が上がり、路面のグリップが低下する午後の時間帯でいかにタイムの低下を抑えるかにかかっている。中上は、気温が低くタイヤパフォーマンスを発揮できる午前中のセッションでは6番手までポジションを上げており、朝のウォームアップで最後の調整を行い、決勝では追い上げのレースに挑む。初日12番手と苦戦したカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、2日目もセットアップを進めることができず、予選14番手に終わった。さまざまなセッティングにトライも解決策を見いだせない一日だったが、決勝日朝のウォームアップで最後の調整を行う。初日17番手のホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)は18番手となった。ポジションを上げられなかったが、体調は順調に回復し、走りにもリズムが出てきた。復帰戦となった前戦イギリスGP同様、ポイント獲得を目標に挑む。マルク・マルケス(MotoGP 5番手)「今回の予選はあまりうまくいきませんでした。残念ながらミスをしてしまい、僕のアタックは早々に終わってしまいました。しかし、2列目からのスタートは悪くありません。目標は優勝争いをすることです。また最終的なゴールはチャンピオンシップの獲得で、それに集中したいです。FP4で小さな転倒がありましたが、フィーリングはとてもよかったので、レースペースにはかなり自信があります」中上貴晶(MotoGP 11番手)「午前中はいい走りができたのですが、気温と路面温度が上がった午後は、金曜日と同じように厳しい走りを強いられました。決勝時間とほぼ同じ時間帯のFP4では、レースシミュレーションを行いました。しかし、いいフィーリングがなく、その後に行われた予選でも自分が望むレベルに到達することができませんでした。問題は、リアタイヤのグリップ不足とコーナーの立ち上がりでタイムロスをしていることです。2日間とも同じ問題に苦しみました。特に午後は路面コンディションが変わりグリップが低下します。それにあわせて自分たちのパフォーマンスも落ちていきました。みんな同じ状況を抱えています。そういう意味では、この問題を解消できれば大きなチャンスだと思います。チームのホームGPなので、明日の決勝はみんなに喜んでもらえる結果を残したいです。決勝に向けて最後までベストを尽くします」カル・クラッチロー(MotoGP 14番手)「フリー走行、予選ともに今日はあまりいい日ではありませんでした。でもこれが現実です。どのようなセッティングで走っても難しい一日でした。ここでテストを行ったときから難しい週末になるのではないかと思っていました。でもいつものように前向きな気持ちでレースウイークに挑んでいます。明日のレースでは、ラップタイムを上げられるようにベストを尽くしてがんばり、レースが終わったときには上位にいられることを願っています。問題は自分のペースがどのくらいのポジションにいるのかがわからないことです。チームはマシンのセッティングに一生懸命取り組んでくれました。とても感謝しています。でも自分の思うようなフィーリングにはなりませんでした。それでもレースでは何が起きるかわかりません。ベストを尽くします」ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 18番手)「今日はまずまずの日でした。金曜日の走行を終えたときに、もう少し前とのギャップを縮められると思っていましたが、思うようにはいきませんでした。でも、予選ではまた一歩前進できました。もっと前進しなければなりません。ウォームアップに向けてそのアイディアはあります。決勝レースでは、なるべくトップに近づいてフィニッシュすることが目標です。この目標の達成に向けてベストを尽くします」