メルセデスF1のチーム代表であるトト・ヴォルフは、ルイス・ハミルトンの後任となる可能性のあったあるランド・ノリスとシャルル・ルクレールの新契約はチームを「痛めつけている」が、チームは新たなドライバーとの契約で「大胆」になるかもしれないと語った。木曜日にハミルトンが2025年からフェラーリに移籍するという衝撃的なニュースが飛び込んできた。それはフェラーリがルクレールと再契約し、マクラーレンがノリスと“複数年”の契約を結んだわずか1週間後に発表された。
ハミルトンの移籍は、F1ドライバー契約には退団条項が含まれている可能性があることを強調するものだが、メルセデスF1のチーム代表であるヴォルフは、いつかハミルトンの後継者となる有力候補と目されていたルクレールとノリスを狙うという見通しに冷や水を浴びせたようだ。ハミルトンの移籍発覚後、初めてメディアを前にしたヴォルフは、最近のドライバー市場の動向がメルセデスを「痛めつけている」ことを認めた。また、ヴォルフは、ジョージ・ラッセルの資質を称賛し、「我々には非常に強固な基盤があり、クルマには速くて才能があり、インテリジェントな男(ラッセル)が乗っている。セカンドドライバー、セカンドシートにふさわしい人選をするだけだ」と語った。「急いでやるべきことではない。数週間前、我々が検討していたでろう契約がいくつか締結された。そうなったら興味深かっただろうが、このタイミングでは少し残念だった」「2日前にルイスがフェラーリに行くと言われたら、あり得ないと思った。だから、状況や物事はすぐに変わるものなんだ」「契約というのは、ドライバーやチームがレースを望んでいる限りは有効なものだ。そして、ドライバー市場で何が起きているかは誰にもわからない。それは予期せぬことであり、我々にとってチャンスとなる可能性がある」ヴォルフは、ハミルトン退団発表のタイミングはメルセデスに「何をしたいかを決める長い時間」を与えるものであり、メルセデスはこの状況を利用して「大胆」なドライバー選択をすることができると付け加えた。「ある意味、私は常に変化が好きだ。変化はチャンスを与えてくれるからね」「我々はニコ(ロズベルグが2016年末に電撃引退)の状況も受け入れたし、それはある瞬間から別の瞬間まで予期せぬものだった。来年は誰がシートに座ることになるのか、同僚たちとともにチームのために正しい決断を下すことを本当に楽しみにしている」「何か大胆なことをするチャンスかもしれない」メルセデスが大胆なことをするひとつの方法は、ジュニアドライバーのアンドレア・キミ・アントネッリのキャリアを急ぐことだろう。彼は同じ年にイタリアとドイツのF4タイトルを獲得し、昨シーズンはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権の栄冠を手にした。2024年にはプレマ・レーシングからFIA F2に参戦する予定だ。しかしヴォルフは、2025年から空席となるメルセデスのシートにつながる噂に気を取られることなく、F2キャンペーンに集中することの重要性を強調した。
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