イタリア中部にあるトスカーナの美しい丘に囲まれたムジェロインターナショナルサーキットで迎えたMotoGP第8戦イタリアGPの2日目は、天候に翻弄されチームスズキエクスターにとって思いがけない苦戦となり、ふたりのライダーは明日の決勝をそれぞれ17番手、21番手グリッドからスタートする。前日の金曜日に続き、気温が上昇し蒸し暑い朝を迎えた土曜日午前のFP3では、アレックス・リンス、ジョアン・ミル共に果敢なアタックを繰り返すが、トップ10圏内にポジションを上げることができず苦戦が続く。
セッション終盤、リンスがタイムを上げ6番手にジャンプアップするが、残り数分で他ライダー達も次々とタイムを上げ、トップ10に留まることなくセッションが終了。リンス、ミル共にQ1チャレンジを強いられることとなった。しかし午後になると次第に暗い雲が空を覆い始め、FP4セッションの残り15分で雨粒が落ち始め、次第にサーキットを濡らしていくが、雨量は少なく路面はウェットパッチがところどころにある状態となり、各ライダーがピットイン。しかしセッション残り時間は短く、リンスがすぐにピットアウトし、その後すぐにミルも続きQ1セッションに備えてウェットコンディションの確認をしてセッションを終える。Q1セッションはミル、リンス共にウェットセットでピットアウトするが、雨は長続きせず路面がどんどん乾いていく中でタイムアタックを続け一旦ピットインする。2度目のピットアウトではドライセットでアタックを試みようとするも再び雨が降り出し、雨が次第に強くなる中でミル、リンス共渾身のアタックでタイムを上げるも、それぞれ7番手、11番手に留まり、Q2進出は叶わず明日の決勝は17番手、21番手グリッドからスタートすることとなった。リビオ・スッポ チームマネージャー「今日は天候に翻弄されてしまった形となってしまいましたが、それは他のライダー、チームにとっても同様なので、それを言い訳にするつもりはありません。願っていたものとは程遠い残念な予選結果ではありましたが、決勝は明日なので気持ちを切り替え、しっかり準備を整えて臨むつもりです。後方グリッドからのスタートはライダー達にとって大きな負担になるとは思いますが、ふたり共全力で戦ってくれるでしょう。」ジョアン・ミル「もし予選で雨が降らなかったとしても、正直なところ今日はさほど良いタイムを出すことはできなかったと思っている。でも中途半端な雨だったから、皆がコンディションに翻弄されたことは間違いないね。ドライコンディションでもマシンのフィーリングが100%の状態ではなかったから、チームと色々試しながら方向性を探っていたんだけど、実は雨が降り出して路面のコンディションが変わったらフィーリングが改善されたんだ。決勝に向けてもっと自信を持って乗れるマシンに仕上げる必要があるから今日のデータを分析して、後は決勝で全てを出し切るだけだよ。」アレックス・リンス「FP3まではフィーリングも良かったし、ダイレクトQ2行きは逃してしまったものの流れは悪くなかったんだ。でもQ1で雨が降り出したためにセッションをうまくマネージメントできず、全力で頑張ったもののタイムを上げることができず、後方に留まる形となってしまった。予選のマネージメントの仕方をもう一度しっかり考えなくてはいけないと思っているよ。明日の決勝に関しては天候すら不明だから予測不能だし、後方グリッドだからと言って必要以上に自分にプレッシャーを掛けることはせず、1つでも上のポジションを獲得できるよう集中して走るよ。」