2026年F1モナコGP予選は、今季屈指の接戦となった。最後まで複数のドライバーがポールポジション争いを繰り広げるなか、メルセデスのキミ・アントネッリが1分12秒051を記録し、今季4回目のポールポジションを獲得した。2番手にはマックス・フェルスタッペンが1分12秒094で続き、その差はわずか0.043秒。3番手にはルイス・ハミルトンが入り、決勝は上位勢による激しい戦略戦が期待される。
モナコらしい予選勝負を制したアントネッリモナコでは追い抜きが極めて難しいことから、予選結果がレース結果を大きく左右する。今回もその特徴が色濃く表れたセッションとなった。予選は晴天のもとで行われ、気温は約23度。全車がピレリのC5ソフトタイヤを使用した。Q1では同じセットで複数回のアタックラップを刻むドライバーも見られたが、Q3では上位勢がアウトラップに続いて準備ラップを挟み、最後の1周にすべてを賭ける展開となった。そのなかでアントネッリが完璧なラップをまとめ、フェルスタッペンを僅差で抑えてポールポジションを手にした。アントネッリには、フリースタイルスキー界のスターであるアイリーン・グーからポールポジション賞が授与された。22歳のグーは、フリースタイルスキーの3種目すべてで国際大会のメダルを獲得した唯一の選手であり、2022年北京オリンピックから2026年ミラノ・コルティナオリンピックまでの間に金メダル3個、銀メダル3個を獲得している。フリー走行でもメルセデスが速さを見せる予選に先立って行われたFP3でも全車がソフトタイヤのみを使用した。路面温度は48度まで上昇したが、オリバー・ベアマンのクラッシュによる赤旗中断を除けば、各チームは十分な周回数を消化しながら予選に向けた準備を進めた。このセッションでもアントネッリが1分12秒720でトップタイムを記録しており、土曜日を通してメルセデスが高い競争力を示していたことが分かる。決勝は1ストップが有力かピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキは、モナコでは予選順位が極めて重要になると強調した。「モナコでは予選で確保したポジションが日曜日の結果を左右することが多い。オーバーテイクが非常に難しいからだ」「今日最速タイムを記録したドライバーたちは、チームがどのような戦略を選んだとしても、すでにアドバンテージを持っている」モナコ市街地コースではタイヤ摩耗が小さいため、2種類のコンパウンド使用義務を満たしながらも、1回のピットストップでレースを完走できる見込みだ。ソフト→ミディアム戦略が有力候補マラフスキによると、ハードタイヤを最終スティントに使用する戦略も有効だという。■ ソフト→ハード:29~35周目でピット■ ミディアム→ハード:33~39周目でピット一方で、ピレリはよりグリップの高いソフトとミディアムを組み合わせる戦略にも注目している。「ソフトタイヤの初期グリップを活用し、その後31~37周目にミディアムへ交換するプランも十分に競争力がある」今季のモントリオールと今回のモナコ予選でC5タイヤの使用データが豊富に集まったことから、各チームはソフトタイヤをレース戦略に組み込みやすくなっているという。セーフティカーが戦略を大きく変える可能性もっとも、モナコでは理論上の戦略がそのまま機能するとは限らない。赤旗やセーフティカー、バーチャルセーフティカーが発生すれば、各チームは即座に戦略変更を迫られる。マラフスキも「ピットウインドウは赤旗やニュートラライゼーションによって大きく左右される」と説明し、2024年に発生したオープニングラップのアクシデントによって、多くのドライバーが序盤に唯一のピットストップを済ませたケースを例に挙げた。予選で最高の結果を手にしたアントネッリだが、モナコGP決勝ではタイヤ戦略とレース中のアクシデント対応が勝敗を左右することになりそうだ。