2021年 MotoGP 第5戦のフランスGPが5月16日にブガッティ・サーキットで開催された。ドゥカティ・レノボ・チームのジャック・ミラーは、2週間前にスペインのヘレス・サーキットで開催された第4戦に続き、センセーショナルな勝利を収めた。オーストラリア人ライダーのミラーは、不安定な天候によりマシンの交換が許される“フラッグ・トゥ・フラッグ”ルールが適用された難しいレースを見事に制した。
決勝レースは、ドライ・コンディションでスタートしたが、すぐに天候が悪化、わずか数勝で雨が降り始める展開となった。グラベルにコースアウトして4番手を走行していたミラーは、5周目にピットに戻ってマシンを交換、3番手でレースに復帰した。しかし、ミラーは、ピットレーンの制限速度(60km/h)超過により、ダブル・ロングラップ・ペナルティが科されてしまう。それでもミラーは3番手を維持し、12周目にマルク・マルケス(ホンダ)がクラッシュした後、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)をオーバーテイクしてトップに立つと、そのまま後続マシンを引き離して今シーズン2勝目を飾った。ドゥカティ・デスモセディチGPを駆ってプラマック・レーシングチームから参戦しているフランス人ライダーのヨハン・ザルコは、ホームレースを2位でフィニッシュした。フランチェスコ・バニャイアも素晴らしいパフォーマンスを見せ、ポジションを大きく挽回して4位でフィニッシュラインを通過した。16番グリッドからスタートしたイタリア人ライダーのバニャイアは、オープニングラップで19番手に後退したが、マシンを交換後は11番手に復帰。その後、ミラーと同様にダブル・ロングラップ・ペナルティを科されてしまうが、“ペッコ”バニャイアは集中力を切らすことなく、安定したペースで走行。数多くのライバルをオーバーテイクして4位でフィニッシュした。第5戦終了時点で、ドゥカティおよびドゥカティ・レノボ・チームは、コンストラクターズおよびチーム・ランキングの両方でトップに立っている。ライダーズ・ランキングでは、バニャイアはクアルタラロとわずか1ポイント差で2位、ミラーは4位に順位を上げている。ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム #43) 1位「2連勝することができて、まるで夢のようだ。今回のレースでは、ダブル・ロングラップ・ペナルティを科された上に、レース終盤にはコースアウトしてしまい、非常に厳しいレースだった。それでも優勝することができて、最高に嬉しい!レースは本当に長く、精神的にも厳しかった。集中力を維持するために、落ち着つくように自分に言い聞かせて走り続けた。タイヤ・マネージメントもうまくいって、最後までタイヤを温存することができた。レース終盤は、ヨハンに背後まで迫られたが、なんとかアドバンテージを維持することができた。本当に素晴らしい勝利だった!」フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム #63) 4位「スタートが悪く、1周目にミスを犯し、ターン6ではらんでしまった。その後、“フラッグ・トゥ・フラッグ”ルールが適用された。僕にとっては初めてのことだった!簡単なことではなかったが、ある意味、それを楽しむことができた。レース序盤は、マシンのフィーリングをなかなか掴むことができなかったが、ウェットになってからは、リズムを取り戻すことができた。今回と同様に雨が降った昨年のフランスGPでは、まったく速く走ることができなったことを考えると、この難しいコンディションの中で、4位でフィニッシュできたことは、素晴らしい結果だと思う。チャンピオンシップでも、クアルタラロとわずか1ポイント差で2位にランキングされているので嬉しい」ルイジ・ダッリーニャ(ドゥカティ・コルセ・ゼネラルマネージャー)「今日も最高の1日となった!2人とも本当に素晴らしいライダーだ!ジャックとペッコは、信じられないようなレースをしてくれた。あと少しで、1-2-3フィニッシュを達成することができた。“フラッグ・トゥ・フラッグ”が出たときは、ピットレーンの速度制限に注意する必要がある。ザルコもまた、素晴らしい表彰台を獲得してくれた。彼を祝福したい」2021 MotoGP第6戦は、ボローニャを拠点とするドゥカティ・レノボ・チームにとって最初のホームレースとなる、イタリアのムジェロ・サーキットで、5月28日~30日に開催される。
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