ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ(以下、ミサノ)で10月22日から24日までの3日間、第16戦エミリア=ロマーニャGPが開催される。今年もコロナ禍の中でシーズンを消化しているが、昨年に続きミサノでは2大会が行われます。昨年は2週連続の開催だったが、今年は第15戦アメリカズGPを挟み、第14戦サンマリノGPと第16戦エミリア=ロマーニャGPが開催される。
ミサノは、カタール(ロサイル・インターナショナル・サーキット)、オーストリア(レッドブル・リンク)に続き、2大会が行われる3番目のサーキット。次戦ポルトガル・アルガルベGP(アルガルベ・インターナショナル・サーキット)が4番目のサーキットとなる。ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリは、2011年のマレーシアGPにおいて、不慮の事故で亡くなったマルコ・シモンチェリ選手に敬意を表し、12年にミサノ・サーキットから現在の名称へと変更された。ミサノは、1993年にイタリアGPが開催されたのを最後に、2006年までグランプリの舞台から外れた。そして、サンマリノGPも93年のムジェロを最後に開催が中断されていたが、07年、全面改修を受けたミサノ・サーキットで、14年ぶりにグランプリの舞台として復活し、今年で15年目を迎える。ミサノは従来左回りのコースだったが、07年の大改修で右回りに変更された。そのときのコース全長は4.180km。08年にはコースの一部が改修され、4.226kmに延長された。前戦アメリカズGPで今季2勝目を達成したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、今大会は2連勝と今季3勝目に挑む。シーズンは残り3戦。昨年ケガをした右腕上腕も着実に回復しており注目が高まっている。9月に行われたサンマリノGPでマルク・マルケスは、予選7番手から4位でフィニッシュした。序盤は、優勝したフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)、ジャック・ミラー(ドゥカティ)、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)に続いて4番手につけました。その後、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)、ジョアン・ミル(スズキ)らとし烈な5位争いを繰り広げる。終盤は、ミラーとミルの2人とし烈な4位争いとなり、最終ラップにミラーとミルを抜いて4位でチェッカーを受けた。これまでマルク・マルケスは、2010年に125cc(現在のMoto3クラス)、11年、12年にはMoto2クラスで、MotoGPクラスでは15年、17年、19年とミサノで6回の優勝を達成している。今大会は、MotoGPクラスで4度目、ミサノで通算7回目の優勝に挑む。チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、前戦アメリカズGPでは予選12番手、決勝10位と思うようなパフォーマンスを発揮できなかった。しかし、9月のサンマリノGPでは予選6番手、決勝は大接戦の中で7位という結果を残している。そして、レース後に行われた2日間の公式テストでは大きな成果を得ているだけに、今大会の走りに注目される。今年は15戦を終えてPP1回、決勝では5位を最高位に総合15位。Repsol Honda Teamではまだ表彰台獲得を果たせていないが、終盤3戦の活躍に期待が膨らむ。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、今季2回目のミサノで念願の初表彰台獲得に挑む。9月のサンマリノGPでは、予選13番手、決勝10位と思うような結果を残せなかったが、その後に行われた2日間の公式テストで大きくセットアップを進めた。そのセットで挑んだ前戦アメリカズGPでは、予選5番手と好調な走りを見せる。決勝は荒れた路面のバンプに乗り上げて転倒したが、ここからの3戦の巻き返しに期待される。中上は、Moto2時代にミサノで3度の表彰台を獲得(13年、15年、16年)していて、得意とするサーキットでベストリザルト獲得に挑む。アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、9月のサンマリノ大会では、リアタイヤのグリップに苦しみ15位とフラストレーションのたまるレースとなった。続くアメリカズGPも12位と苦戦が続いている。MotoGPクラスのルーキーだった昨年は、2度表彰台に立っている。今年は第5戦フランスGPの6位が最高位と実力を出し切れていない。ここからの3戦で本来の走りを取り戻す意気込みだ。マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「いい状況でミサノに戻ることができそうです。毎週、少しずつ着実に前進してきました。今シーズンも残り3戦となりましたが、この数戦の調子をキープし、いつもと同じように取り組めることを願っています。そしていい形でシーズンを終えたいと思っています。前回のミサノは、ミラーとミルと、とてもおもしろいバトルをしました。今大会も再び、いいバトルができることを願っています。どんなレースになるのか楽しみです。前回のミサノから数週間しか経っていませんが、気温も路面コンディションも大きく変わると思います」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「ここからの3戦に集中し、しっかり戦わなくてはいけません。そして力強くシーズンを終えたいと思います。ミサノのテストではいろいろなことにトライできたので、今週の大会は前回よりも強さがあると思います。当然、ほかのライダーたちもミサノではしっかりテストしているので、最初から速いと思います。でも、前回のミサノから数週間が経ち、気温や天気に変化があるので注意が必要です。しっかりコンディションを見極めたいと思います。いつものように金曜日から仕事に取り組み、土曜日にいい仕事をして、日曜日にはいいポジション争いをしたいです」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「今シーズン2回目のミサノです。前回のミサノでは、レース後に2日間のテストを行いました。そのテストで大きな成果を得ることができたので、今大会に向けて自信になりました。引き続き、一生懸命仕事に取り組み、日曜日は、表彰台獲得を目標に全力を尽くします」アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)「アメリカズGPを終えてからの数週間は、MotoGPと自分のHonda RC213Vが恋しい気持ちでした。今週末は再びミサノでレースがあります。シーズンも残り3戦になり、モチベーションはとても高く、集中しています。今回は一歩前進し、もっと強いレースをしなければなりません。いい形でシーズンを終えることは、とても重要なことです。来年に向けていい結果を得ることは、僕とチームにとってとても重要なことです。前回のミサノでは、大会後に2日間のテストを行い、今大会のセットアップに関してはクリアです。レースウイークのスタートが楽しみです。目標もはっきりしています」