ドゥカティ・レノボ・チームのフランチェスコ・バニャイアは、2023年MotoGP最終戦バレンシアGPの決勝レースで1列目2番グリッドからホールショットを決め、1ラップ目からトップを疾走。タイトル争いのライバル、ホルヘ・マルティンが6ラップ目に転倒したことから、リスクを回避してKTM勢にポジションを譲ったが、19ラップ目に再び1番手に浮上すると、第15戦インドネシアGPに続き今季7勝目を挙げ、2年連続のタイトル獲得に成功した。
「信じられない。僕の人生の中で最高レベルと言えるほどに幸せだ」とバニャイアはコメント。「レースに勝ったことも、とても嬉しい。レースに勝って、タイトルを獲得することが僕の夢だった。ラスト5ラップのところで、バイクの上で寒さを感じ始め、フロントタイヤが冷えてしまうのではないかと、怖かった。大きなプレッシャーがかかっていたから、簡単な1日ではなかった。」「難しかったけど、昨年の方が大きなプレッシャーを感じながら、バレンシアに到着したのは事実。今週末は集中していた。昨日はリアのタイヤチョイスが悪かったけど、今日はタイヤの消耗を理解していたから(昨日と同じ)ミディアムを選択した。カタルーニャの転倒がシーズンにブレーキをかけてしまい、その後はスピードを見つけることに多くの問題を抱えていた。後半戦はスプリントで速く走れなかったから、来年は改善しなければいけない。どんな状況でも常に僕を理解してくれるチーム、周囲、恋人を誇りに思う。」「昨年はファビオ・クアルタラロが好発進を決めたけど、僕が勝ち始めると、彼は困難に直面し、バイクが僕との対決を許さなかった。今年はホルヘ・マルティン。カタルーニャ以降、勝って行く中で大きな自信を掴み、ポイントを挽回し始めた。(勢いを)止めることが非常に難しかったから、今年の方が難しかった。」「昨日、なぜリアにミディアムタイヤを選んだのか何度も聞かれた。僕もその理由が分からなかったけど、今日のレースを考えると、そのことがレース後半に役立ったと思う。グリッド上では、基本的に、トップ5に入るのに十分なペースあるから落ち着くように言ってくれた。」「競争力が高まり、意識が高まったから昨年のより優れていると思う。ポイント差が少なかったにも関わらず、プレッシャーに上手く対処することができた。その意味では、大きな一歩を踏んだ。毎年継続的な改善プロセスがあり、この流れを続けなければいけない。ミスから学び続けると思うから。」「カタルーニャの転倒は厳しかった。非常に厳しかった。転倒自体が厳しく、ブラッド・ビンダーが僕の上を通過したのは非常に危険だったけど、エネア・バスティアニーニが1コーナーで多くのライダーたちを道連れにしてくれたことは幸運だった。1週間後にミサノでグランプリが開催されたことも幸運だった。あそこで、2つの表彰台を獲得したことで、チャンピオンシップだけに集中することができた。」「素晴らしいことだ。今シーズン何度もそのことを考えた。MotoGPで連覇を達成したのは、バレンティーノ・ロッシとマルク・マルケスだけ。彼らも苦しみながら守った。ゼッケンナンバー1で総合2位になってとしても、あまり嬉しくなかったと思う。この番号を背負うのであれば、自分がナンバー1であることを証明しなければいけない。それほど競争力がなかったとしても、日曜日のレースでは僕たちが圧倒した。とても誇りに思えるシーズンだった。」