メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、F1ブラジルGPの失格処分はルイス・ハミルトンの中に眠っていた“ライオン”を目覚めさせたと語る。F1ブラジルGPの金曜日の予選で1番手だったルイス・ハミルトンだったが、レッドブルがFIAにリアウイングの柔軟性を調査させる過程で、DRSのフラップが規定よりも開きすぎていることが発覚。予選リザルトから除外された。
たが、その裁定以降、ルイス・ハミルトンは覚醒した。最後尾からスタートしたハミルトンは5番手まで挽回。エンジン交換ペナルティによって5グリッド降格の10番グリッドからスタートした決勝ではマックス・フェルスタッペンを倒して優勝。その勢いはF1カタールGPでも止まらず、マックス・フェルスタッペンに一度も脅威を与えられることなく圧勝した。その結果、ランキング首位のマックス・フェルスタッペンとの差は、残り2戦で8ポイントまで縮まった。トト・ヴォルフは、ルイス・ハミルトンの現在のパフォーマンスのきっかけとなったのは、インテルラゴスの失格だったと語る。「彼は完全にゾーンに入っている…彼らはライオンを目覚めさせた」とトト・ヴォルフは語った。「彼らは土曜日にインテルラゴスでライオンを目覚めさせた。彼は完全に覚醒した。残忍で冷血だ。そして、これがルイスのなかのベストだ。我々は過去にもそれを見たことがある。まさに彼はそこにいる」「逆境が起こったとき、それはスーパーヒーローのパワーを結集することができる場所に彼を連れて行く。そして、それを引き起こしたのはインテルラゴスでの逆境だった」F1カタールGPでのルイス・ハミルトンの圧勝にも関わらず、トト・ヴォルフは、メルセデスF1の週末に100%満足することはできなかったと認める。マックス・フェルスタッペンはグリッド降格ペナルティで7番手に落ちたにも関わらず、2戦連続で2位表彰台でフィニッシュし、ファステストラップのボーナスポイントも手にした。そこにはルイス・ハミルトンのチームメイトのバルテリ・ボッタスの運命も関連した。ボッタスもグリッド降格ペナルティを受けたが、スタートで6番手から11番手に順位を落とし、挽回を図っていたレース中盤にパンクに見舞われてリタイアした。その結果、レッドブル・ホンダはコンストラクター選手権で首位のメルセデスに5ポイント差まで迫った。しかし、トト・ヴォルフは、2021年のプレシーズンでのメルセデスの迫力に欠けるスタートを考えれば、シーズンのこの段階で両方のチャンピオンシップを戦うことができて幸せだと語る。「可笑しなものだ。最初のフィーリングはほろ苦いものだった」とトト・ヴォルフは語った。「両方のチャンピオンシップは今とても重要だ。ルイスに関しては素晴らしかった。フェルスタッペンがファステストラップで取った1ポイントは少し余計だったが、彼がレースに勝ったことのは素晴らしいことであり、良いニュースはマシンが本当に速いことだ。マシンはハッピーなスポットにあるように思うし、彼は先頭からレースをコントロールしていた。そして、それはサウジアラビアとアブダビにむけて良い兆候だ」「オフィスでの一日について言えば、それを地獄と呼ぶなら、それはバルテリの日だった」とトト・ヴォルフは付け加えた。「スタート直後に荒地に戻り、リカバーし、実際に表彰台に向かっていた。その後、彼はラップの初めにパンクした最初の選手となり、ダウンフォースはなくなり、リタイアした。もう悪化することはない。「しかし、シーズンの初めにタイトル争いがサウジアラビアもしくはシーズン最後までもつれ込むと言われていたら、我々はそれを受け入れただろう。我々は劣勢でスタートしたと思う。我々は十分ではなく、レギュレーションは我々に味方しなかった。大打撃を受けた」「したがって、チャンピオンシップに勝つ人は誰でも、チャンピオンシップに勝つ価値がある。それは私に眠れない夜をもたらすかもしれないし、2戦で勝たない場合はイライラするだろう。だが、我々はそれを受け入れることができる。それは世界の終わりではない。我々は力強くカムバックするだろう。先に行動を起こさずとも、来シーズンは力強く戻ってくる。今後のシーズンもそうだ」一方、メルセデスF1の最近の勢いを踏まえて、チャンピオンシップをコントロールしていると感じているかと質問されtトト・ヴォルフは「そう願っている! 非常にタフなときほど楽しいものはないし、本当にこの戦いを楽しんでいる。これがまさに我々がこのスポーツに参加している理由だ。私はすべての瞬間を楽しんでいる」と語った。
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