メルセデスは2026年F1シーズン開幕から圧倒的な強さを見せ、オーストラリアGPと中国GPで2戦連続のワンツーフィニッシュを達成した。ジョージ・ラッセルが開幕戦メルボルンで優勝し、中国ではアンドレア・キミ・アントネッリがF1初勝利を挙げるなど、完璧に近いスタートを切っている。こうした状況の中で、チーム代表のトト・ヴォルフは、今後はトラック外での「政治的な戦い」が激化する可能性に言及し、ライバル勢からの圧力に警戒感を示した。
「現時点では勝てるマシンがある」とトト・ヴォルフは語った。「だが、これから数週間、数か月のうちにどんな“政治的な刃”が出てくるか見ていこう」メルセデスを取り巻く主な政治的争点ヴォルフは具体的な内容には踏み込まなかったが、現在のF1パドックではいくつかの重要な議論が進行している。そのひとつが、2026年の新レギュレーションに関する見直しだ。エネルギーのデプロイメントや回生に関する調整が議論されているが、短期的な大幅変更は予定されていない。さらに、6月1日から導入予定の圧縮比規制の強化も焦点となっている。これはパワーユニットを高温・低温の両条件でテストするもので、ライバル勢はメルセデスがレギュレーションの解釈を利用して優位性を得ていると主張している。ただし、メルセデスはその見方を否定している。また、新たなADUO(追加開発機会)も勢力図に影響を与える可能性がある。最初の評価はシーズン第6戦後に予定されており、他チームが巻き返す契機となる可能性がある。スタート手順を巡る対立も激化もうひとつの論点はレーススタートの手順だ。2026年のパワーユニット変更によりスタートが複雑化し、安全面の懸念からF1は5秒間の「プレスタート」手順を導入した。しかし依然としてさらなる調整を求める声があり、議論は続いている。この問題を巡ってはフェラーリが独自の解決策を開発し、実際にスタートで優位性を発揮している。シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンはともに2列目からロケットスタートを決め、レース序盤で主導権を握った。これに対し、ランキング首位のジョージ・ラッセルはフェラーリの姿勢を「利己的だ」と批判。一方でフェラーリ側は、すでに妥協を強いられているとの立場を取っている。圧倒的なパフォーマンスでシーズンをリードするメルセデスだが、その優位性は技術だけでなく、今後の政治的駆け引きによっても左右される局面に入ろうとしている。
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