MotoGP 第12戦イギリスGPの予選は、午前中は朝方まで降った雨の影響で、Moto3クラスのフリー走行はウエットコンディションとなったが、それ以降はすべてドライコンディションで行われた。MotoGPクラスは、FP3のセッション序盤に雨の影響が残ったが、午後にかけて青空が広がり、絶好のコンディションとなった。
そんな中で初日5番手のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、FP3、FP4と着実にセットアップを進め、青空が広がったQ2では、シルバーストンで初めて2分を切る1分59秒941でポールポジション(PP)を獲得した。これでマルク・マルケスは、4戦連続今季6回目のPPを獲得。シーズン中盤戦に入ってセットアップが進んでいることを感じさせる一日となった。シルバーストンで大きな壁になっていた2分を切ったマルク・マルケスは、順調にセットアップが進んだことから、開幕前の目標は表彰台に立つことだったが、優勝も視野に入れて決勝に挑む。地元ファンの声援の中で2年連続のPPを目指したカル・クラッチロー(LCR Honda)は、PP獲得は果たせずもフロントローを獲得、2年連続の表彰台獲得と今季初優勝に向けて一歩前進した。昨年はウエットコンディションの中、PPを獲得。今年はドライコンディションで3番手になり、フロントローを獲得した。「セクター3でミスをした。完ぺきなアタックができなかった」と悔しがっているだけに、決勝の走りに注目だ。初日17番手と出遅れたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)も順調にセットアップを進め、Q1でトップタイムをマークしてQ2に進出すると、7番手タイムをマークした。しかし、完ぺきな状態にはほど遠く、明日のウォームアップで最後の調整を行い、決勝に挑む。ジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、アタックが決まらず17番手、チームメートのティト・ラバトはフリー走行、予選と全力で挑みましたが22番手。決勝では追い上げのレースに挑む。マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション)「ポールポジションを獲得できてとてもうれしいです。正直、予選の前は2分を切れるとは思いませんでしたが、リアにソフトを装着したらグリップがよくなり、最初のスティントで2分00秒1を出すことができました。そのときにもう少し速く走れるかもしれない、もしかしたら1分59秒台を出せるかもしれないと感じました。シルバーストンはとても長いサーキットなので、完ぺきなラップを刻むことはとても難しいですが、いい周回をこなし、フロントロー獲得という目標を達成できました。とにかく、もっと大事なことは明日のリズムであり、悪くありません。ペースは昨日もよかったのですが、今日と比べるとマシンの感触は劣っていました。明日はウォームアップで細かい部分を詰めていって、レースに向けて正しいリアタイヤを選びたいと思います。いいペースがあるトップライダーが何人かいるので、長く、厳しいレースになると思いますが、すべてうまくいって、感触がよければ表彰台争いができると思うし、優勝もできるかもしれません」カル・クラッチロー(MotoGP 3番手)「昨年は表彰台に上がれたし、今年も表彰台に上がれない理由はないと思っています。マルク、(バレンティーノ)ロッシ(ヤマハ)、そして(マーベリック)ビニャーレス(ヤマハ)と、みんなとても速いので、ホームの観客の前でいいバトルができることを願っています。今日のカギはミスをしないことでした。13コーナーで少しはらんでしまったのは僕のせいですが、大きなミスはそれだけでした。マルクは今日、ミスのないラップをこなし2分を切りました。今日の目標だった2分の壁を越えられなかったことは少し残念ですが、2分を超えられたらポールポジションを獲得できると思っていました。昨年は雨の中でポールポジションを獲得し、そのあと、ドライで表彰台を獲得しました。明日も同じことが繰り返せると思っています。マシンはうまく機能しています。チームもいつものようにすばらしい仕事をしています。明日のレースが楽しみです」ダニ・ペドロサ(MotoGP 7番手)「とても難しいプラクティスセッションでした。そこからポジジョンを取り戻すためにベストを尽くし、最後に状況を少し改善することができました。Q1では100%で取り組み、Q2に進むことができました。そして、Q2でもいいラップタイムを刻むことができました。ソフトタイヤで感触が少しよくなり、これが今日のポジティブな面でした。しかし、プラクティスでは思ったような仕事ができませんでした。FP3は路面が理想的なコンディションではなく、そのためにあまりデータを収集できず、いいラップタイムを出せませんでした。マシンの安定性をさらに上げるためにまだやるべきことがたくさんあります。また、レースのタイヤも選ばなければなりません。明日のウォームアップで自分の位置を確認したいと思いますが、とにかくレースでは最初から一生懸命プッシュしなければならないと思っています」ジャック・ミラー(MotoGP 17番手)「予選では、すべてをうまくまとめることができませんでした。いいスピードがあり、2回目のアタックではもっと上位のグリッドを獲得できたと思うのですが、最初のセクターで失敗し、コース終盤でも少しはらんでしまいました。ラップタイムは安定していましたが、17番グリッドというのは理想的なポジションではありません。今日のタイムを金曜日に出しておけば、Q2に進めたと思います。残念ですが、レースに向けた感触は悪くはありません」ティト・ラバト(MotoGP 22番手)「ベストを尽くしました。それだけに、今日の結果はとても残念です。このマシンでは、誰かが前にいるときは速いタイムを楽に出すことができます。今日は(ジョナス)フォルガー(ヤマハ)についていこうとしたのですが、残念ながらこの計画はうまくいきませんでした。グリッドはよくありませんが、全体的にはいい仕事ができたと思います。レースではもっと力強い走りができるはずで、ポイントを獲得できると思います。ここ数戦はあまりいいレースはできませんでしたが、明日は落ち着いて、100%の力を出したいです」