昨年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催中止となったアメリカズGPが2年ぶりに開催された。各チームにとっては開幕戦、第2戦のカタール開催以来のオーバーシーズレースとなり、ヨーロッパとは異なる独特な雰囲気の中で開催されたAmericas GPを皆が満喫した。青い空が広がり気温が上昇、さらに熱狂的ファンの応援に囲まれる中、MotoGPの決勝スタート前にはアメリカ国歌が歌われ、サーキットが静寂に包まれる。
セレモニーが終わると再び観客に興奮の渦が巻き起こり、20周の決勝がスタートを切る。アレックス・リンス、ジョアン・ミルは共に好スタートを切り、1コーナーにリンス4番手、ミル6番手で勢いよく飛び込む。共にフロントハード、リアソフトのタイヤコンビネーションを選択したチームスズキエクスターペアは序盤にポジションアップを図るために猛チャージを掛け、リンスはさらに一つポジションを上げて1周目で3番手まで浮上する。リンス、ミルを含む6人のライダーで形成されたトップグループはレース7~8周目まで離れることなく淡々と周回を重ねていくが、さらに周回が進むにつれチームスズキエクスターペアは共にトップからわずかに離れ始める。レース10周目にはリンス6番手、ミル7番手までポジションを落とすが、トップグループは引き続きポジション争いが続き、リンス、ミルも懸命にそれを追う。レース残り4周で前に追いついたリンスは、ジャック・ミラー(ドゥカティ)をかわして5番手に浮上する。リンスに続きミルも6番手に順位を上げるが、その後ミラー、さらに追い上げてきたエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)との激しいバトルとなり7位でチェッカーを受けるが、最終ラップでライディングマナーに対してペナルティーを課せられ、8位にポジションダウンとなった。最終ラップまで5番手を走行していたリンスは、ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)のロングラップペナルティーで最終ラップにマルティンをオーバーテイクし4位でレースを終えた。佐原伸一 プロジェクトリーダー&チームディレクター「まずは今日のレースで最後まで全力を尽くしてくれたアレックスとジョアンにお疲れさまと言いたいです。二人ともスタートを決めて序盤から好位置につけていたので、正直なところ、もっと良い結果を期待していましたが、バトルの中で競り勝てなかったことを真摯に受け止めて、次回以降のレースに活かしていきたいと思っています。次は先日テストをしたミザノでのレースになります。そこでまた強いスズキをお見せできるように頑張ります。」河内 健 テクニカルマネージャー「二人のライダーが揃ってレースを完走できたということについては良かったですが、この結果は我々が望んでいたものとは違っていました。今日は表彰台を賭けて争うことができなかったことが非常に残念で、二人のライダーには申し訳なく思っています。他メーカーもコンスタントに進化を続けてさらに強くなっているので、我々もこれまで以上に努力してさらなる進化遂げ、チャレンジを続けたいと思います。」アレックス・リンス「今日は気温が上昇したせいで肉体的にかなり厳しいレースだった。もちろん自分だけじゃなくて他のライダーも同じ思いだったと思うけど、とにかく長くてきついレースだったよ。リアタイヤのグリップが低かったのかマシンセッティングなのか分からないけど、低速コーナーからの立ち上がりでスピンして、うまくスピードを乗せることができなくてタイムをロスしてしまい、逆に高速コーナーや切り返しではうまくスピードを乗せることができたからそこで取り戻すという感じだった。ほとんどのライダーがリアにソフトを選択していたから自分も同じタイヤを選択したけど、正直どのタイヤを選択するのが正解だったのかは分からないね。この週末はかなり良い感じで進んでいたから表彰台を狙えると思っていたけど、全て出し切って走ったから4位には満足しているよ。」ジョアン・ミル「スタートからゴールまでとにかくひとりでも多くのライダーをオーバーテイクして、一つでも上のポジションでチェッカーを受けることだけ考えて走っていたけど、加速とトラクションに問題を抱えていたためにかなり無理して走らなくてはならなかったんだ。ラストラップでジャック(ミラー)と接触してしまったことは彼に申し訳なかったけど、決して意図的ではなかったし、そのためにペナルティーを課せられてポジションを一つ落としてしまったことは残念だった。自分は常にフェアでクリーンなバトルを心掛けているから、今後はもっと無理なくオーバーテイクができて、トップグループで堂々と争えるようさらに強くならなくてはならないと思っている。今日の結果を受け止め、今後の改善点をよく解析して残り3戦気を引き締めてしっかり戦えるよう準備するよ。」
全文を読む