ミック・シューマッハは、2020年のFIA-F2選手権のチャンピオンとして来年ハースF1チームでF1デビューを果たす。F2の歴史のなかでミック・シューマッハほどのプレッシャーを受けてきたドライバーはおそらくいないだろう。7回のF1ワールドチャンピオンであるミハエル・シューマッハを父に持つ21歳のミック・シューマッハは、当然ながら父親と比較され、そして、F1デビューを期待されてきた。
それでも、ミック・シューマッハは、いつも笑顔で、落ち着いて、リラックスしていた。しかし、さすがにF2のタイトルを獲得した瞬間は興奮を隠さなかった。「自分の力で何かを成し遂げたかったし、自分がここにいる理由を自分自身にも証明したかった」とミック・シューマッハは語った。ミック・シューマッハのシーズンは決して良いものではなかった。最初の2ラウンドを終えた時点でわずか2ポイントしか獲得していなかった。だが、そこから驚異的な挽回を見せ、10回の表彰台を含む2勝を挙げ、カラム・アイロットに14ポイント差をつけて王座を獲得した。「シーズンのスタートは僕たちが計画したものではなかった」とミック・シューマッハは認める。「僕たちはすべてをまとめることができなかったし、それは主に僕サイドのものだった。チームは一年中素晴らしかったと思う。でも、徐々に表彰台が上がり始めたし、その2つの勝利もそうだけど・・・ごめん、話すのが苦手で!」「チームと築き上げてきた関係が本当に重要だったと思う。F2チームで2年間、プレマチーム全体としては5年間知っている。それが絆を生み出し、信頼を生み出した。チャンピオンシップにとってそれは非常に重要だったと思う」「厳しい時期でも、プッシュし続け、自分自身の仕事を続け、前進するために努力し続けて、僕たちはお互いに結束し、モチベーションを高めてきた。それが私たちのやってきたことだ」一貫性はミック・シューマッハの武器だった。タイトル獲得にむけて、彼は第4戦ロシア以降、最終戦まですべてのレースで入賞を果たしてきた。だが、最終戦は望んでいたレースとはならなかった。スタートで2番手に順位を上げたミック・シューマッハだったが、ターン4でロックさせてタイヤにフラットスポットを作ってしまう。それによって想定外のピットストップが必要となり、20番手でコースに復帰。ファステストラップを記録したものの、18位でレースを終えた。それでもライバルのカラム・アイロットが10位で終えたことで首位の座を守った。「目標は最後のレースに勝つことだったので、パフォーマンスには少しがっかりした」とミック・シューマッハは認める。「グリップを過大評価していた。もっとグリップが思っていて、ロックさせてしまった。その後、カルムの前にとどまり、できるだけ彼らを遅くして、後ろにいる全員を密集させようとした。でも、その後もロックし続けていたし、結局はピットに入ることが最も安全で最良の決断だった」「それでも、僕たちは一年を通して、1レースくらい悪いレースがあっても大丈夫な仕事をしてきた。今日は決して簡単ではなかった。とても風が強く、突風があり、砂っぽかった。でも、重要なのは、僕たちが今ここにいるということだ」4人目のF2チャンピオンとなったミック・シューマッハは、履歴書にタイトルを刻んでF1へと昇格を果たす。先週、ハースF1はミック・シューマッハと複数年契約を結び、2021年のドライバーとして起用することを発表している。「チャンピオンシップタイトルと書いた履歴書をF1に持ち込めるのは素晴らしいことだ」とミック・シューマッハは続けました。「ヨーロッパF3で1つ獲得いているし、今ではF2にも1つある。競争的なトップチャンピオンシップの1つだ」「F3でダニエル・ティクトゥム、そして、今、フェラーリ・ドライバー・アカデミーからよく知っているF2のカラム・アイロットという素晴らしい競争相手に勝つことは大きな挑戦だった。競争が激化すればするほど、ドライバーとして成長する。F1でもすべてを成し遂げたいと思っている」