今週末のF1モナコGPでは、廃止されたはずの“グリッドガール”が復活する。今年、F1は露出度の高い衣装を着た女性は“現代の社会規範にそぐわない”として、何十年にもわたって伝統的にF1グリッドに華を添えてきた“グリッドガール”を廃止すること決定。
これは主にフェミニスト団体からの苦情、社会問題となっている“女性蔑視”“セクハラ”対策への措置ではあるものの、これまでグリッドガールを務めてきた女性たちの“仕事を奪う”ことになる決定にモータースポーツ界だけでなく、スポーツ界全体を含めた世界的な論争へと広がった。代わりにF1は2018年のF1世界選手権からグリッドガールに代わってボードを持つ“グリッドキッズ”を起用しているが、さほど話題にはなっていない。今週末のモナコGPでもグリッドキッズは登場することになっており、ザウバーから参戦するモナコ出身ドライバーのシャルル・ルクレールの従兄弟が含まれていることになっている。だが、日曜日のレースでは、グリッドキッズ以外に長年F1モナコGPのパートナーを務めているタグ・ホイヤーの代表として男女がスタート前のグリッドに登場するという。PA Sportによると、彼らはF1ドライバーの写真を撮ってソーシャルメディアに投稿する役割を担うという。だが、昨年までのようにドライバーのナンバーを示すプラカードを持つことはしない。F1モナコGPの木曜記者会見では、ルイス・ハミルトンとセバスチャン・ベッテルにグリッドガールについての質問がなされた。 ルイス・ハミルトンは「女性は世界で最も美しい存在だ・・・今まで男性が前に立ったこともあるし、過去には両方混ざっていたレースもあった。モナコは非常にエレガントなグランプリだと思う」とコメント。「女性たちがそれについてどう思っているのかは僕にわからない。この状況について、彼女たちの気持ちをきちんと聞いたことはないからね。だから、コメントはできない。僕は特に何とも思っていない。グリッドに着いたら美しい女性たちがグリッド上にいる。それがモナコGPであり、素晴らしいことだと思う」「でも、女性たちを不快にさせてしまうのであれば、プッシュもサポートもするべきじゃないと思うし、もし彼女たちがそう感じているのならやるべきではない。でも、彼女たちがそれを喜んでいるのであれば、僕には他に言えるような答えはない」 セバスチャン・ベッテルは、2015年のF1モナコGPで男性モデルが“グリッドボーイ”が起用された際に「ジョージだか、デイブだかの後ろに停めろって? 何の意味があるの?」と不満を述べていた。しかし、セバスチャン・ベッテルは、F1がグリッドガール禁止が決定して以降、この問題はあまりにも注目されすぎたと考えている。 「騒がれすぎだと思う。不必要にね」とセバスチャン・ベッテルはコメント。「僕は過去にグリッドガールたちが強制されてやっていたとは思っていない。彼女たちは仕事を楽しんでいたはずだ。僕もルイスに同意する。僕は女性が好きだし、彼女たちはきれいだと思う」「それが男だと、単に興味なかっただけだ・・・彼らに何か不満があるわけではない、それほど興味が持てなかっただけのことだ」「でも、基本的にこの問題についてはちょっと騒ぎすぎだと思う。過去にグリッドガールとして参加した女性は自分がやりたくてやっていたんだと思うかし、日曜日にどのグリッドガールでもいいから、今ハッピーかって尋ねたら、イエスと答えるに違いない」「そうしろって彼女たちに強制する人なんて誰もいない。このようなことはいかにも時代を象徴している気がする。何でもないことを騒ぎ立てている」 関連:2018年 F1モナコGP テレビ放送時間&タイムスケジュール