メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、サンパウロGPでの「許しがたいパフォーマンス」を受け、メルセデスW14を「悲惨」と評した。過去2戦連続で2位フィニッシュを果たしたルイス・ハミルトン(オースティンで2位となったが、後に失格となった)だが、ブラジルGPでは8位という低評価にとどまり、チームメイトのジョージ・ラッセルはリタイアを余儀なくされた。
5番手からスタートしたハミルトンは序盤こそ3番手を走行していたが、アレックス・アルボンとケビン・マグヌッセンのクラッシュによるリスタート後にフェルナンド・アロンソに抜かれて4番手に後退。7度のワールドチャンピオンの下降軌道は続き、セルジオ・ペレスにも数周後に抜かれた。結局、ランス・ストロール、カルロス・サインツ、ピエール・ガスリーにも抜かれて8位でフィニッシュした。このところ明るい兆しが見えていただけに、苦い一撃となった。サンパウロGPはメルセデスにとって苦戦となったラッセルは59周目にリタイアを喫したが、彼のペースはグランプリを通して低迷しており、チーム代表のヴォルフはチームの2023年型車に対する厳しい評価でメルセデスのムードを総括した。「許しがたいパフォーマンスだ」とトト・ヴォルフはSky Sportsに語った。「言葉もない。あのマシンは先週も先々週も2位でフィニッシュしているが、我々が何をしたとしても酷いものだった」「ルイスはそこで生き残ったが、ジョージは…こんな悲惨な運転をした二人に同情するほかない。このクルマがいかに難しいかを示している。ナイフエッジにある」「来年に向けてもっと良く開発しなければならない。7日間で表彰台を獲得した2台中最速のマシンの1台が8位でフィニッシュするようなことがあってはならない」W14がなぜブラジルでこれほどまでにペースが上がらなかったのか、その原因究明が急ピッチで始まることは確実であり、ヴォルフも他の誰もがその一貫性のなさの理由を理解することに必死になるだろう。スプリント・フォーマットが要因ではないかという質問に対してトト・ヴォルフは「スプリントのレースウィークエンドでは明らかに我々はワールドチャンピオンではないし、それを成し遂げるためにサーキットではいい仕事をしているが、それでも何が悪かったのか説明できない」「あのクルマはまるで4輪ではなく3輪で走っているようだった」ブラジルの厳しいレースで8位にとどまったハミルトン今季のメルセデスのマシンに対する愛情も薄い。昨年はトラブル続きのW13がインテルラゴスで1勝を挙げたが、ヴォルフは2023年型マシンがグランプリ勝利に値するかどうか、疑う余地はなかった。「このクルマは勝利に値しない」とヴォルフは語った。「残り2レースをプッシュして挽回する必要がある。それが最も重要なことだと思うし、まったく異なるコースであるラスベガスとアブダビで何ができるか見てみたい。だが今日のパフォーマンスは......言葉にならない」「直線の速さはひとつの問題だったと思うが、(ブラジルGPの)主な要因ではなかっただろう。主な要因は、主な要因は、大きなウイングで必要なペースでコーナーを回れなかったことだ。そしてタイヤがだめになってしまった。数周でタイヤを食いつぶしてしまった」2023年F1シーズンも残すところあと2戦となったが、この段階での多くの学びは、メルセデスが来年レッドブルに挑戦するために自分たちが今どの位置にいるのかを知るのに役立つだろう。コンストラクターズ選手権ではフェラーリが20ポイント差で3位につけており、2位を確保しなければならないが、メルセデスはサンパウロのフォーメーションラップでスピンを喫したシャルル・ルクレールがグランプリをスタートできなかったことが助けになったのは間違いない。ハミルトンはブラジルGPでセルジオ・ペレスが4位表彰台を獲得したことで、ドライバーズランキング2位争いも勢いを失った。レッドブルのペレスはハミルトンを32ポイントリードしており、コンストラクターズチャンピオンはドライバーズ選手権で初の1-2フィニッシュを目指している。
全文を読む