終日、厚い雲に覆われたMotoGP 第3戦アメリカズGPの予選は、過去5年連続でポール・トゥ・ウインを達成しているマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が今季初の予選トップタイムを記録した。午前中に行われたFP3でトップになると、予選前に行われた4回目のフリー走行でもトップタイムをマーク。その勢いで迎えた予選Q2(上位12台で争われる)では、1回目のアタック中に転倒を喫したが、セカンドマシンでアタックを再開すると、ただ一人2分3秒台に入れる快速ランで予選トップタイムを記録した。
しかし、マルケスは予選セッション中にアタック中だったマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)の走行を邪魔したとされ、マナー違反のペナルティーを科せられてしまい、3ポジションダウンとなり2列目から決勝に挑む。圧倒的なスピードを誇るマルケスが優勝候補の筆頭にいることに変わりはなく、今季初優勝と大会6連覇に挑む。前戦アルゼンチンGPで今季初優勝を達成し、総合首位につけるカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が7番手グリッドから決勝に挑む。この2日間、クラッチローは不安定なコンディションの中でグリップを引き出すためのセットアップに集中した。そして着実に前進することに成功。予選Q2ではフロントロー獲得に自信をみせていたが、リアタイムのグリップに苦しみ、思ったようにタイムを伸ばせなかった。しかし、ウインターテストから好調な走りを続けるクラッチローだけに、決勝では追い上げのレースが期待される。前戦アルゼンチンGPで接触転倒に見舞われ右手首を負傷し、出場が危ぶまれたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、総合10番手で予選Q2に進出を果たすと、12台で競われるQ2では痛みをこらえての熱走で9番手グリッドを獲得した。今大会の目標はポイント獲得。長いシーズンを見据え着実にポイントを獲得する意気込みだ。ルーキーの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、今季ベストリザルトの13番手グリッドを獲得した。午前中のFP3を終えて、総合17番手。目標としたダイレクトでのQ2進出は果たせなかったが、総合10番手以下の選手で戦う予選Q1で3番手タイムをマーク、13番手グリッドを獲得した。あと一歩でQ2進出を逃した中上だが、予選12番手のポル・エスパルガロ(KTM)がペナルティーで3グリッド降格となり、中上は4列目12番手グリッドから決勝に挑む。開幕から2戦連続でポイントを獲得しているフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、順調にセットアップを進め17番手グリッドから3戦連続ポイント獲得とベストリザルト獲得に挑む。チームメートのトーマス・ルティもフィーリングの改善に成功。大接戦の中でポジションは20番手だが、今季初ポイント獲得に向けて追い上げのレースに挑む。マルク・マルケス(MotoGP 予選トップタイム)「今日は予選でファステストラップを刻みました。FP3とFP4では、いいレースペースをキープできたことがなによりもうれしいです。今日の予選は少し慌ただしいものになりました。それは転倒したことにより、セカンドマシンで2回目のアタックに出なければならなかったからです。そして、コースに出るとアンドレア(イアンノーネ)が前にいました。彼のペースもすごくよかったので、彼の位置に集中していました。そのためマーベリック(ビニャーレス)が後ろに迫っていることに気づきませんでした。マーベリックに謝罪しました。明日は4番手からのスタートになります。正しいタイヤを選ぶことが重要になってきます。ユーズドタイヤで安定した走りができましたが、このサーキットは体力的に厳しい戦いになります。明日は気温が高くなりそうなのでがんばって集中力を維持したいです」カル・クラッチロー(MotoGP 7番手)「プラクティスではいいフィーリングになり、マシンは快適でした。セッティングもよくなり、切り返しも改善されました。そして予選でも最初のスティントはマシンもタイヤもいい感触があったのですが、2回目のスティントでは、リアタイヤの感触が全くつかめませんでした。なにが起きたのか分かりません。7番手グリッドに終わった原因をこれから調べたいです。なぜなら、今日はフロントローを獲得できる自信があったからです。全体的にあまりいい一日にはなりませんでしたが、明日はいいレースができると思うし、楽しみです」ダニ・ペドロサ(MotoGP 9番手)「このサーキットはとてもハードなので、正直、ここまで走れると思っていませんでした。それが、Q2に進むことができて9番手グリッドを獲得できました。Q2にダイレクトに進出できただけでも十分にうれしい一日でした。しかし、午前中は昨日より痛みがひどく、本当にがんばらなければいけませんでした。今日は雨が降ると思っていました。その方が手の負担が少し減るので、明日に向けて回復しやすくなると思っていました。でも、残念ながらドライになりました。それでも走らなければなりません。9番手というポジションは決してよくはありせんが、こうして決勝に進めるだけでも十分です。レースは長いです。明日は、痛み止めを必要とするのかどうかをしっかり判断し、最後まで走りきりたいです」中上貴晶(MotoGP 13番手)「今日は久しぶりにプッシュすることができました。もう少しでQ2にいけたので、それを思うと悔しい気持ちです。ベストを出した周回は、11コーナーでオーバーランしました。そのミスがなければQ1でトップタイムをマークできたかもしれません。もったいない気持ちはありますが、久しぶりにプッシュできたことがうれしいです。前戦アルゼンチンGPは不安定なコンディションとなり、最後尾からのスタートでした。それが今回は真ん中までグリッドを上げることができました。このグリッドの位置を決勝でしっかり活かしたいです。序盤の2戦に比べたら今大会は大きく前進しました。この走りを結果につなげたいです」フランコ・モルビデリ(MotoGP 17番手)「決勝に向けてセットアップが進みました。いい方向に進んでいることがとてもうれしいです。昨日今日とリアグリップの改善と決勝に向けてのタイヤ選択に集中しましたが、順調でした。明日のレースは、リアにソフトタイヤを使うことも可能ですが、明日のウォームアップで最終決断をしたいと思います」トーマス・ルティ(MotoGP 20番手)「予選ではいい感触がありました。コーナリングがよくなり、トラクションも改善することができました。最終スティントでは、一旦、ピットに戻りタイヤを交換しました。しかし、渋滞にはまり、フラストレーションがたまりました。今日は2分05秒を出せたと思うので、とても残念です。今日出せなかったタイムを明日のレース...
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