メルセデスF1は、2020年のF1世界選手権の開幕戦となる7月のF1オーストリアGPにW11に大幅なアップグレードを投入ことを明らかにした。2月にバルセロナで行われたプレシーズンテストでは、メルセデスF1は再び優勝候補であることを示すパフォーマンスを披露していた。レッドブル・ホンダF1もペース的にはメルセデスに近づいていたものの、それがオーストリアにも当てはまるかどうかはまだわからない。
レッドブル・ホンダF1は、オーストリアGPに持ち込むRB16は2月にバルセロナを走ったものとは大幅に異なるものになると述べている。また、報道によると、フェラーリもSF1000、特にエンジンとギアボックスが改良されていると報じられている。そのため、メルセデスF1がオーストリアGPに新しいアップデートを持ち込むことを発表したことは驚くことではない。テクニカルディレクターのジェームス・アリソンは、アップデートはすでに6か月間取り組んできたものだと述べた。「バルセロナのトラックを走ったマシンは、2019年末にすでに準備ができていたものだ。その間にもアップグレードに関しては多くの作業が行われていた。クリスマスあたりには発表用マシンとオーストラリアで走っていたであろうマシンの開発はすでに凍結していた」とジェームス・アリソンは説明する。「1月全体、2月全体、3月全体に風洞とデザイン部門でマシンを速くするためにさらに開発を行っていた」とジェームス・アリソンは、メルセデスF1のエンジニアがすでにいくつかの優れたアイデアを持っていることを認める。「クルマを速くする方法については多くのアイデアがあったし、それらのアイデアのかなり多くは9週間前に新型コロナウイルス危機によってファクトリーのシャットダウンを余儀なくされる前にすでにデザインオフィスで進行していた」昨年、メルセデスは、第2回目のプレシーズンテストに大幅なアップグレードを導入。これにより、マシンのスピードは大幅に向上し、シーズン序盤を支配。開幕から6戦連続で1-2フィニッシュを達成し、8連勝を上げた。「ファクトリーが再びオープンになった今、他のすべてのアイデアをできるだけ早く実際にマシンに届けられるようにすることが重要だ。今の我々の課題は開発シーズンの4分の1に可能な限り迅速に製図版からマシに落とし込めるかだ」「オーストリアの最初のレースにその多くを投入できることを願っている。その後のシーズンでもできる限り早くその開発の多くをマシンに搭載できることを期待している」「一生懸命に働いているし、オーストリアではすでに最初の利益を享受できるだろう」メルセデスF1は、シーズン再開の準備としてルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスがシルバーストンで2年落ちのW09で走行を実施。ジェームス・アリソンは両方のドライバーがシーズン再開にむけて準備が整っていると確信していると語る。「ドライバーにとってこの待機期間はチームよりも精神的に厳しかったと思う」とジェームス・アリソンは語った。「ドライバーにとって、感情のすべてのピークが増幅され、高値は高くなり、低値は低くなる。シーズン開幕で走る準備をしていて、メルボルンのように途中で奪われてしまうのはドライバーにとって難しいことだと思う」「すべてのエネルギーを仕事に戻り、最初から正しくするために必要な活力を目にするのは彼らの回復力と競争力のしるしだ」「ルイスとバルテリの二人がオーストリアの重要なときに走る準備ができていることを疑う余地はほとんどない」