前日の天気予報に反し、土曜朝のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)は暗い雲に覆われながらも雨は降らず、FP3はトップ10ポジションを狙って朝から再び激しいタイム争いが展開された。前日は荒れた路面のコンディションに翻弄され、マシンセットアップに苦戦を強いられたチームスズキエクスターのアレックス・リンス、ジョアン・ミルは、セッション前半をセットアップおよびマシン確認に費やし、終盤にタイムアタックを開始。リンスは3番手でダイレクトQ2行きに、ミルは13番手でQ1からのチャレンジを強いられる。
FP4ではミルのマシンにトラブルが生じ、ミルは一旦コース脇にマシンを止める。しかしその後ピットに戻ったミルはスペアマシンに乗り換えてピットアウトし、すぐに速いタイムを記録して2番手に。チームメイトのリンスはこのセッションを7番手で終える。ミルはQ1でもセッションスタート直後にトップタイムをマーク。セッション大半でタイムシートのトップから動くことのないままだったが、終盤にひとつポジションを落として2番手タイムでQ2進出を確保した。最終グリッドポジションを決めるQ2ではミル、リンス共に序盤からGSX-RRを快調に走らせる。黄旗提示によりラップタイムがキャンセルされる場面もあったが、リンス7番手、ミル8番手で、明日の決勝は共に3列目スタートとなる。佐原伸一 プロジェクトリーダー&チームディレクター「FP3でアレックスは3番手となりQ2へのダイレクトの進出を決めたので、予選の7番手は悔しい順位ですが、レースを見据えて落ち着いてセットアップができています。一方、昨日から路面のギャップで苦しんだジョアンはQ1から予選を戦うことになりました。予選前のFP4ではエンジントラブルでセットアップの時間をロスしてしまいジョアンには申し訳ないことをしましたが、それで逆に集中力が増したのかFP4で2番手、その勢いでQ1も勝ち抜きQ2に進出できました。ジョアンもアレックス同様3列目スタートですが、レースではいつものようにスタートダッシュを決めて早めに上位グループに加わり表彰台を狙います。」アレックス・リンス「2列目グリッドを逃してしまったのは残念だけど、3列目スタートは特に問題ないと思っている。2019年にここで優勝したレースも予選は7番手だったしね。今週はここまで全て順調に進めることができたから、コンパウンドの違うタイヤをきっちり比較して決勝タイヤを見極めることができたし、良いセットアップも見つかっているから決勝への準備はできている。明日の決勝は肉体的にも精神的にもかなり厳しい勝負になると思うけど、今から楽しみでならないよ。」ジョアン・ミル「パフォーマンスの面では昨日から今日にかけて大きく進歩することができてかなり満足しているよ。相変わらず予選のタイムアタックではまだ苦戦しているけど、全体的に見ればペースも安定しているし、昨日に比べてフィーリングがかなり良くなったしね。昨日は安定感がなくてペース作りがうまくできなかったけど、マシンのフィーリングが良くなったお陰でかなり自信が戻ってきた。今日はダイレクトでQ2に行くことができなかったけど、Q1では無理せずにタイムを出すことができてスムーズにQ2に進めたしね。FP4ではマシントラブルがあって一度マシンを止めることになってしまったけど、その後の結果には何も影響していないし、全体的に良い流れで進めることができていると思う。」