2021年 MotoGP 第15戦アメリカズGPが、10月1日(金)~3(日)の3日間、米国テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催される。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会がキャンセルされたが、今年は2年ぶりの開催となる。アメリカズGPは2013年に初めて開催され、今年で7回目となる。15年までは複数の大会がアメリカで行われていましたが、16年からはアメリカで唯一の開催地となっている。
初開催となった13年には、MotoGPクラスにデビューしたばかりのマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が次々に新記録を樹立し、多くのレースファンの記憶に残る大会となった。予選では、MotoGPクラスへのデビュー2戦目にして、初のポールポジションを獲得。1982年のスペインGP(ハラマ)でフレディ・スペンサーが樹立した20歳と153日という最年少記録を20歳と62日でブレイク。翌日の決勝では同じく1982年のベルギーGPでスペンサーが樹立した20歳と196日という初優勝記録を20歳と63日でブレイク。最高峰クラス最年少優勝記録を、実に31年ぶりに塗り替えた。(その後、史上最年少PP記録は19年のスペインGPでファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)によって更新)。さらに、13年にはシーズン6勝を挙げてタイトルを獲得する。これもまた、スペンサーが83年に21歳と258日で達成した史上最年少でのタイトル獲得を20歳と266日で達成し、30年ぶりに記録を塗り替えた。以来、マルケスにとってCOTAは最も相性のいいサーキットの一つで、初開催の13年から7年連続でPP獲得を達成し、18年まで6年連続でポール・トゥ・ウイン。19年の決勝では転倒リタイアに終わったが、今年はCOTAで3年ぶり、7回目の優勝が期待される。マルク・マルケスはドイツGPでは7大会連続(新型コロナ感染拡大のため20年は大会が中止)でポール・トゥ・ウインを達成しており、過去、同一大会での連覇は、ジャコモ・アゴスチーニ(MVアグスタ)が1965年から73年まで9連覇を達成したフィンランドGPが最多記録となっている。アゴスチーニは66年から73年までベルギーGPの8連覇も達成。マルケスのドイツGP7連覇はそれに次ぐ記録で、アメリカズGPの6連覇は史上4番目の記録となっている。1周5.513kmのCOTAは、アップダウンに富んだハイスピード&テクニカルコース。ハードなブレーキングからの加速、そして連続する中高速コーナーでのハンドリングなど、マシンの総合力とライダーのスキルが求められる難易度の高いサーキットだが、マルケスはこれまで、RC213Vのパフォーマンスを存分に引き出してきた。昨年はMotoGPクラスのシーズン開幕となった7月の第2戦スペインGPで右上腕を骨折し、その後、シーズンを欠場した。今年の4月、第3戦ポルトガルGPで9か月ぶりに復帰を果たし、今大会でケガから復帰して13戦目を迎えるが、第8戦ドイツGPでは復帰後初優勝を達成、第13戦アラゴンGPでは2位、第14戦サンマリノGPで4位と着実に右腕が回復していることを感じさせている。COTAは左周りのサーキットで、マルケスにとっては右腕の負担が少なく、今季2勝目と3回目の表彰台獲得が期待される。マルク・マルケスは、これまでアメリカで開催された大会(ラグナセカ、インディアナポリス、COTA)では、11年、12年にMoto2クラスで2年連続、MotoGPクラスでは13年以降、11回の大会で10勝という驚異的な成績を残している。前戦サンマリノGP終了後には、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで2日間のテストに挑み、セッティングやマシン開発に取り組み、ここからのシーズン終盤の4戦に向けて準備を整えた。ポル・エスパルガロも、サンマリノGPのテストで終盤4戦に向けてじっくりとテストをこなした。このテストでは総合3番手タイムを記録し、上り調子で今大会に挑む。第12戦イギリスGPの予選ではHondaに移籍してから初めてポールポジションを獲得。今大会は、Hondaチーム移籍後の初表彰台、初優勝が期待されるポル・エスパルガロも、インディアナポリスで開催された大会では、125ccクラスで3回、Moto2クラスで2回の表彰台を獲得している。アメリカズGPでは、MotoGPクラスにデビューした14年の6位が最高位だが、今大会の走りに注目される。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)も、2年ぶりのアメリカズGPに闘志をかきたてている。前戦サンマリノGP後に行われた2日間のテストでは総合5番手タイムを記録した。19年の大会では10位。Moto2時代の17年にはCOTAで3位表彰台に立っている。シーズン中盤戦に入ってやや苦戦が続いているが、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリのテストでいいセッティングを見つけており、今大会からの巻き返しに期待だ。チームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、MotoGPマシンで初めてCOTAを走る。過去2戦、アラゴンGPではリタイア、サンマリノGPでは15位と厳しいレースが続いているが、このサーキットではMoto2時代の18年に2位表彰台に立っている。ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われた2日間のテストの成果を今大会で発揮する意気込みだ。マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「アラゴンとミサノでいいレースができたあとなので、オースティンが楽しみです。オースティンのレイアウトは好きですし、過去にたくさんいい結果を残してきました。しかし今年は状況が少し違います。いつものようにレースウイークを通していい状態を築き上げていきたいです。日曜日にどのグリッドに並べるかを楽しみにしたいと思います。このラウンドはいつもとても楽しみにしています。どのような週末になっても、ここに戻ってくることができてとてもうれしいです」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでいいテストを終えて、オースティンへ向かうのがとても楽しみです。走っていて楽しいサーキットですし、ヨーロッパ以外のサーキットでMotoGPファンに会えるのはすばらしいことです。ミサノのテストではいくつかの発見がありました。オースティンはさまざまな要素があるレイアウトなので、それらを試すのが楽しみです。過去に何度かトップ10に入ったことがあるサーキットなので、それをベースにさらにいい状態を築き上げられることを願っています」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「2年ぶりのアメリカGPなのでとてもワクワクして、とても楽しみにしています。今週はいい週末になることを願っています。ミサノの2日間のテストでは、とてもいいテストができました。マシンのフィーリングはとてもよくなりました。レースへ向けて準備...