FIA(国際自動車連盟)は、F1サヒールGPでメルセデスF1が間違ったタイヤを装着したピット作業ミスを受けて、今後、同じような状況が発生した場合の対処について技術規則で明確化した。F1サヒールGPでは、ダブルピットストップを実行したメルセデスF1が、先に入ったジョージ・ラッセルにバルテリ・ボッタスに割り当てられた2本のフロントタイヤを誤って装着するというミスを犯した。
メルセデスは、ジョージ・ラッセルを再びピットに呼び戻して正しいタイヤに交換したが、このようなミスについての明確な規定がなかったため、レース後、関係者は9位でフィニッシュしたラッセルにどのようなペナルティが科せられるかについて待機することになった。ジョージ・ラッセルの失格の可能性もあったが、F1サヒールGPのスチュワードは、メルセデスがミスを正すために迅速な対応をしたこと、また無線トラブルといった理由を鑑みて、最終的に2万ユーロ(約250万円)の罰金を科すにとどめた。FIA 世界モータースポーツ評議会では、今後、F1チームが異なる仕様のタイヤを装着するというミスを犯した場合にどのような対処すべきかが話し合われ、ペナルティを含めた対応が明確化された。「レース中に仕様の異なるタイヤの組み合わせや、割り当てられていないタイヤを使用したドライバーは、3回以上フィニッシュラインを通過する前にピットに戻り、同じ仕様のタイヤセットに変更しなければならない」と競技規則に記された。3周以内に正しい仕様のタイヤに変更しなかった場合、ドライバーには10秒のストップ&ゴーペナルティが科される。メルセデスのこの作業ミスにSNSではチーム代表を務めるトト・ヴォルフが7回のF1ワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンの面子を保つために、代役として初めてメルセデスに乗ったジョージ・ラッセルが簡単に優勝することを阻止するべくピットクルーに意図的にミスを犯すよう指示したとの陰謀説さえ囁かれた。実際には、メルセデスに無線プログラムにミスがあり、本来ならばピットスルーにはエンジニアから指示が優先的に伝えられるはずが、ジョージ・ラッセルからの無線が優先的に聞こえるように設定されていた。
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