メルセデスF1は、2026年シーズンを戦う新車「W17」をデジタルローンチで正式発表した。すでに今季の両タイトル最有力候補と目されるこのマシンは、1月22日にレンダリング画像で初公開され、同日にシルバーストンでシェイクダウンを実施。その後、バルセロナで3日間の走行を行い、ジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリが走行距離ランキングの首位に立った。
今回の発表では、マシンの技術的な詳細に加え、チーム上層部およびドライバー陣のコメントが公開され、2026年F1レギュレーションに向けたメルセデスF1の全体像が示された。トト・ヴォルフ「2026年は決定的な瞬間」2026年F1シーズンは、パワーユニット、シャシー、空力を含む車両全体が同時に刷新される大きな転換点となる。その新時代を前に、チームを率いるトップは明確な覚悟を示した。「2026年は、我々のチームにとって、そしてこのスポーツにとって決定的な瞬間だ。来たるシーズンは、我々がこれまで直面してきた中でも最も要求の厳しい技術レギュレーションのいくつかによって形作られる。これらのルールは、組織のあらゆる側面を試す一方で、革新し、新たなパフォーマンス基準を打ち立てる大きな機会も生み出す。我々は明確な野心、集中した実行力、そして結果を出すことへの一切の妥協なき姿勢で、この次なる時代に臨む」と、メルセデスF1のチーム代表兼CEOを務めるトト・ヴォルフは語った。W17の中核 新世代ハイブリッド・パワーユニットW17の中心には、2026年F1レギュレーションに対応するために新設計されたハイブリッド・パワーユニットが据えられている。このパワーユニットは、冷却アーキテクチャおよび空力設計と緊密に統合され、高回生ブレーキングゾーンから長時間の全開走行に至るまで、ラップのあらゆる局面で熱的安定性とエネルギー効率を確保することを狙っている。ブラックリーとブリックスワースによる一体開発アプローチは、次世代F1に向けたプロジェクト全体を貫く中核テーマとなっている。「進化ではなく革命」パワートレイン開発の最前線2026年レギュレーションでは、パワーユニットの基本構成そのものが刷新され、サステナブル燃料の全面導入と電動化比率の拡大が同時に求められる。メルセデスにとっても、これまでにない規模の挑戦となっている。「2026年F1シーズンは、スポーツ全体にとって、そして特にパワートレイン開発の最前線に立つ我々にとって、まったく新しい章を意味する。新しいパワーユニットのアーキテクチャ、サステナブル燃料、より大きなハイブリッド比重、そして完全に新しい車両――これらすべてが同時に収束している。これは単なる進化ではない。革命だ」と、メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズのマネージングディレクターを務めるハイウェル・トーマスは述べた。「この時代を特徴づけるのは、我々が学ばなければならないスピードだ。高度なサステナブル燃料、電動化の拡大、新たに定義されたエネルギー展開戦略の統合は、より速いフィードバックループを要求する。長いテストサイクルに頼って解決策を磨き上げることはできない。我々は、より短いインターバルで、設計し、シミュレーションし、検証し、改良していかなければならない。効率性は単なる流行語ではない。ダイノにおいても、サーキットにおいても、ミッションクリティカルな要素だ。」燃料と潤滑を一体で捉えるペトロナスの思想2026年から導入される先進サステナブル燃料は、エンジン性能だけでなく、エネルギー効率と持続可能性の両立が求められる。燃料開発は、マシン全体のパフォーマンスを左右する重要な要素となる。「燃料はF1のパフォーマンスにとって根本的な存在だ。なぜなら、サーキット上のすべてのラップ、すべての加速を支えているからだ。ペトロナスにとって、2026年レギュレーションは、性能、効率、サステナビリティを同時に設計する必要性を、これまで以上に明確にした。我々の特注の先進サステナブル燃料は、長年にわたる処方開発と継続的なエンジンテストの成果であり、レースという極限の要求に応えるために生み出されたものだ」と、ペトロナスのDownstream部門CEOを務めるダトゥク・サザリは語った。「我々のアプローチを特徴づけているのは、燃料、潤滑油、フルードをひとつの完全なパフォーマンスシステムとして設計している点だ。ペトロナス・プライマックス燃料、ペトロナス・シンティウム・エンジンオイル、ペトロナス・トゥテラ油圧フルードに至るまで、すべてがマシンの潜在能力を最大限に引き出すために設計されている。これは、モータースポーツにおける我々の長年の役割と、F1で得られた知見を次世代の燃料・フルード技術に活かすという強いコミットメントを反映している。」全面刷新されたシャシーとアクティブエアロW17は新シャシーレギュレーションを前提に設計されており、ホイールベースは200mm短縮、全幅は100mm削減、最低重量は約30kg軽量化されている。可動式フロントおよびリアウイングによるアクティブエアロダイナミクスが、ストレートでの空気抵抗低減とコーナーでのダウンフォース最適化を両立する。フロントおよびリアタイヤはナロー化され、空力哲学の刷新や改訂されたサスペンション・キネマティクスと組み合わされている。また、DRSは廃止され、代わりにブーストおよびオーバーテイクモードによるエネルギー展開が導入され、レース中の攻防を生み出す仕組みとなっている。ジェームス・アリソン「全面的な変革の時代」新レギュレーションでは、パワーユニットだけでなく、シャシー、空力、タイヤを含む車両全体が同時に刷新され、設計思想そのものが問われることになる。「2026年シーズンは、このスポーツの歴史において重要な瞬間を意味する。エンジニアリングを生業とする我々にとって、それは刺激的であると同時に、同じくらい大きな不安を伴うものでもある。これは単なる規則の微調整ではない。パワーユニット、シャシー、空力、タイヤ――ほぼすべての要素が同時に変わる、全面的な変革だ」と、メルセデスF1のテクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは語った。「我々は設計段階で最善の判断を下したと考えているし、マシンが走り出した今も、容赦なく革新を続けていく。個人的には、こうした瞬間が好きだ。大規模なレギュレーション変更はF1の進歩そのものだ。あらゆる前提を疑い、チームワークと創意工夫を報いる。大きなストレスを伴うが、それ以上に大きな機会をもたらす。こ...