2018年シーズンの開幕戦となるカタールGPが、3月16日(金)から18日(日)までの3日間、ドーハ郊外にあるロサイル・インターナショナル・サーキットで開催される。カタールGPは、今年で15回目を迎える。2004年に第1回大会が行われ、08年にはグランプリ史上初のナイトレースとして開催し、大きな話題となった。
2011年からは、夜間の作業を軽減するため、通常3日間の開催を4日間に分散する変則スケジュールで行われてきたが、今年はナイトセッションの走行時間を減らし、再び、3日間開催となった。スケジュールの変更で、Moto3クラスはデイタイム、Moto2クラスは日没前後にかけて、MotoGPクラスは金曜日のFP1、土曜日のFP3がデイタイムに行われるが、そのほかはナイトセッションで行われる。新しいスケジュールに合わせ、3月1日(木)から3日(土)までの3日間、ロサイル・インターナショナル・サーキットで毎日、午後1時から午後9時までの8時間で公式テストが行われ、Honda勢は本番に向けて準備を整えてきた。1949年にシーズン6戦でスタートしたロードレース世界選手権(WGP)は、今年で70周年を迎える。今年は15カ国で19戦という史上最多レースのシーズンとなるが、Hondaは3年連続ライダーズタイトル、3年連続コンストラクターズタイトル獲得を目標に戦う。3年連続通算5回目のタイトルを狙うマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、マレーシア、タイ、そしてカタールで行われたテストで順調にマシンを仕上げた。史上最多の19戦という長いシーズンに向けて、多くのデータを収集し、どんな状況にも対処しようと多くの周回数をこなした。その結果、合計3サーキットで行ったロングランでは、ライバルを一歩リードするハイペースで最終確認を終えた。マルク・マルケスは、125ccとMoto2クラスで26勝、MotoGPクラスでは5シーズンを戦い4回のタイトル獲得で35勝を上げ、3クラス通算で61勝(歴代6位)を挙げている。今年の2月に25歳になったマルク・マルケスは、これまで数々の史上最年少記録をブレイクしてきたが、今年も記録を更新することはまちがいない。過去、カタールGPでは、12年にMoto2クラス、MotoGPでは14年に優勝経験はあるが、シーズンを通して苦戦するサーキットの一つ。今年は、よりコントロールしやすいエンジンとなり、その結果、タイムのアベレージが上がった。パフォーマンスを向上させた2018年型RC213Vで、4年ぶりの開幕Vと2年ぶりの表彰台獲得が期待される。チームメートのダニ・ペドロサも、マレーシア、タイと順調にウインターテストを終えた。最後の調整の場となったカタールテストでは、2日目の転倒の影響でトップグループに加わることができなかったが、マシンの仕上がりはよく、開幕ダッシュが期待される。マルク・マルケスと同じく、これまでロサイル・インターナショナル・サーキットは、ダニ・ペドロサにとり、シーズンを通して苦手とするサーキットの一つだった。2012年の2位を最高位に、これまで優勝はない。今年は、14年の3位以来となる開幕戦表彰台と、ロサイル・インターナショナル・サーキットの初制覇に挑む。ダニ・ペドロサは、125ccと250ccでタイトルを獲得して、2006年にRepsol Honda TeamからMotoGPクラスにデビュー、今年で13年目のシーズンを迎える。2018年は、悲願であるタイトル獲りに挑む。ウインターテストで好調だったカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)も、マルク・マルケス、ペドロサ同様、開幕戦Vと表彰台が期待される。15年シーズンにCWM LCR Honda(当時のLCR Honda)に移籍して今年で4年目のシーズン。過去最高の内容でウインターテストを終了しているだけに、今季の活躍に期待が集まっている。カル・クラッチローは、昨年、Hondaのワークスライダーの仲間入りを果たし、Repsol Honda Teamの2人とニューマシンの開発に携わってきた。高いモチベーションで挑む18年シーズン。16年のシーズン2勝を超える活躍に、期待がかかる。マレーシア、タイでのテストでルーキー勢トップの走りを見せた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、カタールテストでは転倒の影響でテストメニューを完全に消化できなかったが、仕上がりはよく、今年の活躍が期待される。日本人ライダーとしては4年ぶりのMotoGPクラスへのフル参戦。大きな注目が集まる中、シーズンのスタートを切る。昨年、シーズン8勝を挙げてMoto2チャンピオンに輝いたフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も、最高峰クラスのデビューシーズンに向け、順調にテストメニューを消化した。最後のテストとなったカタールでは13番手でテストを終え、大きな自信を持って開幕戦に挑む。チームメートで昨年、Moto2クラス総合2位のトーマス・ルティは、昨シーズン後半のケガの影響でテスト開始が遅れ、今年1月のマレーシアからテストをスタートさせたが、確実にマシン攻略を進め、これからの成長に注目される。ルティは05年の125ccチャンピオンで、07年から250cc、10年からはMoto2クラスに参戦、11年で11勝を挙げている。今年は、念願のMotoGPクラス参戦となった。マルク・マルケス (Repsol Honda Team)「ようやく最初のレースが始まります。とても楽しみです。今年は開幕戦のカタールから競争の激しいシーズンになりそうです。最近ここでテストを行いましたが、とても速いライダーが0.2~0.3秒以内に何人かいることが分かっています。おもしろいレースになると思います。日曜日はなにが起きてもおかしくありません。冬のテストでは、いい仕事ができました。シーズン開幕がとても楽しみです。カタールは、ほかの大会と比べてユニークです。そして、簡単なレースではありません。テストではユーズドタイヤでライバルたちのペースになるべく近づけるように集中しました。今のところ、それほど離れていません。長いシーズンになると思います。マシンのセットアップに引き続き取り組み、決勝では、どのような状況でもベストを尽くしたいです」ダニ・ペドロサ (Repsol Honda Team)「多くの仕事をしなければならなかったハードなプレシーズンを終えて、いよいよ最初のカタールのレースを迎えます。今年は表彰台の有力候補者がたくさんいて、とても競争の激しいシーズンになりそうです。ライダーもマニュファクチャラーもとても戦闘的です。そのため、開幕戦からベストなパフォーマンスを見せるためにも、これまで以上に自分たちの仕事に集中しなければなりません。今年のチャ...